コルテバは、世界大手化学メーカーであるダウケミカル(Dow Chemical)とデュポン(E.I du Pont de Nemours)の2015年の経営統合に伴い、両社の農薬子会社が経営統合して、2019年に誕生しました。ダウケミカルの農薬事業は、米Rohm and Haas(ローム・アンド・ハース)の流れを汲むDow AgroSciences(ダウ・アグロサイエンス)でした。トウモロコシ、大豆、ひまわり、小麦などの種子と除草剤と殺虫剤といった農薬事業を手掛けます。
2019年度
売上高は13,846百万ドルで、前年度比3%減となりました。営業利益は1,059百万ドルになりました。営業利益率は8%になりました。売上の減少は主に、為替の3%下落が原因です。為替の不利な影響は主にブラジルレアルとユーロによって引き起こされました。新製品に対する旺盛な需要とEMEA地域におけるトウモロコシ種子販売量の増加がありましたが、北米における天候による作付けの大幅な遅れと大豆の作付け面積減少があり、販売量は前年度と比較して横ばいでした。
2020年度
売上高は14,217百万ドルで、前年度比3%増となりました。営業利益は1,525百万ドルになりました。営業利益率は11%になりました。販売数量は前年同期比で5%増加しました。これは主に、全世界にわたる新製品および差別化された製品の売上によって促進されました。
2021年度
売上高は15,655百万ドルで、前年度比10%増となりました。営業利益は2,039百万ドルになりました。営業利益率は13%になりました。販売数量は、ラテンアメリカを中心に全地域で増加し5%増加しました。旺盛な需要、差別化された新製品の継続的な浸透、作付面積の増加が見られました。価格は原材料および物流コストの上昇に伴う価格設定により、4%上昇しました。
2022年度
売上高は17,455百万ドルで、前年度比11%増となりました。営業利益は2,630百万ドルになりました。営業利益率は15%になりました。売上の増加は主に、10%の価格上昇と5%の販売数量増加によってもたらされました。価格上昇は、コストインフレと投入コストの上昇に対応して、全地域にわたって価格を吊り上げたことによるものです。販売量の増加は、新製品の販売量増加によって推進されましたが、北米のトウモロコシ面積の減少と北米のキャノーラの供給制約によって部分的に相殺されました。
2023年度
売上高は17,226百万ドルで、前年度比1%減となりました。営業利益は2,793百万ドルになりました。営業利益率は16%になりました。売上の減少は主に、10%の販売量の減少と、1%の不利な為替変動の影響によって引き起こされました。販売量の減少は、農薬部門における業界の継続的な逆風状態による戦略的撤退、作物保護チャネルの在庫削減、農家の購入の遅れ、EMEA地域におけるトウモロコシ作付面積の減少、ブラジルにおける夏期トウモロコシ作付面積の減少と予想されるサフリーニャ・トウモロコシ作付面積の減少、ロシアからの撤退によって引き起こされました。
2023年第1四半期(1ー3月)
売上高は4,884百万ドルになりました。営業利益は1,071百万ドル、営業利益率は22%になりました。顧客に差別化された価値を提供する分野にポートフォリオを集中させるという戦略的行動は、新製品売上の加速的な成長、継続的な利益率の拡大、より質の高い収益につながっています。
2023年第2四半期(4ー6月)
売上高は6,045百万ドルになりました。営業利益は1,534百万ドル、営業利益率は25%になりました。売上は前年同期比で 3.3% 減少しました。農薬部門における戦略的の撤退と在庫削減により、販売数量は前年同期比 13% 減少しました。種子量の減少は、EMEA 地域におけるトウモロコシ作付面積の減少とロシアからの撤退により引き起こされましたが、北米におけるトウモロコシ作付面積の増加により部分的に相殺されました。価格は投入コストの上昇の回復を反映して、前年比で9%上昇しました。
2023年第3四半期(7ー9月)
売上高は2,590百万ドルになりました。営業利益は61百万ドルの赤字になりました。売上は前年同期比で 6.7% 減少しました。農薬業界は継続的な逆風状態にあり、戦略的撤退を実施したため販売量は前年同期比 15% 減少しました。種子の販売量が減少したのは、ラテンアメリカでの季節需要のタイミングと、北米での操業終了が前年よりも早かったことによるものです。価格は、競争圧力の増大に対処して前年比で 2% 上昇させました。
2023年第4四半期(10ー12月)
売上高は3,707百万ドルになりました。営業利益は249百万ドル、営業利益率は7%になりました。今期の売上は前年同期で3%減少しました。農薬部門においては継続的な逆風状態にあり、戦略的撤退を実施したため、販売量は主にラテンアメリカで9%減少しました。種子販売量の減少は、作付け面積の減少と、ブラジルの悪天候による農家の購入の遅れが原因でした。
2024年第1四半期(1ー3月)
売上高は4,492百万ドルになりました。営業利益は874百万ドル、営業利益率は19%になりました。今期の業績は、コルテバの予定通りでした。種子事業は、品質、収量、価値を一貫して提供する製品に対する農家の継続的な投資を反映して、再び優れた業績を達成しました。農薬に関しては、業界が主要地域での残留在庫不均衡への取り組みを継続し、農家がジャストインタイム購入に移行しているため、逆風に直面しました。
希薄化後EPSは前年度比35%減の1.03ドルになりました。1株当たりの配当は前年度比7%増の0.62ドルになりました。配当性向は60%になりました。
2024年4月
2024第一四半期のレポートにて、2024年度通期の売上は17,400百万から17,700百万ドル、EBITDAは3,500百万から3,700百万ドルを予定していると掲載されています。
セグメントは、種子事業、農薬事業に分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。
種子事業
PioneerやBrevantといったブランドで、トウモロコシ、大豆やトウモロコシなどの種子の開発販売を行っています。
農薬事業
CLOSER、APROACH PRIMAやARIGOといったブランドで、除草剤、殺虫剤、窒素安定剤、牧草地・放牧地管理用除草剤などを開発販売しています。
2019年 コルテバアグリサイエンスが誕生
2023年 バイオスティミュラントとバイオ肥料を手掛けるStollerの買収を完了
2023年 農業分野のバイオベース製品会社Symborgの買収を完了