キャンベルスープの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

Campbell Soup(キャンベルスープ)は、1869年に設立された加工食品メーカーです。社名のキャンベルの濃縮スープやV8ブランドの野菜ジュースといった強力なブランドを擁しています。オーストラリアのビスケット最大手アーノッツ・ビスケットを売却し、スープ、飲料、スナックなどの分野に経営資源を集中させています。

業績推移(年次)


2019年度
売上高は8,107百万ドルで、前年度比23%増となりました。営業利益は979百万ドルになりました。営業利益率は12%になりました。売上の増加の要因は、主に Snyder'sLance とPacific Foods の買収によるものです。粗利率は、前年度の 35.9% から 33.2% に減少しました。 この減少は主に、コストインフレとサプライチェーンコストの上昇によるものですが、生産性の向上によって部分的に相殺されました。

2020年度
売上高は8,691百万ドルで、前年度比7%増となりました。営業利益は1,107百万ドルになりました。営業利益率は13%になりました。粗利率は、前年度の 33.2% から 34.5% に増加しました。 この増加は主に、サプライチェーンの生産性の向上、コスト削減の取り組み、商品ラインナップ調整による収益性の向上によるものですが、インフレによるコストアップや新型コロナウイルス感染症の影響を含むその他のサプライチェーンのコストによって部分的に相殺されました。

2021年度
売上高は8,476百万ドルで、前年度比2%減となりました。営業利益は1,545百万ドルになりました。営業利益率は18%になりました。粗利率は 33.2% で、前年度の 34.5% から減少しました。 この減少は主に、インフレによるコストアップやサプライチェーンコストの上昇、および商品ラインナップのミスマッチによるものでしたが、サプライチェーンの生産性向上やプロモーション支出の抑制などにより部分的に相殺されました。

2022年度
売上高は8,562百万ドルで、前年度比1%増となりました。営業利益は1,163百万ドルになりました。営業利益率は14%になりました。売上高に関しては、インフレによる商品の価格調整による売上高増加分が、販売数量の減少、Plum のベビーフードおよびスナック事業の売却による売上減少に相殺されました。 販売量の減少は、主に労働力と材料の入手可能性と価格弾力性による供給制約により減少しました。販売量減少の主な要因は、価格弾性によるものと、材料及び労働力の供給制限によるものです。粗利率は 30.7% で、前年度の 33.2% から減少しました。 この減少は主に、インフレによるコスト上昇、販売量の不調によるものであったが、インフレ主導の価格設定行動とサプライチェーンの生産性向上によって部分的に相殺されました。

2023年度
売上高は9,357百万ドルで、前年度比9%増となりました。営業利益は1,312百万ドルになりました。営業利益率は14%になりました。販売量自体は不調でしたが、インフレによる純価格実現の恩恵により売上高が前年度より増加しました。粗利率は 31.2% で前年度の 30.7% から増加しました。 この増加は主に、価格調整、サプライチェーンの生産性向上、特定の商品ヘッジに関連する契約の価格修正によるものでしたが、コストインフレやその他のサプライチェーンコストの上昇、および販売数の減少によって部分的に相殺されました。

キャンベルスープの業績推移

キャンベルスープの業績推移

業績推移(四半期)

2023年第1四半期(08ー10月)
売上高は2,575百万ドルになりました。営業利益は436百万ドル、営業利益率は17%になりました。

2023年第2四半期(11ー01月)
売上高は2,485百万ドルになりました。営業利益は350百万ドル、営業利益率は14%になりました。

2023年第3四半期(02ー04月)
売上高は2,229百万ドルになりました。営業利益は254百万ドル、営業利益率は11%になりました。

2023年第4四半期(05ー07月)
売上高は2,068百万ドルになりました。営業利益は272百万ドル、営業利益率は13%になりました。

2024年第1四半期(08ー10月)
売上高は2,518百万ドルになりました。営業利益は358百万ドル、営業利益率は14%になりました。

キャンベルスープの四半期業績推移

キャンベルスープの四半期業績推移

EPS・配当額・配当性向の推移

希薄化後EPSは前年度比14%増の2.85ドルになりました。1株当たりの配当は前年度と同額の1.48ドルになりました。配当性向は52%になりました。

キャンベルスープのEPS・配当額・配当性向の推移

キャンベルスープのEPS・配当額・配当性向の推移

業績予想

2023年11月
2024年度第一四半期のレポートにて、2024年度通期の売上は9,357百万ドル、EBITは1,367百万ドル、EPSは3ドルを予定していると掲載されています。

売上構成

キャンベルスープの製品カテゴリは、スープ、スナック、その他の食品、飲料に分類されます。製品カテゴリ別の売上構成は以下の通りです。

キャンベルスープの売上構成(2023年度)
キャンベルスープの売上構成(2023年度)

食料品および飲料事業
スープ、軽食、飲料を製造し、米国とカナダの小売業者やフィードサービス業者へ販売しており、以下のブランドを保有しています。またこの事業セグメントでは、スナックをカナダのフードサービス業者へ販売しています。
Campbell's:即席スープ、グレービー、パスタ、豆類、ディナーソース、トマトジュース
Swanson:ブロス、ストックフード、鶏肉缶詰
Pacific Foods:ブロス、スープ、非乳製品飲料
Prego:パスタソース
Pace:メキシカンソース
V8:ジュース、飲料

スナック事業
以下のスナックブランドを保有しています。また、米国の小売業者にその他のスナック類を販売しています。
Pepperidge Farm:クッキー、クラッカー、パン、冷凍食品
Snyder’s of Hanover:プレッツェル
Lance:サンドウィッチクラッカー
Cape Cod:ポテトチップス
Kettle Brand:ポテトチップス
Late July:スナック
Snack Factory:プレッツェルチップス
Pop Secret:ポップコーン
Emerald:ナッツ

M&A情報

M&Aを通じた事業ポートフォリオの入れ替えを積極的に行っています。

2015年 Garden Fresh Gourmetを買収
2017年 スナック大手Snyder's-Lanceを49億ドルで買収
2017年 飲料メーカーのPacific Foodsを買収
2019年 アーノッツ・ビスケットをKKRに売却
2019年 Garden Fresh Gourmetを売却
2019年 キャンベルスープが保有する欧州チップス事業を、食料品を提供する Valeo Foods へ売却を完了
2019年 キャンベルスープが保有する、クッキーやクラッカーなどの高品質の焼き菓子を製造する Kelsen Group (デンマーク) を、Ferrero の関連会社への売却を完了
2021年 レーズンやその他のドライ フルーツを生産販売する Sun-Maid Growers (米) が Campbell Soup のオーガニックベビーフードブランドの Plum Organics の買収を発表
2023年 パスタソース、ドライパスタ、スープ、冷凍メインディッシュ、冷凍ピザ、ヨーグルトなどの製品を販売する Sovos Brands (米) の買収を合意

株主構成

メアリーマローン氏やベネットドランス氏はキャンベルスープ創業ファミリーのメンバーです。第5位株主に物言う株主のThird Pointが入っています。

キャンベルスープの株主構成(直前期末時点)
キャンベルスープの株主構成(直前期末時点)出所:マーケットスクリーナー

EN