アルストム(Alstom)は、フランスの鉄道車両や鉄道信号メーカーです。フランスの高速鉄道の代名詞であるTGVを手掛けた高い技術力を有します。2014年にGEの鉄道車両事業を買収しました。2017年に鉄道事業をドイツのシーメンスと経営統合する発表をしましたが、2019年に規制当局の承認が得られず断念しています。また、2020年にボンバルディアの鉄道車両・信号部門の買収を発表しました。
水力タービンと蒸気タービンの分野も展開していましたが、ガスタービンに強いGEとの提携で、タービン分野での強者連合を形成しました。2014年にGEと 送配電事業を含む電力事業において戦略的提携を行い、2018年にGEに電力事業を売却し、現在は鉄道事業に特化しています。鉄道信号にも強みを持っています。
2018年度
売上高は8,072百万ユーロで、前年度比10%増となりました。営業利益は445百万ユーロになりました。営業利益率は6%になりました。
2019年度
売上高は8,201百万ユーロで、前年度比2%増となりました。営業利益は453百万ユーロになりました。営業利益率は6%になりました。
2020年度
売上高は8,785百万ユーロで、前年度比7%増となりました。営業利益は252百万ユーロになりました。営業利益率は3%で前年度の6%を下回りました。製造コスト率が2ポイント上昇したことと、販管費率が1ポイント上昇したことが影響しました。
2021年度
売上高は15,471百万ユーロで、前年度比76%増となりました。この売上の増加は、ボンバルディアを買収した影響と思われます。営業利益は555百万ユーロの赤字になりました。
2022年度
売上高は16,507百万ユーロで、前年度比7%増となりました。メイン事業である鉄道車両セグメントの売上は2ポイントの増加に留まりました。サービスセグメントとシステムセグメントの売上の増加が、全体の売上増加に貢献しました。営業利益は104百万ユーロの赤字になりました。
2021年上半期(04ー09月)
売上高は7,443百万ユーロになりました。営業利益は15百万ユーロの赤字になりました。
2021年下半期(10ー03月)
売上高は8,028百万ユーロになりました。営業利益は540百万ユーロの赤字になりました。
2022年上半期(04ー09月)
売上高は8,048百万ユーロになりました。営業利益は5百万ユーロの赤字になりました。
2022年下半期(10ー03月)
売上高は8,459百万ユーロになりました。営業利益は99百万ユーロの赤字になりました。
2023年上半期(04ー09月)
売上高は8,443百万ユーロになりました。営業利益は13百万ユーロ、営業利益率は僅かでした。
EPS・配当額・配当性向の推移
希薄化後EPSは-0.35ユーロになりました。1株当たりの配当は前年度と同額で0.25ユーロになりました。
2023年11月
2023年度第二四半期の報告書において、2023年度通期の対前年度比売上自立成長率は5%、EBIT成長率は6%を予定と記載されています。
セグメントは、鉄道車両、サービス、システム、信号に分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。
鉄道車両
電車、地下鉄、路面電車、高速鉄道などの車両の設計、製造、販売を実施しています。 これらの車両の部品の製造も含まれます。
サービス
輸送部門向けのメンテナンス、最新化、部品、修理、およびサポートサービスの提供を実施しています。 これには、輸送システムの継続的な運用効率と安全性の確保が含まれます。
システム
持続可能な輸送をサポートするためのインフラストラクチャと統合システムソリューションを提供しています。
信号
鉄道ネットワーク向けの信号ソリューションを提供しています。これには、鉄道システムの安全性とパフォーマンスを強化するための高度な信号技術の開発と実装が含まれます。
2011年 仏アルストムによるロシアのTransmashholdingの25%の株式の買収
2015年 仏アルストムによるGE鉄道車両事業の買収
2017年 アルストムとシーメンスが鉄道車両事業の経営統合で合意
2019年 アルストムとシーメンスの経営統合が欧州委員会により却下
2020年 アルストムとボンバルディアが鉄道車両部門の経営統合で合意
2021年 ボンバルディアの鉄道部門の買収が完了
ボンバルディアの鉄道車両事業を買収する際に、ケベック州投資信託銀行(CDPQ)が筆頭株主になっています。