ロジウム業界の世界市場シェアと市場規模について分析をしています。シバニエスティルウォーター、インパラプラチナ、ノーザムプラチナ、ARMプラチナ、アングロアメリカンプラチナム、ノリリスク・ニッケルといった大手ロジウム採掘会社の概要や動向も掲載しております。
【ロジウムとは】
ロジウム(rhodium)は白金族の中でも埋蔵量が少ないレアメタルです。プラチナやパラジウムもしくはニッケルの副産物として生産されます。南アフリカが主な生産国です。主に装飾品、窒素酸化物向けの自動車用触媒、工業用品用途で利用されます。
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プラチナ業界の世界市場シェアの分析
パラジウム採掘生産会社の世界市場シェアの分析
【市場シェア】
ロジウム生産会社各社の年間生産⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2022年のロジウム生産量の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はインパラプラチナとなります。
ロジウム生産会社の世界市場シェアと業界ランキング(2022年)©2024 Deallab
順位 | Company name(English) | 会社名 | 市場シェア |
---|---|---|---|
1位 | Anglo American Platinum Limited | イアングロアメリカンプラチナム | 34.99% |
2位 | Impala Platinum Holdings Limited | インパラプラチナ | 26.09% |
3位 | Sibanye-Stillwater | アシバニエスティルウォーター | 22.23% |
4位 | Northam Platinum Holdings Limited | ノーザムプラチナ | 10.63% |
5位 | Norilsk Nickel | ノリリスク・ニッケル | 8.59% |
6位 | African Rainbow Minerals Limited | アフリカンレインボーミネラルズ | 6.92% |
【市場規模】
当サイトでは、各調査会社等の公表データ[affi id=16]を参考にし、ロジウム業界の2022年の世界市場規模を690千オンスとして市場シェアを計算しております。参照にしたデータは以下の通りです。
SkyQuestによると、2022年の市場規模は22.2億ドルです。2031年にかけて年平均5.7%で成長し、規模は36.6億ドルへと拡大することを見込んでいます。⇒参照したデータの詳細情報
年 | 市場規模 | |
---|---|---|
2022年 | 22.2億ドル | – |
2023年 | 23.5億ドル | 5.7% |
2031年 | 36.6億ドル | 5.7% |
価格推移
Xトラッカーズ・フィジカル・ロジウムETCは、ロジウムの現物を担保として、米ドル・スポット価格に連動するチャートです。
【M&Aの動向】
2016年 シバニエはスティルウォーター鉱山会社を買収
2018年 アングロアメリカンプラチナムがモトトロ合弁事業の買収を完了
2022年 アフリカン レインボー ミネラルズ はボコニ・プラチナ・マインズ社の買収完了
2023年 インパラプラチナはロイヤル・バフォケン・プラチナの株式を過半数取得
【会社の概要】
Anglo American Platinum(アングロアメリカンプラチナム)
南アフリカに本拠を置く世界最大のプラチナ生産会社です。ヨハネスブルグ証券取引所に上場しています。資源大手のAnglo American(アングロアメリカン)子会社です。
Impala Platinum Holdings(インパラプラチナムナホールディングス)
南アフリカの本拠を置くパラジウム、プラチナ生産大手です。略称Implats(インパラ)です。2019年にカナダに本拠を置くプラチナ・パラジウム生産大手であるNorth American Palladium(ノースアメリカンパラジウム)を買収しました。
Sibanye Stillwater(シバニエスティルウォーター)
米国に本拠を置くプラチナ・パラジウム生産大手です。ニューヨーク証券取引所に上場しています。プラチナ以外にもロジウムやパラジウムに強みを持ちます。2016年にオーストラリアのプラチナ大手であるAquarius Platinum(アクエリアスプラチナ)、2019年にプラチナ生産大手のロンミンを買収しました。
Northam Platinum(ノーザムプラチナ)
南アフリカに本拠を置くPGM生産会社です。プラチナ以外にもパラジウムやロジウムを生産します。南アフリカのブッシュフェルト、ゾンデラインデ鉱山やブイセンダル鉱山で生産をします。
Norilsk Nickel(ノリリスク・ニッケル)
Norilsk Nickel(ノリリスクニッケル)は、ロシアに本拠を置くニッケル・銅・パラジウム・プラチナ等の非鉄金属生産会社です。副産物としてコバルトも生産しています。大株主は、ロシアの財閥であるインターロス(Interros)やロシアのオリガルヒであるオレグ・デリパス氏率いるアルミニウム大手のルサール社です。同社が権益を保有するロシア北東のノリリスク-タルナフ地区は、世界最大のニッケル・銅・パララジウム鉱床です。アルミニウム製錬大手で、ルサールが筆頭株主です。ロンドン証券取引所に上場しています。ルサールは米国によるロシアの制裁の対象となっています。ロシアのKola (コラ)Divisionが主要鉱山です。
African Rainbow Minerals (アフリカンレインボーミネラルズ)
1997年に南アフリカで設立された鉱山開発会社です。アングロアメリカン、インパラ、ロシアの資源大手であるNorilsk Nickel(ノリリスク・ニッケル)等とプラチナ生産を共同で行っています。白金族元素、鉄、石炭、銅、金などの鉱山を開発しています。
参照したデータの詳細情報について
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