補聴器メーカーの世界市場シェアの分析

補聴器メーカーの世界シェアと市場規模について分析をしています。大手補聴器メーカーであるソノヴァ、デマント、WSオーディオロジー、ジーエヌストア、スターキー、コックリアーの概要や動向も掲載しています。

【補聴器メーカーの世界市場シェア】

補聴器メーカーの2021年度の売上高を分子に、後述する市場規模を分母にして、2021年の補聴器業界の世界市場シェアを簡易に算出すると、1位はソノヴァ、2位はウイリアム・デマント、3位はジーエヌストアノードとなります。⇒参照したデータの詳細情報

補聴器メーカーの世界シェア(2021年)

順位会社名市場シェア
1位Sonova(ソノヴァ)19.6%
2位William Demant(ウイリアム・デマント)13.8%
3位GN Store Nord(ジーエヌストアノード)12.6%
4位WS Audiology(旧Sivantos GroupおよびWidex、WSオーディオロジー)12.4%
5位Starkey Hearing Technologies(スターキー)11.2%
6位Cochlear(コックリアー)6.3%
補聴器メーカーの市場シェアと業界ランキング(2021年)©ディールラボ
補聴器メーカーの世界シェア(2021年)
補聴器メーカーの世界シェア(2021年)

補聴器は歴史的に欧州企業が強く、市場シェアランキングでも上位1〜4位は全て欧州メーカーとなっております。米国のスターキーを含め、元々は世界7大補聴器メーカーと言われていましたが、2019年に旧シーメンスの補聴器部門であったシバントスとデンマークのワイデックスが経営統合を行い、WSオーディオロジーが誕生した結果、世界6大メーカーへとなりました。

【補聴器メーカーの世界市場規模】

当サイトでは、補聴器業界の市場規模を187億ドルとしています。参照にした統計データは以下の通りです。

調査会社のリサーチアンドマーケッツによると、2021年の同業界の市場規模は187億ドルです。2027年にかけて、年平均7.7%で成長し、同年には296億ドルへと拡大する見込みです。

調査会社のグランビューリサーチによると、2020年の聴覚機器市場の規模は110億ドルです。2019−2026年で約5.8%の成長を見込みます。

調査会社のベリファイドマーケットリサーチによると2020年の同市場規模は104億ドルです。2028年にかけて年平均5.58%での成長を見込みます。⇒参照したデータの詳細情報

【M&Aの概要】

シーメンスが補聴器事業を分社化し、補聴器専業6社が競い合う構図となりました。

2014年 シーメンスが補聴器事業をEQTに売却。Sivantos (シバントス)設立
2016年 ソノヴァによる補聴器小売大手オーディオノバの買収
2018年 シバントスがデンマークのワイデックスと経営統合。WSオーディオロジー設立
2019年 GNストアノードによるビデオ通信プロバイダーのAltia買収

【会社の概要】

Sonova(ソノヴァ)

スイスに本拠を置く世界最大級の補聴器メーカーです。2007年にフォナック(Phonak)より社名変更しました。Marvel(マーベル)ブランドで展開しています。世界100ヵ国以上で事業を展開し、スイス証券取引所に上場(ティッカーシンボルはSOON)しています。創業家であるDiethelm家が大株主として残っています。

William Demant(ウイリアム・デマント)

1904年に設立されたデンマークに本拠を置く大手補聴器メーカーです。傘下のOticon(オーティコン)、Philips(フィリップス)、Bernafon、Sonic等ブランドの補聴器を製造・販売しています。フィリップスとは2018年にブランド使用のライセンスアグリーメントを締結しています。創業家ファミリーの財団であるDemant Foundationが過半の議決権を保有しています。NASDAQ OMX市場に上場しています。

GN Store Nord(ジーエヌストアノード)

デンマークに本拠を置く大手補聴器メーカーです。元々は海底ケーブルを大北電信会社(Great Norther Telegraph Company)として行っており、日本の国際通信を担っていた時期もあります。現在の事業構成は大きく補聴器事業とワイヤレスイヤホン事業に分かれます。後者の事業は、Jabraブランドで、アップルのAirPods、サムスンやBoseと競合をしています。補聴器はReSound(リサウンド)やBeltone(ベルトーン)ブランドで展開をしています。NASDAQ OMX市場に上場しています。

Starkey Hearing Technologies(スターキー)

米国に本拠を置く補聴器大手メーカーです。非公開会社です。

WS Audiology(旧Sivantos GroupおよびWidex、WSオーディオロジー)

2019年にデンマークに本拠を置く補聴器大手メーカーであるWidex(ワイデックス)と独シーメンスの補聴器事業の流れを汲むSivantos (シバントス)が経営統合して誕生しました。投資ファンドのEQTがシバントス買収した際の想定企業価値は22億ユーロとなっています。

Amplifon(アンプリフォン)

イタリアに本拠を億補聴器小売大手です。ホワイトレーベルブランドの補聴器(生産は他社に委託するものの、自社のブランドで販売すること)APEも販売しています。

Cochlear(コックリアー)

1981年にオーストラリアで設立された人工内耳機器を製造するメーカーです。人工内耳以外にも、電気音響インプラント「Hybrid」、骨伝導インプラント「Baha」などを展開しています。

Panasonic Hearing Instruments Co., Ltd.(パナソニック補聴器株式会社)

パナソニックの子会社です。1959年にポケット型補聴器販売しました。60年以上にわたり補聴器を手掛けています。

パナソニックについて

パナソニックは、1917年に松下幸之助氏によって設立された日本を代表する電機メーカーです。松下電工や三洋電機と統合し、総合電機メーカーとして世界的なプレゼンスを有します。アプライアンス(家電、空調、AV機器、累計2000億個を売り上げた約90年の歴史を持つ電池等)、オートモーティブ(蓄電池、音響機器等)、インダストリアル(電池やモーター等)、ライフソリューション(照明や水まわり等)、コネクティッドソリューションズ(フライトエンターテイメント、航空機向け電子機器、監視カメラ等)といった事業部制に特徴がありましたが、2022年にパナソニックホールディングスを設立し、事業部はホールディング傘下の独立した子会社となりました。さらに詳しく

参照したデータの詳細情報について


参照したデータは以下の通りです。リンク切れなどありましたら、お問い合わせのページからご連絡頂けますと大変有難く存じます。

補聴器メーカーの売上高ランキング

参照した市場規模の情報※以下のsourceは御覧いただきますタイミングにより上記市場規模と数値が異なる場合がございます。

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