データセンター・コロケーション業界の世界市場シェアの分析
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データセンター・コロケーション業界の世界市場シェアの分析

データセンター・コロケーション業界の世界シェアと市場規模について分析しています。エクイニクス、デジタル・リアルティ、NTTといったデーターセンター大手の動向も掲載しています。

【データセンター・コロケーションとは】

データセンターとは、大量のデータを安全かつ効率的に管理・処理するための施設です。サーバーやネットワーク機器、ストレージ、電源設備、冷却装置などが設置され、企業や組織の情報システムを支えます。高いセキュリティ対策や災害対策が施されており、耐震性に優れ、蓄電池や自家発電装置を備えています。また、環境負荷を抑えたエネルギー効率の高い運用も重要視されています。

データセンターの顧客は、IT企業やクラウドサービスプロバイダー、金融機関・公的機関に流通業者など多岐に及びます。中には自社でデータセンターを所有せず、外部のデータセンターを利用する「コロケーション」を利用する企業も増えています。サーバーの管理は借り主の顧客が行い、米国ではコロケーションサービスベンダーは税制メリットのある不動産投資信託(REIT)の形態をとる会社が多くなっています。レンタルサーバーと言われる、サーバー領域の一部貸出サービスはホスティングと言われ、サーバーの貸主がサーバーの運用を含めマネージドサービスと言われる関連サービスを一括して提供します。

【データセンター・コロケーション業界の世界市場シェア】

データセンター・コロケーション業界の2023年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2023年のデータセンター・コロケーション業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はエクイニクス、2位はデジタル・リアリティ、3位はNTTデータとなります。

データセンター運営会社の世界市場シェア(2020年)

順位 Company name
(English)
会社名 市場シェア
1位 Equinix エクイニクス 7.18%
2位 Digital Realty Trust デジタル・リアルティ 4.80%
3位 NTT Data NTTデータ 1.64%
4位 SECOM セコム 0.85%
5位 KDDI KDDI 0.81%
データセンター運営会社の世界市場シェアと業界ランキング(2023年) ©2024 Deallab

データセンターの世界シェア(2023年)©2024 Deallab

データセンター市場のシェアランキングでは、米国のエクイニクスがトップを維持しています。同社は世界中のデータセンターを買収して拡大しており、特にクラウドやネットワークの相互接続サービスで広く知られています。2位にはデジタル・リアルティが続き、金融機関やITサービス企業向けに高品質なデータセンター施設を提供しています。

日本企業では、NTTデータが3位にランクインしています。日本国内に17拠点を持ち、NTTの優れたネットワーク環境を利用した信頼性の高いシステムで存在感を示しています。上位2社が世界規模での強みを持つ中、日本企業は国内市場を中心に成長を続けており、国際市場におけるシェア拡大が今後の課題といえます。

なお、その他の主要企業としてサイラスワン(Cyrus One)やグローバルスイッチ(Global Switch)がありますが、財務データを公表していないため、ランキングから除外しています。

【データセンター・コロケーション業界の世界市場規模】

当データベースでは、2023年のデータセンター・コロケーション業界の市場規模を1140億ドルとしております。参照した各種調査データは次の通りとなります。

調査会社プレセデンスリサーチによると、2023年の同業界の市場規模は1140.6億ドルです。2024年から2034年にかけて年平均11.27%で成長し、規模は3646.2億ドルへと拡大することを見込んでいます。⇒参照したデータの詳細情報

推定市場規模 成長率(見込み)
2023年 1140億ドル
2024年 1253.5億ドル 9.9%
2034年 3646.2億ドル 11.27%
データセンター(コロケーション)業界の推定市場規模の推移 ©2024 Deallab

データセンター・コロケーション業界の市場規模の予想成長推移 ©2024 Deallab

コロケーションとホスティングの違い

データセンターのスペースやネットワークを外部の顧客に貸し出すサービスをコロケーションといいます。サーバーの管理は借り主の顧客が行い、米国ではコロケーションサービスベンダーは税制メリットのある不動産投資信託(REIT)の形態をとる会社が多くなっています。レンタルサーバーと言われる、サーバー領域の一部貸出サービスはホスティングと言われ、サーバーの貸主がサーバーの運用を含めマネージドサービスと言われる関連サービスを一括して提供します。

M&Aの動向】

ランキング1位・2位のエクイニクスとデジタル・リアルティは、世界各国で積極的にデータセンターを買収しています。特に2020年代に入ってからはアフリカやインドでの買収が増えており、今後は新興国市場の取り込みが激化していく可能性が考えられます。

2012年 セコムが東京電力子会社でデータセンター事業を手がけるアット東京を買収
2015年 エクイニクスがクラウドアーキテクチャのNimboを買収
2015年 エクイニクスが日本のデータセンタービットアイルを買収
2016年 エクイニクスが欧州のデータセンターTelecityを38億ドル(26億ユーロ)で買収
2017年 エクイニクスが米国のデータセンターVerizonのデータセンター26拠点を買収
2018年 デジタル・リアルティがブラジルのデータセンター会社Ascentyを18億ドルで買収
2020年 デジタル・リアルティが欧州のデータセンター会社InteXionを買収
2021年 エクイニクスがGPX Global Systemsのインド事業を買収
2022年 エクイニクスがアフリカのデータセンター会社MainOneを買収
2022年 デジタル・リアルティがアフリカのデータセンター会社Teracoを買収
2023年 NTTデータがインドのデータセンター会社NAV2を買収

【会社の概要】

Equinix(エクイニクス)

米国に本拠を置くデータセンター世界大手です。1998年に創業後2000年にはナスダックに上場しております。大手通信キャリアやIT大手も顧客に持ちます。欧州データセンター大手のテレシティ、NImbo、日本のビットアイル、Verizonのデータセンターを次々と買収し、業容を拡大しております。さらに詳しく

Digital Realty (デジタル・リアルティ)

米国に本拠を置くデータセンターの運営会社です。金融、ITサービス、エネルギー等の分野の顧客を持ちます。2019年にオランダに本拠を置くデータセンター大手であるInterxion(インターシオン)を買収しました。さらに詳しく

NIPPON TELEGRAPH AND TELEPHONE CORPORATION(NTT、日本電信電話株式会社)

NTTデータはNTTグループの主要5社のうちの1社で、情報システムとコンピュータネットワークを取り扱っています。金融・決済関連のシステムの構築・運営から公的機関向けシステム・サービスの提供まで、国内外の幅広い分野で事業を展開しています。データサービスは国内に17拠点あり、需要の高さから2028年3月期までに35億ドル(約5200億円)を目指すことが発表されています。さらに詳しく

セコム

1962年に飯田亮氏によって設立された日本におけるホームセキュリティ・警備保障のガリバーです。海外にSECOM方式が根付くか挑戦しております。集配金・現金警備に強いアサヒセキュリティを豊田自動織機から買収しています。

情報セキュリティにも強みを持ち、万全の監視体制を備えたデータセンターを提供しています。データセンター・コロケーションサービスはBPO・ICT事業として運用しています。

さらに詳しく

KDDI CORPORATION(KDDI株式会社)

NTTと並ぶ通信キャリアの双璧です。データセンター事業は、1989年よりテレハウスブランドで欧州を中心に展開しています。

Cyrus One(サイラスワン)

2001年に設立された北米に本拠をおく独立系のデータセンター運営会社です。世界に40拠点を超えるデーターセンターを保有し、ハイブリッドクラウドやマルチクラウドのサービスを提供しています。2021年にKKRが買収をしました。

Cyxtera(シクステラ)

米国に本拠を置き、データセンター及びセキュリティ・データ分析事業を提供しています。2016年に、BCパートナーズが、Medina Capital等とともに、米国の総合通信会社であるCenturyLink(センチュリー・リンク)より、57のデータセンターを18.6 億ドルで買収しました。

Lumen(旧Century Link)について

米国に本拠を置く総合通信会社です。Lumenブランドで、音声、ネットワーク接続、マネージドホスティング等も手掛けています。ネットワークサービスを手掛けるレベルスリー・コミュニケーションを買収しました。データーセンター事業は2016年に売却しました。

Global Switch(グローバルスイッチ)

1998年に設立されたイギリスに本拠を置くデータセンター大手です。親会社は中国系の不動産投資会社であるElegant Jubilee(エレガントジュビリー)で、情報漏洩のリスクが懸念されております。なお、Jiangsu Shagang Group(江蘇沙鋼集団、シャーガン・スチール)がエレガントジュビリーへの主要な投資家の1社とされています。⇒参照したデータの詳細情報

参照したデータの詳細情報について


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