化学業界で再編対象となる可能性のある会社の分析

化学業界の今後の再編の要となる投資ファンドが保有している会社についてロングリストを作成しています。ポリ塩化ビニル樹脂、添加剤、機能性材料、インク、潤滑剤、農薬といった分野で、投資ファンドによるエグジットの動きが予想されます。
なお、本記事の作成日以降にM&Aによって下記会社が買収されている可能性もありますことを予めご了承下さい。

農薬分野で今後エグジットが予想される会社

ESIM Chemicals(イーエスアイエムケミカルズ)

リンツ(オーストリア)に本社を置く農薬成分メーカーです。アーディアンが買収しました。

VIAKEM(ヴィアケム)

メキシコを拠点とする、農薬、香料、医薬品、洗剤向けのファインケミカルメーカーです。アドベントインターナショナルが2016 年に買収しました。

MMAポリマー分野で今後エグジットが予想される会社

Röhm(ローム)

ドイツのダルムシュタットに本社があるメタクリレート(MMAのポリマー)の世界的大手メーカーです。 、売り上げは約17億ユーロ(2019年)になります。アドベントインターナショナルがEvonikから2019 年に買収しました。 買収時点の推定企業価値は 3403 億ドルです。

ポリ塩化ビニルで今後エグジットが予想される会社

Benvic(ベンヴィック)

フランスに本拠を置くポリ塩化ビニルの加工メーカーです。フランスの化学大手であるソルベイ(Solvay)より、Investindustrial(インベストインダストリアル)が2018年に買収しました。買収時点での売上高は約190百万ユーロです。

添加剤分野で今後エグジットが予想される会社

Polynt-Reichhold

イタリアに本拠を置き、酸無水物、減水剤などの添加剤の製造販売を行ってる化学メーカーです。Investindustrial(インベストインダストリアル)が2017年に出資しています。売上高は約20億ユーロ。

allnex (オルネクス)

ドイツのフランクフルトに本社を置く工業用コーティング樹脂の大手メーカーです。樹脂、添加剤、放射線硬化樹脂、粉体塗装樹脂、架橋剤など、幅広い製品を提供しています。アドベントインターナショナルが2012 年に買収しました。

Valtris Specialty Chemicals

ポリマー添加剤および化学中間体の製造業者です。HIGキャピタルが2014年12月にFerro Corporationから154億ドルで買収をしました。

Angus Chemical Company(アンガスケミカルカンパニー)

1935年に設立された米国に本拠をおく添加剤メーカーです。酸化還元酵素であるニトロアルカン(nitroalkane)とその誘導体に強みがあり、ライフサイエンス、塗料、コーティング、農薬、パーソナルケアといった分野で利用されています。
2020年にアーディアンがゴールデンゲートキャピタルより株式の50%を22.5億ドルで取得しています。⇒参照したデータの詳細情報

その他化学分野で今後エグジットが予想される会社

防護服の素材

Tencate(テンカーテ)

オランダに本拠をおく機能性材料(防護服の素材、人工芝の素材等)を製造販売する会社です。ギルド・バイアウト・パートナーズが2016年に買収しております。2018年に炭素繊維複合材料事業を日本の東レに売却をしております。

バックシートフィルム

Poligof(ポリゴフ)

1979年に設立されたイタリアに本拠をおく使い捨て衛生用品向けのバックシートフィルムの製造販売会社です。21インベストが2015年に投資をしています。2017年の売上高は111.5百万ユーロです。

顔料

Dominion Colour Corporation(ドミニオンカラーコーポレーション)

インク会社向けなどにカラー顔料および分散液を製造しています。カナダに本拠を置きます。HIGキャピタルが2016年9月に買収をしました。

潤滑剤

Perstorp( パーストープ)

1881年にスウェーデンで設立された化学製品メーカーです。2018年10月に買収をしました。プラスチック・樹脂、動物用飼料、粉体・UV硬化コーティング・可塑剤・合成潤滑剤などの高成長ニッチ分野をリードしています。2019年の売上高は119億スウェーデンクローネです。PAIパートナーズが買収しました。

Italmatch(イタルマッチ)

1997年にSergio Iorioによって設立された、潤滑油、難燃剤とプラスチック添加剤、高性能製品とパーソナルケア向けの特殊化学添加剤メーカーです。アーディアンが買収しました。

活性炭

Desotec(デソテック)

1990年に設立されたベルギーに本社を置く、活性炭フィルターによる液体とガスの精製事業を行う会社です。同社の活性炭フィルターは欧州各国で廃棄物貯蔵・処理施設における排気、バイオガスの下処理、排水・汚染土壌・科学薬品の処理等に使用されています。EQTが買収しています。

爆薬

MAXAM(マクサム)

1872年に設立された、民生用爆薬および点火システムメーカーです。鉱山や採石場向けのブラストソリューション、狩猟やレクリエーション射撃で使用するカートリッジと銃の粉を製造販売しています。アドベントインターナショナルが買収しました。

肥料

Fertiberia(フェルティベリア)

肥料向けの微量栄養素メーカーです。Triton Partnersが買収しました。

塗料

Tikkurila(ティックリラ)

フィンランドに本拠を置く塗料メーカーです。Oras Invest(オラス・インベスト)は2010年より同社に投資を行っています。建築用、中でもログハウス用の塗料に強みを持っています。地域別の売上高ではフィンランド、スウェーデン、ロシア、ポーランドといった北欧・東欧地域に強みを持ちます。下図の通り、2019年度の売上高は563百万ユーロ、営業利益は43.9百万ユーロとなっております。

ティックリラ業績
ティックリラ業績 出所:同社AR

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