暗号通貨ビットコインの採掘に必要となるASICマイニング装置業界の世界市場シェアと市場規模について分析をしています。マイニング装置メーカー大手であるビットメイン、マイクロBT、カナン、イーバン等の動向についても記載しております。
【仮想通貨マイニング装置とは】
ASICとはApplication Specific Integrated Circuitの略で、特定用途向けの集積回路です。ビットコインの採掘に特化した装置をASICマイニング装置といいます。ASCIの設計を行い、製造や開発は台湾のTSMCや韓国のサムスン電子に委託し、マイニングを行う事業主(マイナー)に販売します。半導体チップの微細化がACIS装置の計算速度や消費電力に大きな影響を及ぼします。
現在、市場で主流となっているASICチップは5nm世代です。主要メーカーは、さらなる性能向上と電力効率改善を目的として、3nm世代ASICの開発を進めていると公表されています。半導体プロセスの微細化が進むことで、同一消費電力あたりの計算性能が向上するため、電力効率の改善はASICマイニング装置における重要な競争要素となっています。
また、ASICマイニング装置を取り巻く事業環境は、各国の規制動向によって変化してきました。中国政府による暗号資産マイニング規制以降、マイニング事業の拠点は北米や中央アジアなどへ移行しています。これらの地域は、比較的安価な電力を確保しやすいことが特徴です。
さらに、エネルギー消費量の大きさが課題とされる中で、水力、風力、太陽光などの再生可能エネルギーを利用したマイニングの導入が進んでいます。このように、ASICマイニング装置の性能向上と並行して、エネルギー効率や電力供給のあり方も重要な要素となっています。
マイニング装置メーカーとしては、効率的な設計と製造受託メーカーとの製造面での連携が事業展開の肝となります。ビットコイン以外のアルトコインと呼ばれる暗号通貨の採掘にはASIC以外の方法(複数の通貨を採掘できるGPUやFPGA)も用いられています。
【市場シェア】
ASICマイニング装置業界の2024年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2024年のASICマイニング装置業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はビットメイン、2位はマイクロBT、3位はカナンとなります。
※ASICマイニング装置業界の市場シェア(2024年)
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| 順位 | Company name (English) |
企業名(日本語) | 市場シェア |
| 1位 | Bitmain* | ビットメイン* | 55.00% |
| 2位 | MicroBT* | マイクロBT* | 25.00% |
| 3位 | Canaan | カナン | 2.96% |
| 4位 | Ebang International | イーバン | 0.06% |
*推定値
1位のBitmainが55.00%、2位のMicroBTが25.00%と、上位2社で全体の約8割を占めており、市場の寡占構造が明確に表れています。3位のCanaanは2.96%、4位のEbang Internationalは0.06%と限定的です。このことから、ASICマイニング装置市場は、BitmainとMicroBTを中心とした少数企業によって支配されており、技術力や電力効率、製品供給力が市場シェアに大きく影響していると読み取れます。
【市場規模】
当データベースでは、2024年のASICマイニング装置業界の市場規模を91.1億ドルとしております。参照した各種調査データは次の通りとなります。
調査会社マーケットリサーチフューチャーによると、2024年の同業界の市場規模は91.1億ドルです。2034年にかけて年平均22.46%で成長し、規模は846.3億ドルへと拡大することを見込んでいます。
なお、上記の市場規模はマイニングハードウェア市場に特化しており、ソフトやサービスは含まれません。暗号資産マイニング市場全体の市場規模として、調査会社プレセデンスリサーチでは24.5億ドルとしています。
| 年 | 市場規模 | 年平均成長率 |
|---|---|---|
| 2024 | 91.1億ドル | – |
| 2034 | 846.3億ドル | 22.46% |

【会社の概要】
Bitmain(ビットメイン)
2013年にMicree Zhan氏とJihan Wu氏によって設立された中国に本拠をおく仮想通貨採掘用のASICマシンの製造大手です。仮想通貨採掘で大きな採掘能力を有するマイニングプールのBTC.comやAntpoolも運営しています。2018年に株式上場を申請しましたが承認されませんでした。さらに詳しく
MicroBT(マイクロBT)
2016年に元ビットメインのYang Zuoxing氏によって設立されました。whatsminerのブランドで高い性能を持つASICマイニング装置を開発することで成長を遂げています。さらに詳しく
Canaan Creative(カナンクリエイティブ)
中国に本拠をおく仮想通貨マイニング装置大手です。ASIC装置のアヴァロン(Avalon)で事業の拡大を図っています。2019年にナスダック証券取引所に上場を果たしました。さらに詳しく
Ebang International(イーバンインターナショナル)
中国に本拠をおくASICマイニング装置製造会社です。自社でASICチップを独自に設計し、製造開発はアウトソースするファブレス企業です。Ebitシリーズのマイニング装置を販売しています。さらに詳しく
参照したデータの詳細情報について
