電話・移動体通信・テレコム業界の世界市場シェアの分析

電話・移動体通信・テレコム業界の世界市場シェアと市場規模について分析をしています。AT&T、ベライゾン、NTT、KDDI、ソフトバンク、チャイナモバイル、ボーダフォン、アメリカモビル、テレフォニカといった主要通信キャリア概略も掲載しています。

【電話・移動体通信・テレコム業界の世界市場シェア】

電話・移動体通信・テレコム業界の2024年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2024年の電話・移動体通信・テレコム業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はベライゾン、2位はチャイナ・モバイル、3位はドイツテレコムとなります。

電話・移動体通信・テレコム業界の市場シェア(2024年) ©2025 Deallab

順位 Company name
(English)
企業名(日本語) 市場シェア
1位 Verizon ベライゾン 5.71%
2位 China Mobile チャイナ・モバイル 5.37%
3位 Deutsche Telekom ドイツテレコム 5.29%
4位 AT&T AT&T 5.27%
5位 NTT NTT 3.05%
6位 China Telecom チャイナ・テレコム 2.91%
7位 China Unicom チャイナ・ユニコム 2.35%
8位 KDDI KDDI 2.03%
9位 Telefonica テレフォニカ 1.89%
10位 America Movil アメリカ・モビル 1.85%
11位 Orange Group オランジュ 1.84%
12位 Vodafone Group ボーダフォン 1.68%
13位 BT ブリティッシュテレコム 0.91%
14位 Bharti Airtel バーティ・エアテル 0.88%
15位 Etisalat エティサラート 0.69%
16位 Softbank ソフトバンク 0.62%
17位 Mtn Group MTN 0.44%
18位 Telenor ASA テレノール 0.34%
19位 Liverty リバティ 0.19%
電話・移動体通信・テレコムの世界市場シェアと業界ランキング(2024年) ©2025 Deallab

ベライゾンが世界1位となりました。ベライゾンの主力は携帯事業のベライゾン・ワイヤレスとなります。AT&Tと同様にヤフーやAOL事業を買収し、通信とメディアの融合を目指しましたが、2021年に売却を発表しました。2位には、中国最大の携帯電話会社のチャイナモバイルが入っています。チャイナモバイルは加入者数では世界1位です。3位にドイツテレコムです。AT&Tが4位です。AT&Tは通信事業への回帰を図っています。2014年にディレクTVを買収、2016年にはメディア大手のタイムワーナーの買収を実施し、通信とメディアの融合を目指しましたが、ディレクTVは投資ファンドへ売却、ワーナーメディアはディスカバリーとの経営統合しました。5位は日本のNTTグループです。NTTドコモを完全子会社化し通信事業を強化しています。

【電話・移動体通信・テレコム業界の世界市場規模】

当データベースでは、2024年の電話・移動体通信・テレコム業界の市場規模を23,200億ドルとしております。参照した各種調査データは次の通りとなります。調査会社プレスデンスリサーチによると、2024年の同業界の市場規模は23,200億ドルです。2034年にかけて年平均6.14%で成長し、規模は42,100億ドルへと拡大することを見込んでいます。

市場規模 年平均成長率
2024 23,200億ドル
2034 42,100億ドル 6.14%
電話・移動体通信・テレコム業界の世界市場規模の年平均成長率見込み(2024年) ©2025 Deallab

電話・移動体通信・テレコム業界の市場規模の予想成長推移 ©2025 Deallab

【M&Aの動向】

通信とメディアの融合、地域を超えての世界展開、5Gへの対応を含めた通信回線の質やスピード向上といった設備投資という3つの要素が絡み合い、業界再編が頻発している業界です。

2012年 ソフトバンクがスプリントを買収

2015年 リバティがケーブル&ワイヤレスを買収

2016年 AT&Tがタイムワーナーを買収

2018年 ソフトバンク傘下のスプリントとドイツテレコム傘下のT-Mobileが経営統合

2019年 ボーダフォンがLiberty Globalのヨーロッパでの一部事業を買収

2020年 NTTがNTTドコモを買収

2020年 リバティがサンライズコミュニケーションを買収

2021年 AT&Tがワーナーメディアを売却

2021年 AT&TがディレクTVを売却

2023年 KDDIがカナダのAllied Propertiesのデータセンター事業を買収

2024年 ベライゾンが光ファイバー事業の強化のためにフロンティアを買収

2024年 ドイツテレコムがT Mobile USを買収

2025年 ドイツテレコム、オーストリアの病院IT専門企業を買収

2025年 AT&T、ルーメンのマスマーケット向け光ファイバー事業を買収

【会社の概要】

Verizon(ベライゾン)

米国最大級の通信キャリアです。ベル・アトランティックが前身です。VodafoneとのJV解消に伴う取引で親会社のVerizon Wireless(ベライゾン・ワイヤレス)を完全子会社化しました。2021年にYahoo、TechCrunch、EngadgetやAOL等のメディアサイトと広告の運営会社であるVerizonMediaを、アポロに50億ドルで売却しました。

AT&TInc. (エーティーアンドティー)

AT&Tは米国最大級の通信メディア会社です。電話を開発したグラハム・ベルによって設立された世界初の電話会社の流れをくみます。長距離と地域電話会社(ベビーベル)への分割後、ベビーベルの1社のSBCコミュニケーションがAT&Tを買収し、AT&Tへと改めて社名を変更しました。携帯、固定電話、ブロードバンドといった通信事業を展開しています。ルーセントテクノロジーやリバティメディア等はもともとAT&Tより派生した会社群です。2014年に衛星通信テレビDirecTVを、2016年にタイムワーナーを買収しメディア事業を強化していますが、5Gの免許料や設備投資が重く、2020年にDirecTVを売却し、2021年にワーナーメディアをディスカバリーと経営統合するとの発表をしました。さらに詳しく

China Mobile Limited.(チャイナ・モバイル、中国移动通信集団)

世界最大の携帯電話キャリアです。6億人超の加入者を擁します。元々はChina Telecom(チャイナ・テレコム)の移動通信部門でした。

Deutsche Telekom(ドイツテレコム)

ドイツ最大の通信キャリアです。携帯キャリアはT-Mobile(ティーモバイル)で展開しています。Telekomといえばドイツテレコムを指す。2020年にソフトバンクから米国の通信会社であるスプリントを買収しました。

NIPPON TELEGRAPH AND TELEPHONE CORPORATION (NTT、日本電信電話株式会社)

NTTは1952年に日本電信電話公社として設立された国策通信キャリアです。1985年にNTTとして民営化されました。数度の再編を経て、現在は固定通信のNTT東西、モバイル通信のNTTドコモ、データサービスのNTTデータ&NTT Ltd.という体制で世界的に事業を展開しています。
国内では、その出自や規制業種ということもあり、公正な競争を維持しながらの成長、一方海外ではM&Aによる巨額減損を再度発生させないような事業展開が課題となっています。通信における技術力では引続き世界最高水準を維持していると言われ、様々な柵の中で成長戦略を遂行しています。さらに詳しく

China Telecom Corporation Limited(チャイナ・テレコム、中国电信集団)

中国の固定回線最大手の通信キャリアです。China Mobile(チャイナ・モバイル)を分割後、2009年に携帯キャリア事業に参入しています。移動体通信では中国内3位です。

Vodafone Group Plc(ボーダフォン)

英に本拠を置く世界最大級の固定及び携帯電話キャリアです。欧米を中心に世界展開しています。

America Movil(アメリカ・モビル)

世界有数の富豪であるCarlos Slim(カルロススリム)率いる固定及び携帯電話キャリアです。中南米で圧倒的な地位を占めています。

China Unicom(チャイナ・ユニコム、中国联通)

1994年創業の中国第2位の国営固定及び携帯電話キャリアです。

Orange Group(オランジュ)

仏最大手の通信キャリアです。旧国営のフランス・テレコムグループ傘下ですが、フランステレコムはオレンジブランドを統一ブランドとして利用しています。

Telefonica(テレフォニカ)

スペインに本拠を置く固定及び通信会社です。南米のスペイン語圏を中心に世界展開しています。

KDDI CORPORATION (KDDI株式会社)

NTTと並ぶ通信キャリアの双璧です。データセンター事業は、1989年よりテレハウスブランドで欧州を中心に展開しています。

Bharti Airtel(バーティ・エアテル)

インド最大手の通信キャリアです。ボンベイ証券取引所に上場しています。

 Emirates Telecommunications Corporation (エミレーツ・テレコミュニケーションズ・コーポレーション、Etisalat、エティサラート)

アラブ首長国連邦に本拠を置く携帯キャリアです。アラブ圏を中心に事業を展開しています。

MTN Group Limited(MTNグループリミテッド、旧M-Cell)

南アに本拠を置き、アフリカ・中東にて通信事業を展開する大手通信キャリアです。

BT Group plc(BTグループ、旧ブリティッシュテレコム)

1846年に設立されたイギリスに本社を置く電気通信事業者です。1991年まで社名がブリティッシュ・テレコミュニケーションズでしたが、現在はBTグループに変更されています。

SoftBank Corp. (ソフトバンク株式会社)

日本の大手通信キャリアです。ボーダフォンより日本事業を買収し成長しました。米第3位の携帯キャリア会社であるスプリントを2013年に買収しましたが、2019年にドイツテレコム傘下のTモバイルへと経営統合しています。

Liberty Global Holdings(リバティ)

イギリスに本社を置く通信事業会社です。過去に日本でも事業を行っていましたが、現在はヨーロッパの5か国のみで事業を展開しています。

Telenor ASA(テレノール)

ノルウェー国営の通信キャリアです。オスロ証券取引所に上場しています。

Telecom Italia Mobile(テレコム・イタリア)

通信大手のTelecom Italia傘下の伊最大の携帯キャリア会社です。TIM(Telecom Italia Mobile、テレコム・イタリア・モービレ)のブランドでイタリア・ブラジル(TIM Brasil)で携帯事業を展開しています。テレビ、音楽、ゲーム等のエンターテイメントコンテンツの配信サービスも手掛けています。国際キャリアはSparkleブランドで展開しています。

VEON(ヴィーオン、旧ヴィンペルコム株式会社)

ロシアの通信会社Altimo(アルティモ)とノルウェーの携帯キャリアであるTelenor(テレノール)との合弁会社です。旧ソ連圏に強みを持ちます。

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