Qualcomm(クアルコム)の市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

アメリカの半導体・通信技術企業です。1985年にアーウィン・M・ジェイコブス氏を中心とする7人によって設立されました。社名は「Quality Communications(質の高いコミュニケーション)」が由来です。 同社は、CDMA(符号分割多元接続)方式の通信技術の開発に成功し、3Gのモバイル通信技術として採用されました。これにより、通信分野の発展に大きく貢献しました。さらに、4Gや5Gの分野においても高い技術力を発揮しています。現在は、次世代の通信技術である6Gの初期ビジョンを見据え、2030年以降の技術革新の実現を目指しています。

業績推移(年次)


2020年度
売上高は前年度比3%減の23,531百万ドルになりました。営業利益は前年度比18%減の6,255百万ドルになりました。営業利益率は27%となりました。COVID-19 の急速かつ世界的な拡大により、製品および知的財産を組み込んだ特定のデバイスに対する消費者の需要が悪化し、業績に悪影響を及ぼしました。

2021年度
売上高は前年度比43%増の33,566百万ドルになりました。営業利益は前年度比56%増の9,789百万ドルになりました。営業利益率は29%となりました。QCTセグメントの売上は64%増加しました。これは主に、携帯電話および RFFE 全体にわたる 5G 製品の需要増加によるもので、COVID-19の悪影響からの回復を反映しているほか、自動車およびIoTの売上も増加しています。QTLセグメントの売上は26%増加しました。これは主に、3G/4G/5G ベースのマルチモード製品の推定販売数の増加によるものです。

2022年度
売上高は前年度比32%増の44,200百万ドルになりました。営業利益は前年度比62%増の15,860百万ドルになりました。営業利益率は36%となりました。QCTセグメントの売上は、平均販売価格の上昇、5G製品ミックスの成功、携帯電話の集積回路出荷量の増加、およびIoT収益の増加により、前年度比39%増加しました。

2023年度
売上高は前年度比19%減の35,820百万ドルになりました。営業利益は前年度比51%減の7,788百万ドルになりました。営業利益率は22%となりました。売上はマクロ経済環境のネガティブな要因と顧客による在庫の取り崩しによる影響を受けました。QCTセグメントの売上は、主に携帯電話とIoT部門の売上の減少により19%減少しました。QTLセグメントの売上は17%減少しました。

2024年度
売上高は前年度比9%増の38,962百万ドルになりました。営業利益は前年度比29%増の10,071百万ドルになりました。営業利益率は26%となりました。QCTセグメントの売上は、主に携帯電話と自動車の収益の増加により9%増加しました。 QTLセグメントの売上は、主に3G/4G/5Gベースのマルチモード製品の推定販売数の増加により5%増加しました。

クアルコムの業績推移

クアルコムの業績推移

業績推移(四半期)


2024年第1四半期(10ー12月)
売上高は前年同期比5%増の9,935百万ユーロになりました。営業利益は2,928百万ユーロ、営業利益率は29%となりました。売上の増加は主に、QCTセグメントの装置部門及びサービス部門の売上が好調だった為です。QTLセグメントの売上は減少しました。

2024年第2四半期(1ー3月)
売上高は前年同期比1%増の9,389百万ユーロになりました。営業利益は2,340百万ユーロ、営業利益率は25%となりました。売上の増加は主に、QCTセグメントの装置部門及びサービス部門の売上が好調だった為です。

2024年第3四半期(4ー6月)
売上高は前年同期比11%増の9,393百万ユーロになりました。営業利益は2,221百万ユーロ、営業利益率は24%となりました。売上の増加は主に、QCTセグメントの装置部門及びサービス部門の売上が好調だった為です。

2024年第4四半期(7ー9月)
売上高は前年同期比19%増の10,245百万ユーロになりました。営業利益は2,582百万ユーロ、営業利益率は25%となりました。

2025年第1四半期(10ー12月)
売上高は前年同期比17%増の11,669百万ユーロになりました。営業利益は3,555百万ユーロ、営業利益率は30%となりました。QCTセグメントの売上は装置部門及びサービス部門が好調でした。QTLセグメントの売上はライセンス売上が好調でした。

クアルコムの四半期業績推移

クアルコムの四半期業績推移

EPS・1株配当・配当性向の推移


希薄化後EPSは前年度比40%増の8.97ユーロになりました。1株当たりの配当は前年度比6%増の3.3ユーロになりました。配当性向は37%になりました。

クアルコムのEPS・1株配当・配当性向の推移

クアルコムのEPS・1株配当・配当性向の推移

売上構成


セグメントは、QCT、QTL、QSIに分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

クアルコム売上構成(2023年度)

クアルコムの売上構成(2023年度)


QCT
モバイル デバイス、コネクティビティ、デジタル コックピット、ADAS/AD 向け自動車システム、および消費者向け電子機器、産業用機器、エッジ ネットワーキング製品を含む IoT で使用するための集積回路製品およびシステム ソフトウェアを提供します。

QTL
クアルコムが保有する知的財産ポートフォリオの一部を使用するライセンスの付与、または権利提供により収益をあげています。

QSI
ベンチャー部門を通じて戦略的投資を行っており、技術の新たな機会の拡大や開拓、新製品やサービスの設計と導入 (または既存の製品やサービスの強化) のサポートに重点を置いています。これらの戦略的投資の多くは、5G、AI、自動車、消費者、エンタープライズ、クラウド、IoT、XR など、さまざまな業界やアプリケーション提供企業に対するものです。

M&A情報


2015年 IoEおよび自動車分野向けのエンドツーエンドの半導体およびソフトウェア ソリューションを提供するCSRを買収
2021年 CPUの技術設計会社NUVIAを買収
2022年 運転支援システムなどを手掛けるArriverをSSW Partnersから買収
2022年 モバイルネットワークの自動化および管理ソリューションを提供するCellwizeを買収
2024年 LinuxベースのIoTおよびエッジデバイスの開発とオープンソースのクラウドネイティブプラットフォームのプロバイダーであるFoundries.ioを買収

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