オランダに本社を置く半導体メーカーです。2006年に大手エレクトロニクス企業であるフィリップス(Philips)の半導体部門が分社化して誕生したのがNXPです。2015年にはモトローラの半導体部門をルーツとするFreescale Semiconductorと合併し、自動車分野での影響力を高めました。センサー、マイクロコントローラ、プロセッサ、ワイヤレス接続製品、インターフェースなどの半導体を製造しており、また、ソフトウェア サービス、プロフェッショナル エンジニアリング サービス、モノのインターネット (IoT) などのサービスも提供しています。同社の研究開発部門は、新しい HPMS 半導体ソリューションの開発に重点を置いています。
2019年度
売上高は前年度比6%減の8,877百万ドルになりました。営業利益は前年度比76%減の641百万ドルになりました。営業利益率は7%となりました。売上の減少は、自動車セグメントと工業&IoTセグメントでの売上減少によるものです。自動車セグメントでは、関連するすべての製品グループの販売数量が減少しました。これは中国本土(アジア太平洋地域を含む)で発生し、自動車生産と販売の減少により販売代理店と OEM 顧客の両方からの需要が低下したことが要因です。工業&IoTセグメントでは、主に中国本土(アジア太平洋地域を含む)での販売代理店の売上減少に伴うマイクロコントローラー製品グループの減少が主な要因です。
2020年度
売上高は前年度比3%減の8,612百万ドルになりました。営業利益は前年度比35%減の418百万ドルになりました。営業利益率は5%となりました。売上の減少は、自動車セグメントおよびコミュニケーションインフラセグメントでの需要の減少と、COVID-19パンデミックの影響によるものです。これらの減少は、工業&IoTセグメントおよびモバイルセグメントでの売上増加によって部分的に相殺されました。
2021年度
売上高は前年度比28%増の11,063百万ドルになりました。営業利益は前年度比518%増の2,583百万ドルになりました。営業利益率は23%となりました。売上の増加は、2020年前半のCOVID-19パンデミックの発生によって引き起こされた当初のショックと広範な市場混乱からの最終市場需要の回復と、注力している自動車および産業・IoTの市場での大幅な成長によるものです。
2022年度
売上高は前年度比19%増の13,205百万ドルになりました。営業利益は前年度比47%増の3,797百万ドルになりました。営業利益率は29%となりました。売上の増加は、販売価格の上昇と顧客需要の増加によるものです。営業利益の増加は、販売価格の上昇と需要増加に対応するために製造量を増やした結果として工場の負荷が改善したことによるものです。
2023年度
売上高は前年度比1%増の13,276百万ドルになりました。営業利益は前年度比4%減の3,661百万ドルになりました。営業利益率は28%となりました。売上の増加は販売価格上昇によるものです。出荷量は減少しました。粗利率は横ばいでしたが、売上に対する営業費用率は1ポイント増加しました。
2023年第2四半期(4ー6月)
売上高は前年同期とほぼ同額の3,299百万ドルになりました。営業利益は937百万ドル、営業利益率は28%となりました。自動車、工業&IoT、モバイル、コミュニケーションインフラストラクチャー、全てのセグメントにおいて対前期比の売上に大きな変動はありませんでした。
2023年第3四半期(7ー9月)
売上高は前年同期とほぼ同額の3,434百万ドルになりました。営業利益は992百万ドル、営業利益率は29%となりました。自動車、工業&IoT、モバイル、コミュニケーションインフラストラクチャー、全てのセグメントにおいて対前期比の売上に大きな変動はありませんでした。
2023年第4四半期(10ー12月)
売上高は前年同期比3%増の3,422百万ドルになりました。営業利益は907百万ドル、営業利益率は27%となりました。自動車、工業&IoT、モバイル、コミュニケーションインフラストラクチャー、全てのセグメントにおいて対前期比の売上に大きな変動はありませんでした。
2024年第1四半期(1ー3月)
売上高は前年同期とほぼ同額の3,126百万ドルになりました。営業利益は856百万ドル、営業利益率は27%となりました。自動車、工業&IoT、モバイル、コミュニケーションインフラストラクチャー、全てのセグメントにおいて対前期比の売上は微減しました。
2024年第2四半期(4ー6月)
売上高は前年同期比5%減の3,127百万ドルになりました。営業利益は896百万ドル、営業利益率は29%となりました。自動車、工業&IoT、モバイル、コミュニケーションインフラストラクチャー、全てのセグメントにおいて対前期比の売上に大きな変動はありませんでした。
希薄化後EPSは前年度比1%増の10.7ドルになりました。1株当たりの配当は前年度比20%増の4.06ドルになりました。配当性向は38%になりました。
2024年7月
2024年度第二四半期のプレゼンテーションにて、2024年度第三四半期の売上は3,150百万から3,350百万ドルを予定していると掲載されています。
セグメントは、自動車、工業&IoT、モバイル、コミュニケーションインフラに分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。
自動車
自動車用半導体を製造しています。このセグメントの売上成長は(1)世界の自動車販売・生産動向と(2)自動車1台あたりの半導体搭載量の増加に依存しています。過去数年間、そして今後も、後者が自動車用半導体市場の成長の最も重要な原動力となり、世界の自動車販売の停滞により前者の重要度は低下すると考えています。平均半導体搭載量の増加は、特に運転支援(ADAS)向けの車両全体の電子機能の普及と、半導体搭載量がはるかに高い電動車の普及の増加によって推進されています。2020年にはCOVID-19の発生により自動車販売と生産が減少し、2021年と2022年には世界的な供給危機により緩やかな成長となったにもかかわらず、自動車1台あたりの半導体搭載量の増加は続きました。
工業&IoT
このセグメントの売上成長は、従来の機械設備を、さまざまなセンサー、プロセッサ、コネクティビティ、アナログ、セキュリティ チップセットを使用したスマートで省エネなコネクティビティ エレクトロニクスに置き換えることで推進されています。
モバイル
スマートフォン、フィーチャーフォン、タブレット、ウェアラブル、モバイルアクセサリなどのアプリケーションがこのセグメントに含まれます。NXPは、モバイルウォレット、超広帯域(UWB)、および特殊なカスタムアナログソリューションに重点を置いています。
コミュニケーションインフラ
通信インフラとその他のエンドマーケットは、5Gネットワーク、デジタルネットワーク通信、セキュリティエッジ識別ソリューションという3つの異なるアプリケーションマーケットの組み合わせです。5Gへの移行とネットワークのクラウド化は、NXPにとって大きなチャンスとなります。
2015年 QuinticのBluetoothビジネスとウェアラブル事業を買収
2015年 自動車向け半導体に強みを持つFreescale Semiconductorと合併
2015年 セキュリティをソリューションを提供する Athena SCSの買収を発表
2019年 MarvellのWi-Fビジネスを買収