太陽光パネル業界の世界シェアや市場規模について分析をしています。ロンジ、JAソーラー、トリナ、カナディアンソーラー、ジンコ、ファーストソーラーといった主要パネルメーカーの概要や動向も掲載しています。
【太陽光パネル業界とは】
太陽光パネル業界とは、太陽光を利用して電力を発電する業界のことです。太陽光パネルは、太陽光を太陽電池に変換して電力を発電する装置です。太陽光パネル業界は、太陽光発電技術の進歩により急速に発展しています。太陽光パネル業界では、太陽光発電システムの設計、製造、販売、設置、保守などを行っています。また、太陽光パネル業界では、太陽光発電システムを改善するための研究開発も行っています。
【市場シェア】
太陽光パネルメーカー各社の2021年度の売上高を分子に、また後述する太陽光パネル業界の市場規模を分母にして2021年の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はロンジ、2位はジンコソーラー、3位はトリナソーラーとなります。
順位 | 企業名(日本語) | 市場シェア |
1 | Longi Solar(ロンジソーラー) | 6.47% |
2 | Jinko Solar(ジンコソーラー) | 3.66% |
3 | Trina Solar(トリナソーラー) | 3.56% |
4 | JA Solar(JAソーラー) | 3.30% |
5 | Canadian Solar(カナディアン・ソーラー) | 3.02% |
6 | Tata Power Solar System Ltd(タタパワーソーラーシステム) | 2.43% |
7 | Hanwha(ハンファ) | 1.60% |
8 | Risen Energy(ライセンエネルギー) | 1.51% |
9 | First Solar (ファーストソーラー) | 1.33% |
10 | SunPower Corporation(サンパワーコーポレーション) | 0.64% |
11 | GCL System Integration Technology(GCLシステムインテグレーションテクノロジー) | 0.23% |
12 | Waaree Energies Ltd.(ワリーエナジー) | 0.11% |
中国に本拠を置くロンジソーラーが、2020年と同様に2021年もロンジが1位となりました。2位と3位も昨年同様、2位 ジンコソーラー、3位 トリナソーラーという結果です。
2021年のランキングでは、6位と12位にはインドに本拠を置くタタパワーソーラーシステムとワリーエナジーがランクインとなりました。
【市場規模】
当データベースでは、太陽光パネル業界の2021年の世界市場規模を1750億ドルとして市場シェアを計算しております。参照にしたデータは以下の通りです。
バンテージ・マーケット・リサーチによると2021年の同規模は1750億ドルです。年平均6.4%での成長が見込まれており、2030年には3059億ドルに達する予想です。
調査会社のグランドビューリサーチによると、2022年の同業界の市場規模は1577.5億ドルです。2023年から2030年にかけて、年平均7.8%の成長が見込まれております。
Covid-19の世界的な流行は前代未聞の驚異的なものであり、その影響でパンデミック発生前と比べると太陽光発電は全世界で予想を上回る勢いで需要が高まっています。
発展途上国の人口増加や二酸化炭素削減が進む中、再生可能エネルギーによる発電は、石油や石炭といった従来の電力源に代わる代替エネルギーと考えられており、需要は高まっています。今後も規模の拡大が見込まれる市場です。
【M&Aの動向】
2015年 カナディアン・ソーラー社は、シャープ株式会社から北米の大手太陽光発電事業者であるRecurrent Energy, LLCの買収を完了
2016年 ジンコソーラーは、JinkoSolar Engineering Co., Ltd.の持ち分55%全てをShangrao Kangsheng Technology Co., Ltd.に売却
2016年 タタ・パワー社は、Welspun Energy Pvt Ltdを再生可能資産を1万ルピーで買収
2016年 GCL-SIは、オーストラリアONE STOP WAREHOUSE PTY LTDの51%の株式を保有する契約を締結
2018年 JAソーラーホールディングスは2017年に締結した合併計画に基づきJASO Acquisition Limitedと合併
2020年トリナ・ソーラーはスペインに拠点を置くTrina Solar Co., Ltd.を完全子会社化に成功
2020年 ロンジがNingbo Jiangbei Yize New Energyを2億5300万ドルで買収
2020年 ライセンエナジーは子会社のRisen Orientを通じてDunan PVのポリシリコン企業の株式を100%取得
2020年 ライセンエナジーは子会社のDunan PVを通じてJuguang Silicon Industryの株式100%を取得
2021年 ファーストソーラーはLeeward Renewable Energy Development, LLCが約10ギガワットACの実用規模の太陽光プロジェクトプラットフォームをファーストソーラーから取得するという売買契約を締結
2021年 ハンファ・ソリューションズはフランスの自然エネルギー開発会社RES Méditerranée SASの持分100%を取得する契約を締結
2021年 サンパワー社がBlue Raven Solarを買収
2022年 カナディアン・ソーラー社は、子会社のRecurrent Energy, LLCが、バージニア州ピッツィルバニア郡のリカレント・ファイアフライ・エナジー太陽光発電プロジェクトについて、アパラチアン電力と売買契約を締結
2022年 カナディアン・ソーラー社は、ブラジルの大手発電会社であるSPIC Brasilと、カナディアン・ソーラー社が保有する738MWpの太陽光発電プロジェクト「Marangatu」「Panati-Sitia」の株式の70%を売却する契約を締結
2022年 ワリーエナジーはIndosolarの買収にNCLTの承認を取得
2023年 ファーストソーラーは、ペロブスカイト技術の欧州のリーダーであるEvolar ABを買収
【会社の概要】
JA Solar(JAソーラー)
2005年に創業された中国の上海に本拠を置く大手モジュールメーカーです。太陽光のセルの生産でも大手です。太陽光向けウエハ、セル、モジュールそしてソーラー発電所の運営まで一貫して行っています。
Hanwha(ハンファ)
韓国の中堅財閥であるハンファグループに属する太陽光モジュールメーカーです。ドイツのQセルズを買収しまし、ハンファQセルズのブランドで太陽光分野を展開しています。
Trina Solar(トリナソーラー、天合光能)
1997年にJifan Gao氏によって設立された中国の江蘇省に本拠を置く中国大手太陽光モジュールメーカーです。
Canadian Solar(カナディアン・ソーラー)
2001年に設立されたカナダに本拠を置く中国系太陽光モジュールメーカーです。
Jinko Solar(ジンコ)
2006年に創業された中国の大手太陽光モジュールメーカーです。単結晶ウェハの供給でもLongi(ロンジ)、Zhonghuan Semiconductor(ジョンホワン・セミコンダクター、天津中環半導体)に次ぐ第3位です。
Longi Solar(ロンジソーラー)
2000年に設立された太陽光モジュールメーカーです。単結晶ウエハからモジュール製造まで一貫して行っています。
First Solar (ファーストソーラー)
米最大手太陽光モジュールメーカーです。結晶シリコンではなくカドミウム を利用したモジュールを製造しています。
Risen Energy(ライセンエネルギー)
1986年に設立された太陽光発電モジュールメーカーです。
GCLシステムインテグレーションテクノロジー
2003年に設立された中国に本拠をおく太陽光モジュールメーカーです。
Yingli Green Energy(インリー、英利緑色能源控股有限公司)
中国の河北省に本拠を置く中国大手太陽光モジュールメーカーです。2020年に法的整理に入りました。
Talesun(中利)
1998年に設立された中国の太陽光モジュールメーカーです。
ReneSolar(レネ)
中国の大手太陽光モジュールメーカーです。
Sharp(シャープ)
日本を代表する太陽光モジュールメーカーです。
Kyocera(京セラ)
京セラは、稲盛和夫氏によって1959年に設立された日本を代表するセラミックメーカーです。セラミックにおける焼結技術を活用するべく、工具の分野では、2011年にデンマークの超硬工具メーカーのユニメルコ、2016年に米超硬工具メーカーのSGSツールカンパニーを買収しています。電動工具でも2017年に住宅向けくぎ打ち機大手の米SENCOホールディングスを買収して事業を拡大しています。複写機分野も手がけ三田工業を買収しドキュメントソリューションを強化しています。太陽光のモジュールも展開しています。
Convert Italia SpA
イタリアの会社で、太陽エネルギー機器の製造をしております。2018年にバルモント・インダストリーズによって75%の所有権を買収されております。
Tata Power Solar System Ltd(タタパワーソーラーシステム)
1989年創業のインドに拠点を置く総合ソーラー企業です。太陽電池モジュールや太陽電池などのソーラー製品の製造や、太陽光発電プロジェクトのEPCサービスを提供しています。
Waaree Energies Ltd.(ワリーエナジー)
1989年に設立された会社で、インドのムンバイに本社を置いています。ソーラーパネル製造、EPCサービス、プロジェクト開発などを提供しており、インド国内380カ所以上、海外20カ国に拠点を置いています。
SunPower Corporation(サンパワーコーポレーション)
1985年創業のアメリカ シリコンバレーに拠点を置くソーラーとストレージソリューションを提供している会社です。太陽光発電の技術革新に関する特許を1,000件以上取得しております。
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