ネオバンク・チャレンジャーバンク業界の世界市場シェアの分析

ネオバンク・チャレンジャーバンク業界の世界市場シェアと市場規模について分析をしています。ウィーバンク、マイバンク、チャイム、楽天銀行、レボリュート、ソニー銀行、新网银行、PayPay銀行、スターリングバンク、モンゾバンク、ファースト・インターネット・晩コープ、N26といったネオバンク大手の動向も掲載しています。

【ネオバンク・チャレンジャーバンク業界とは】

ネオバンク(NeoBank)とチャレンジャーバンク(ChallengerBank)は、「スマホで銀行業などの金融サービスを提供する企業」のことです。金融(Finance)サービスと情報技術(Technique)を結びつけた金融サービス、「フィンテック(Fintech)」の一種です。銀行ではない企業が銀行サービス業を展開する点は共通していますが、両者には銀行免許の有無に違いがあります。

ネオバンクは、銀行免許を持たない企業のことで、銀行と提携して事業を展開しています。米国を中心に発展しており、代表企業として米国のChimeやMovencorpなどが挙げられます。

一方、チャレンジャーバンク(ChallengerBank)は、自ら銀行免許を取得している企業のことです。英国や欧州を中心に発展しており、代表企業として英国のMonzoやAtomなどが挙げられます。

オンライン銀行とネオバンク・チャレンジャーバンクの区分について

オンライン銀行には、ダイレクトバンク、インターネットバンク、デジタルバンク、モバイルバンクといった名称で、既存の銀行が支店でのサービスと並行して提供するサービスもあります。本分析で対象とするオンライン銀行は、所謂インターネット専業銀行で、既存の銀行や支店網を持つ銀行は対象としておりません。インターネット専業の銀行を、ネオバンクもしくはチャレンジャーバンクと定義しております。

【市場シェア】

ネオバンク・チャレンジャーバンク各社の営業収入(⇒参照したデータの詳細情報)を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2021年の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はウィーバンク、2位はマイバンク、3位はチャイムとなります。

ネオバンク・チャレンジャーバンク業界の世界シェア(2021年)

順位 企業名 市場シェア
1位 ウィバンク 9.60%
2位 マイバンク 4.94%
3位 チャイム* 2.11%
4位 楽天銀行 2.05%
5位 リボルト 1.70%
6位 ソニー銀行 1.18%
7位 新网银行 0.94%
8位 PayPay銀行 0.74%
9位 スターリングバンク 0.50%
10位 モンゾバンク 0.41%
11位 ファースト・インターネット・バンコープ 0.37%
12位 N26 0.30%
* 推計収益
ネオバンク・チャレンジャーバンク各会社の世界市場シェアと業界ランキング(2021年)

ネオバンクやチャレンジャーバンクの分野では、アリババ・アントフィナンシャル系のマイバンク、テンセント系のウィーバンク、楽天系の楽天銀行といったように、オンラインショップ等で多くの会員を保有するプレーヤーが展開する銀行が存在感を示しています。上位6位までに、中国・日本勢が4社ランクインしています。

【市場規模】

当サイトでは、各調査会社等の公表データを参考にし、ネオバンク・チャレンジャーバンク業界の2021年の世界市場規模を450億ドルとしております。参照にしたデータは以下の通りです。

調査会社グローバル・マーケット・インサイトによると、2021年の同業界の市場規模は450億ドルです。2022年〜2028年の年平均成長率は45%を見込んでおり、2028年の市場規模は6000億ドルに成長すると予測しています。

調査会社グランド・ビュー・リサーチによると、2022年、2023年の同業界の市場規模はそれぞれ668億ドル、961億ドルです。2023年〜2030年の年平均成長率は54.8%を見込んでおり、2030年の市場規模は2兆480億ドルに成長すると予測しています。

物理的な支店を必要とせず低コストで、スマホとインターネットだけでサービスが完結するネオバンク・チャレンジャーバンク業界は、今後も需要が急加速すると予想されます。

関連サイト

住宅ローン金利推移

【M&Aの動向】

2021年 スターリングバンクが住宅ローン融資会社Fleet Mortgagesを5千万ポンドで買収

2021年 オンラインバンキング大手のSimple Finance Technology Corporationが閉鎖

【会社の概要】

WeBank(ウィバンク、微众银行)

2015年にテンセントによって設立された中国初のネオバンクです。顔認証技術とビッグデータによる信用分析に提供があり、預金や消費向け融資を伸ばしています。

XWBank(新网银行)

スマホ大手のシャオミによって設立されたネオバンクです。New Hope GroupやNewland等と提携を行い、顧客基盤を拡大しています。中小中堅企業向けの融資にも強みがあります。

MYbank(マイバンク、网商银行)

アリババグループと兄弟会社であるアントフィナンシャルサービスが展開するネオバンクです。2015年に設立されました。AlipayのAI、コンピューティング、リスク管理技術を活用することで、個人や中小企業向けの融資にも関わらず貸倒比率を相対的に低く保つことに成功しています。

ソニー銀行

2001年に設立されたソニーフィナンシャルグループ傘下のオンライン銀行です。住宅ローンに強みを持ちます。兄弟会社にソニー損保やソニー生命があり、総合金融グループとなっています。

楽天銀行

2000年に設立されたECの老舗が展開する銀行グループです。元々はイーバンクとして設立されました。

Revolut(リボルト)

2015年に設立されたイギリスに本拠をおく銀行です。リボルトに口座を保有すれば、低コストで海外送金が可能になります。為替や預金サービスも展開しています。海外展開に積極的です。

Chime(チャイム)

2013年に設立された米国に本拠をネオバンクです。口座維持手数料を必要とせずスマートフォンで預金、決済、送金といった取引を完結できることが強みです。

N26

2013年にドイツで設立されたネオバンクです。

銀行業の他に保険業も手掛けています。

過去に米国でもサービスを展開していましたが2021年に撤退し、その後はヨーロッパでの事業展開に注力しています。

PayPay銀行

2021年4月に「ジャパンネット銀行」から「PayPay銀行」へと名前が変更されました。前身のジャパネット銀行は、日本初のインターネット専業銀行として2000年に設立されています。

ヤフーが主要株主に名を連ねており、ネットショッピングなどのインターネット決済に関わるサービスに力を入れています。

Starling Bank(スターリングバンク)

2014年に設立された英国のチャレンジャーバンクです。モバイルアプリが充実しており、取引の詳細がすぐに通知されたり、瞬時に口座の凍結ができたりなど便利なサービスを展開しています。

Monzo Bank(モンゾバンク)

2015年に設立された英国のチャレンジャーバンクです。元々はデビットカード事業を展開していましたが、2017年には銀行免許を取得しチャレンジャーバンク業界に参入しました。

アプリ内で入力・書類添付のみで口座を解説できるなど、ユーザーに使いやすく分かりやすいサービスが評価を受けています。

First Internet Bancorp(ファースト・インターネット・バンコープ)

1997年に設立された銀行持株会社で、First Internet Bank of Indianaを運営しています。インターネット専業銀行として個人・法人向けの銀行業からクレジットカードなどの貸金業まで幅広い金融サービスを提供しています。

参照したデータの詳細情報について


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