ネオバンク・チャレンジャーバンク業界の世界市場シェアの分析

ネオバンク・チャレンジャーバンク業界の世界市場シェアと市場規模について分析をしています。WeBank、MYbank、楽天銀行、ソニー銀行、XWBank、ジャパンネット銀行、Revolut、Chime、First Internet Bancorp、Starling Bank、N26、Monzo Bankといったネオバンク大手の動向も掲載しています。

【ネオバンク・チャレンジャーバンク業界とは】

ネオバンク(NeoBank)とチャレンジャーバンク(ChallengerBank)は、「スマホで銀行業などの金融サービスを提供する企業」のことです。金融(Finance)サービスと情報技術(Technique)を結びつけた金融サービス、「フィンテック(Fintech)」の一種です。銀行ではない企業が銀行サービス業を展開する点は共通していますが、両者には銀行免許の有無に違いがあります。

ネオバンクは、銀行免許を持たない企業のことで、銀行と提携して事業を展開しています。米国を中心に発展しており、代表企業として米国のChimeやMovencorpなどが挙げられます。

一方、チャレンジャーバンク(ChallengerBank)は、自ら銀行免許を取得している企業のことです。英国や欧州を中心に発展しており、代表企業として英国のMonzoやAtomなどが挙げられます。

オンライン銀行とネオバンク・チャレンジャーバンクの区分について

オンライン銀行には、ダイレクトバンク、インターネットバンク、デジタルバンク、モバイルバンクといった名称で、既存の銀行が支店でのサービスと並行して提供するサービスもあります。本分析で対象とするオンライン銀行は、所謂インターネット専業銀行で、既存の銀行や支店網を持つ銀行は対象としておりません。インターネット専業の銀行を、ネオバンクもしくはチャレンジャーバンクと定義しております。

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【市場シェア】

ネオバンク・チャレンジャーバンク業界の2023年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2023年のネオバンク・チャレンジャーバンク業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はウィバンク、2位はマイバンク、3位はリボルトとなります。

ネオバンク・チャレンジャーバンク業界の市場シェア(2023年) ©2025 Deallab

順位 Company name
(English)
企業名 市場シェア
1位 WeBank ウィバンク 5.59%
2位 MYbank マイバンク 2.67%
3位 Revolut リボルト 2.19%
4位 Chime チャイム 1.32%
5位 Rakuten Bank 楽天銀行 1.07%
6位 Sony Bank ソニー銀行 0.79%
7位 Starling Bank スターリングバンク 0.79%
8位 PayPay Bank Corporation PayPay銀行 0.47%
9位 N26 N26 0.33%
10位 First Internet Bancorp ファースト・インターネット・バンコープ 0.28%
11位 Monzo Bank モンゾバンク 0.26%
12位 Atom Bank PLC アトム・バンク 0.12%
ネオバンク・チャレンジャーバンクの世界市場シェアと業界ランキング(2023年) ©2025 Deallab

ネオバンクやチャレンジャーバンクの分野では、アリババ・アントフィナンシャル系のMYbank、テンセント系のWeBank、楽天系の楽天銀行といったように、オンラインショップ等で多くの会員を保有するプレーヤーが展開する銀行が存在感を示しています。ランキングのトップを、ほぼ中国勢と日本勢が棲み分けています。

【市場規模】

当データベースでは、2023年のネオバンク・チャレンジャーバンク業界の市場規模を984億ドルとしております。参照した各種調査データは次の通りとなります。

調査会社フォーチュンビジネスインサイツによると、2023年の同業界の市場規模は984億ドルです。2032年にかけて年平均48.6%で成長し、規模は34,065億ドルへと拡大することを見込んでいます。

市場規模 年平均成長率
2023 984億ドル
2032 34,065億ドル 48.6%

ネオバンク・チャレンジャーバンク業界の市場規模の成長予想 ©2025 Deallab

【M&Aの動向】

2019年 ファースト・インターネット・バンコープ、中小企業向け融資部門を買収
2021年 スターリング銀行、売買専門の住宅ローン会社フリート・モーゲージズを買収
2021年 スターリングバンクが住宅ローン融資会社Fleet Mortgagesを5千万ポンドで買収
2021年 オンラインバンキング大手のSimple Finance Technology Corporationが閉鎖
2022年 Revolut、数百万ドル規模のインド拡大計画を推進しインドの外国為替事業を買収

【会社の概要】

WeBank(ウィバンク、微众银行)

2015年にテンセントによって設立された中国初のネオバンクです。顔認証技術とビッグデータによる信用分析に提供があり、預金や消費向け融資を伸ばしています。

XWBank(新网银行)

スマホ大手のシャオミによって設立されたネオバンクです。New Hope GroupやNewland等と提携を行い、顧客基盤を拡大しています。中小中堅企業向けの融資にも強みがあります。

MYbank(マイバンク、网商银行)

アリババグループと兄弟会社であるアントフィナンシャルサービスが展開するネオバンクです。2015年に設立されました。AlipayのAI、コンピューティング、リスク管理技術を活用することで、個人や中小企業向けの融資にも関わらず貸倒比率を相対的に低く保つことに成功しています。

ソニー銀行

2001年に設立されたソニーフィナンシャルグループ傘下のオンライン銀行です。住宅ローンに強みを持ちます。兄弟会社にソニー損保やソニー生命があり、総合金融グループとなっています。

楽天銀行

2000年に設立されたECの老舗が展開する銀行グループです。元々はイーバンクとして設立されました。

Revolut(リボルト)

2015年に設立されたイギリスに本拠をおく銀行です。リボルトに口座を保有すれば、低コストで海外送金が可能になります。為替や預金サービスも展開しています。海外展開に積極的です。

Chime(チャイム)

2013年に設立された米国に本拠をネオバンクです。口座維持手数料を必要とせずスマートフォンで預金、決済、送金といった取引を完結できることが強みです。

N26

2013年にドイツで設立されたネオバンクです。

銀行業の他に保険業も手掛けています。

過去に米国でもサービスを展開していましたが2021年に撤退し、その後はヨーロッパでの事業展開に注力しています。

PayPay銀行

2021年4月に「ジャパンネット銀行」から「PayPay銀行」へと名前が変更されました。前身のジャパネット銀行は、日本初のインターネット専業銀行として2000年に設立されています。

ヤフーが主要株主に名を連ねており、ネットショッピングなどのインターネット決済に関わるサービスに力を入れています。

Starling Bank(スターリングバンク)

2014年に設立された英国のチャレンジャーバンクです。モバイルアプリが充実しており、取引の詳細がすぐに通知されたり、瞬時に口座の凍結ができたりなど便利なサービスを展開しています。

Monzo Bank(モンゾバンク)

2015年に設立された英国のチャレンジャーバンクです。元々はデビットカード事業を展開していましたが、2017年には銀行免許を取得しチャレンジャーバンク業界に参入しました。

アプリ内で入力・書類添付のみで口座を解説できるなど、ユーザーに使いやすく分かりやすいサービスが評価を受けています。

First Internet Bancorp(ファースト・インターネット・バンコープ)

1997年に設立された銀行持株会社で、First Internet Bank of Indianaを運営しています。インターネット専業銀行として個人・法人向けの銀行業からクレジットカードなどの貸金業まで幅広い金融サービスを提供しています。

参照したデータの詳細情報について


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