FPSO(浮体式生産貯蔵積出設備)設計・エンジニアリング業界の世界市場シェアと市場規模について分析しています。SBMオフショア、三井海洋開発(MODEC)、BWオフショアといったFPSO設計会社の概要と動向も掲載しています。
【FPSOとは】
FPSOとは、Floating Production Storage and Offloading systemの略です。日本語ですと浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備となります。川崎汽船によれば、FPSOとは「洋上で原油・ガスを生産し、生産した原油をタンクに貯蔵し、直接タンカーへの積み出しを行い、生産したガスをFPSO自体のガスタービン発電プラントの燃料として使用または、パイプラインを通して陸上へ輸送する」設備です。

FPSO1隻の費用は、概ね機器費用、設計エンジニアリング費用、建造費用、係留設費用があり、大きさにもよりますが、約1000億円程度かかる巨大プロジェクトです。
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【FPSO(浮体式生産貯蔵積出設備)業界の世界市場シェア】
FPSO(浮体式生産貯蔵積出設備)業界の2024年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2024年のFPSO(浮体式生産貯蔵積出設備)業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はSBMオフショア、2位は三井海洋開発、3位はBWオフショアとなります。
業界の市場シェア(2024年).png)
| 順位 | Company name (English) |
企業名(日本語) | 市場シェア |
| 1位 | SBM Offshore | SBMオフショア | 22.34% |
| 2位 | MODEC | 三井海洋開発 | 15.30% |
| 3位 | BW Offshore | BWオフショア | 2.21% |
2024年のFPSO設計・エンジニアリング業界は、業界1位のオランダに本拠を置くSBMに、日本の三井海洋開発が業界2位となっております。
その他大手のFPSO設計会社としては、中国のCNOOC、米国のエクソンモビール、ブラジルのペトロブラスなどがありますが、FPSO単体での売上高を公表していないため、ランキングからは除外しています。
【FPSO(浮体式生産貯蔵積出設備)業界の世界市場規模】
当データベースでは、2024年のFPSO(浮体式生産貯蔵積出設備)業界の市場規模を274億ドルとしております。参照した各種調査データは次の通りとなります。
調査会社ジオンマーケットリサーチによると、2024年の同業界の市場規模は274億ドルです。2034年にかけて年平均6.3%で成長し、規模は529億ドルへと拡大することを見込んでいます。
| 年 | 市場規模 | 年平均成長率 |
| 2024 | 274億ドル | – |
| 2034 | 529億ドル | 6.3% |
業界の市場規模の成長予想.png)
【M&Aの動向】
FPSOはM&Aが少なく、FPSO大手のティーケイがユニットを売却した以外大きなM&Aは見られません。
2022年 ティーケイが最後のFPSOユニットをリサイクルヤードに売却
2025年 BWオフショアはFPSO Nganhurraの買収契約を締結
【会社の概要】
SBM Offshore N.V.(SBMオフショア)
オランダに本拠を置く世界最大級のFPSOの設計エンジニアリング会社です。ブラジル、マレーシア、アンゴラなどの案件を手掛けています。ユーロネクスト市場に上場しています。
MODEC, INC.(三井海洋開発株式会社)
日本を代表するFPSO設計会社です。三井E&S(旧三井造船)・三井物産が主要株主です。FPSOのプロジェクトは、ブラジル石油公社であるペトロブラス向けのブラジル深海沖が最も多くなっていますが、メキシコ、オーストラリア、ベトナムなどの案件も受注しております。
BW Offshore Limited (BWオフショアリミテッド)
1982年にBergensen(ベルゲッセン)社の事業部門として創設されたノルウェーに本拠を置くFPSO設計世界大手です。親会社のBWグループは海運大手ベルゲッセンと包玉剛率いるWorldwide Shipping Companyが合併して誕生しました。
