EPC・プラントエンジニアリング業界の市場シェアと市場規模について分析をしています。ベクテル、テクニップFMC、サイペム、フルーア、中国治金科工集団、日揮、サブシー7、アーケルソリューションズ、マクダーモットインターナショナルといったエンジニアリング会社の概要も掲載しています。
【市場シェア】
プラントエンジニアリング会社の2020年度の売上高(⇒参照したデータの詳細情報)を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2020年のプラントエンジニアリング業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位は中国治金科工集団となります。
プラントエンジニアリング会社の世界シェアと業界ランキング(2020年)
順位 | 会社名 | 市場シェア |
---|---|---|
1位 | 中国治金科工集団 | 0.78% |
2位 | ベクテル | 0.23% |
3位 | フルーア | 0.20% |
4位 | テクニップFMC | 0.17% |
5位 | マクダーモットインターナショナル | 0.17% |
6位 | サイペム | 0.11% |
7位 | 日揮 | 0.05% |
8位 | アーケルソリューションズ | 0.05% |
9位 | サブシー7 | 0.05% |
プラントエンジニアリング業界の世界1位は中国の資源開発系のエンジニアリング会社である中国治金科工集となります。2位は米国の総合エンジニアリング会社であるベクテル、3位は同じく米国のフルーアとなります。4位はフランスのオフショアや深海開発に強いテクニップFMC、5位は米国のマクダーモットインターナショナルとなります。
【市場規模】
当データベースでは、2020年のプラントエンジニアリング業界の世界市場規模を7.74兆ドルとしております。参照した各種統計データは次の通りです。
調査会社のグランドビューリサーチによれば、2019年と2020年の民間エンジニアリング業界の市場規模は8.73兆ドルと7.74兆ドルです。2028年にかけて年平均5.7%での成長を見込みます。
年 | 市場規模 | 成長率見込み |
---|---|---|
2020年 | 7.74兆ドル | 5.7% |
2019年 | 8.73兆ドル | NA |
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【会社の概要】
Bechtel(べクテル)
米国に本拠を置く総合プラントエンジニアリング会社です。石油コンビナート、原子力施設等の建設に強みを持ちます。フーバーダムの建設もになっています。ベクトル家による同族会社です。近年のシェールガスブームにより業績を拡大しています。LNG液化プロジェクトでのEPCに特に強みを持ちますが、防衛、環境、インフラ、鉱山、水処理などのEPCも手掛けています。
TechnipFMC(テクニップFMC)
TechnipFMC(テクニップFMC)は、フランスに本拠を置く石油・ガス系プラントエンジニアリング会社でアンビリカル、ライザー、フローライン大手のTechnipと、サブシー・プロダクション・システム大手の米FMCテクノロジーズが2016年に経営統合して誕生した会社です。テクニップはフランスの公的研究機関であるFrench Institute of Petroleumによって設立されました。FMCテクノロジーズは食品化学大手の米FMCから分社化して誕生しました。経営統合によってテクニップFMCは深海(サブシー)とオンショア・オフショア生産施設の両方を手掛ける大手エンジニアリング会社となりました。
テクニップとFMCの経営統合の案件ハイライト
2016年に発表されたフランス大手のプラントエンジニアリング会社のテクニップ社と米国の石油サービス会社のFMCテクノロジーズ社が経営統合をしました。石油価格が下落する中でのコスト削減を目指した経営統合の色合いが強い。
両社は深海向けを含む石油サービスを手掛けつつも、その出自からエンジニアリングに強いテクニップと機器製造も手掛けるFMCテクノロジーズという補完性もある。
同業界ではシュルンベルジェによるキャメロン買収、ベーカー・ヒューズとGEの石油・ガス事業の経営統合等再編が相次ぐ。
両社の再編の歴史
- 1884年 John BeanによってFMC設立
- 1958年 ブランズ石油協会と仏政府によってテクニップ設立
- 2001年 テクニップによるフローライン大手のCoflexipを買収
- 2001年 テクニップによるGenesis買収
- 2001年 FMCからのFMCテクノロジーズの分社化
- 2017年 FMCとテクニップが経営統合し、テクニップFMCへ
- 2020年 FMCテクニップがオンショア・オフショア事業を分社化
Saipem(サイペム)
イタリアに本拠を置く石油・ガス系プラントエンジニアリング会社です。イタリアのエネルギー大手ENI傘下にあります。2002年にフランスのブイグの子会社であるブイグオフショア、2006年に石油化学、LNG液化エンジニアリングに強いSnamprogetti を買収しています。
Fluor(フルーア)
米国に本拠を置くゼネコン・プラントエンジニアリング会社です。ニューヨーク証券取引所に上場しています。
China Metallurgical Group(中国治金科工集団、MCC)
資源開発等に強みを持つ中国政府系のプラントエンジニアリング会社です。鉱山や化学系のプラントに強みを持ちます。2016年に鉱山大手の中国五鉱集団公司と経営統合しました。
JGC(日揮)
日本を代表する総合エンジニアリング会社です。LNG、石油、発電プラント等に強みを持ちます。
Subsea7(サブシー7)
英国に本拠をおくオフショアエンジニアリング会社です。2002年にHalliburton Subsea(ハリバートンサブシー)とDSND Subseaが経営統合して設立されました。Schlumberger(シュルンベルジェ)とサブシー分野でJVを設立しています(サブシー・インテグレーション・アライアンス)。
Sapura Energy(サプラエナジー)
マレーシアに本拠をおくEPCプレーヤー。同国の国営石油開発会社であるペトロナスの油田EPC案件を得意とします。
Samsung Heavy Industries(サムスン重工業)
韓国に本拠をおく造船・エンジニアリング会社です。海上構築物、例えば、フローティングLNG(FLNG)やドリルシップ(Drill Ship)のEPCに強みを持ちます。
Hyundai Heavy Industries (現代重工業)
韓国に本拠をおくコングロマリット。エンジニアリング分野ではオフショアのFPOS、LNGなどのEPCを手掛けています。
Aker Solutions(アーケルソリューションズ)
ノルウェーに本拠をおくサブシー(subsea)の開発に強みを持つEPCです。
日鉄エンジニアリング
日本製鉄のプラントエンジニアリング子会社です。製鉄、化学プラント、海洋構築物などのEPCに強みを持ちます。
McDermott International(マクダーモットインターナショナル)
米国に本拠を海洋構築物のEPCです。2018年に石油化学プラントに強いCB&I(Chicago Bridge & Iron Company)を買収し、規模を拡大しています。なお、CB&Iは2013年に同業のShaw Group(ショー・グループ)を買収し、規模拡大しています。
L&T Hydrocarbon Engineering(L&Tハイドロカーボンエンジニアリング)
インドに本拠をおくEPCプレーヤー。インドのコングロマリットであるLarsen & Toubro(ラーセン・トゥブロ)の子会社です。
KBR
米国に本拠をおくLNG施設のEPCを手掛ける会社です。石油化学プラントやオフショアでの石油ガス生産設備も手掛けています。
参照したデータの詳細情報について
参照したデータは以下の通りです。リンク切れなどありましたら、お問い合わせのページからご連絡頂けますと大変有難く存じます。
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