タンクコンテナリース業界の世界市場シェアと市場規模について分析をしています。業界大手であるEXSIF、ユーロテイナー、シーコグローバル、CSリーシングといった概要や動向についても記載しています。
【タンクコンテナとは】
液体や気体、粉体などをバルク貨物として輸送するためのインターモーダル輸送用のコンテナ容器です。コンテナの外枠を維持しながら、中にタンクを設置している点が特徴と言えます。

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【市場シェア】
タンクコンテナリース業界の2023年度の台数⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2023年のタンクコンテナリース業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はEXSIF、2位はユーロテイナー、3位はシーコグローバルとなります。
順位 | Company name (English) |
会社名 | 市場シェア |
---|---|---|---|
1位 | EXSIF Worldwide | EXSIF | 20.78% |
2位 | Eurotainer | ユーロテイナー | 15.24% |
3位 | Seaco Global | シーコグローバル | 11.91% |
4位 | Raffles Lease | ラッフルズ | 9.70% |
5位 | CS Leasing | CSリーシング | 8.08% |
6位 | Trifleet Leasing | トライフリート | 6.63% |
7位 | Peacook Container | ピーコック | 6.37% |
8位 | Albatross Tank Leasing | アルバトロス | 5.54% |
9位 | TWS Rent-A-Tainer | TWS | 2.49% |
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タンクコンテナリース業界の市場シェア(2023年) ©2024 Deallab
タンクコンテナリース業界は、コロナウイルスの影響を受け成長が鈍化した2020年に比べて、2021年には急回復を遂げました。一方で、アジアからの貨物が急激に増え、コンテナ船のスペースが不足したり、内陸輸送に遅れが出たりの影響を受けました。
その結果、運賃の値上がりが深刻となりましたが、タンクそのものの需要はとどまるところを知らず伸び続けています。需要の拡大の一方、タンクオペレーターはコンテナ船のスペース確保が困難になり、荷送人のコンテナよりも運送会社のコンテナが優遇されるなどの問題が出る可能性も指摘されています。
【市場規模】
当サイトでは、タンクコンテナリース業界の2023年の市場規模を801,800台としております。
参照した情報は以下の通りです。
業界団体のインターナショナルコンテナフリートによると、2023年の世界のタンクコンテナの台数は801,800台と推計され、そのうちリースされている台数は360,925台です。
また、同団体によると、世界における同台数は2021年が686,650台、2022年が737,935台となっています。⇒参照したデータの詳細情報
年 | 市場規模(台) | 前年比成長率 |
---|---|---|
2023 | 801,800 | 8.6% |
2022 | 737,935 | 7.5% |
2021 | 686,650 | 5.3% |

【M&Aの動向】
2018年 Ermewa/ユーロテイナーが、タンクコンテナリース大手のTaylor Minster Leasingを買収
2019年 フランスの貨車リース大手Ermewaがラッフルズを買収
2019年 Mass CapitalがCSリースの主要株主となり、TCGと共に共同経営のパートナーとなる
2021年 ケベック州投資信託銀行とDWSのコンソーシアムがErmewaを買収
2021年 米鉄道車両リース大手のGATEXがトライフリートを買収
【会社の概要】
EXSIF
2000年に設立された米国に本拠を置く液体輸送用のコンテナタンカーのリース会社です。バークシャー・ハサウェイ傘下となっています。
Eurotainer(ユーロテイナー)
1956年に設立されたフランスに本拠を液体輸送用のコンテナタンカーのリース会社です。同社は、フランス国鉄運輸傘下であるErmewaのグループ会社です。
Seaco Global(シーコグローバル)
1998年にGEの金融事業を行うGEキャピタルとグローバルシーコンテイナーズ社との合弁として設立されました。現在は、中国のHNAグループ傘下にあります。
CS Leasing(CSリーシング)
2015年に設立された液体輸送用のコンテナタンカーのリース会社です。ABN AMRO傘下のMaas Capitalとタイコンテナーズ・グループ(TCG)との合弁会社です。
Raffles(ラッフルズ)
2006年に設立された液体輸送用のコンテナタンカーのリース会社です。フランスの貨車リース大手Ermewa(フランス国鉄グループ)の傘下企業です。2021年10月にCDPQ(ケベック州投資信託銀行)とDWSのコンソーシアムがErmewaを買収しました。
Trifleet(トライフリート)
1990年に設立された液体輸送用のコンテナタンカーのリース会社です。現在はガテックスグループに属しています。
Peacook(ピーコック)
1987年に設立されたシンガポールに本社を置くタンクコンテナのリース会社です。石油やガス、食品など様々な分野にコンテナをリースしています。ロッテルダム、シンガポール、上海、ヒューストンに拠点を持ちます。
Triton International(トライトンインターナショナル)
1980年にエドワードシュナイダー氏によって設立されたインターモーダル輸送(貨物を入れ替えずに海路、陸路を輸送する方法)向けのコンテナリース大手です。ニューヨーク証券取引所に上場しています。
Albatross Tank-Leasing(アルバトロス)
ドイツに本社を置くタンクコンテナリースの会社です。中国船主のShanghai Junzheng Logistics Co Ltd (別名Gentco Logistics、上海君正船務)のタンクコンテナリース部門が、アルバトロスとなって統合されました。
TWS Rent-A-Tainer(TWS)
1987年に設立された、ドイツに本社を置く液体輸送用コンテナタンクのリース会社です。
参照したデータの詳細情報について