三菱マテリアルは、1871年の九十九商会の炭鉱事業を源流とする三菱グループの中核を担う非鉄金属メーカーです。1990年に三菱金属と三菱鉱業セメントが経営統合し誕生しました。銅開発、セメント、超硬工具、伸銅事業が現在の主力となっております。業歴が長く多くの事業に関わってきており、事業の分社化をし誕生した会社には、シリコンウェハ大手のSUMCO、製缶大手のユニバーサル製缶等があります。超硬分野では、2014年に日立工具を買収し、事業の拡大を図っております。2021年にアルミ事業をアポロへ売却しました。また、再生可能エネルギー発電設備の製造・販売を拡大することで、脱炭素社会の実現にも貢献しています。
2018年度
売上高は1,662,990百万円で、前年度比4%増となりました。営業利益は36,861百万円になりました。営業利益率は2.2%になりました。この年度の事業環境は、超硬製品やセメント関連の需要が堅調に推移したものの、銅価格の下落や エネルギーコストの上昇等の影響がありました。
2019年度
売上高は1,516,100百万円で、前年度比9%減となりました。営業利益は37,952百万円になりました。営業利益率は2.5%になりました。この年度の事業環境は、自動車や半導体関連の需要の減少、銅価格の下落、国内におけるセメント需要の減少があったものの、パラジウム価格の上昇等による影響がありました。
2020年度
売上高は1,485,121百万円で、前年度比2%減となりました。営業利益は26,567百万円になりました。営業利益率は1.8%になりました。この年度は新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響を受けました。また、金属価格が上昇したほか、半導体関連の需要が堅調に推移したものの、自動車関連の需要が大幅に減少しました。これに加えて、国内におけるセメント需要の減少がありました。
2021年度
売上高は1,811,759百万円で、前年度比22%増となりました。これは、金属価格が堅調に推移したことに加えて、半導体関連及び自動車関連の需要も堅調に推移したためです。営業利益は52,708百万円になりました。営業利益率は2.9%になりました。
2022年度
売上高は1,625,933百万円で、前年度比10%減となりました。営業利益は50,076百万円になりました。営業利益率は3.1%になりました。為替水準が円安基調で推移した影響があったものの、自動車関連及び半導体関連の需要に減速がみられたほか、パラジウム価格の下落やエネルギー価格の上昇等の影響があり ました。 連結経常利益は、持分法による投資損失を計上したほか、受取配当金が減少したことなどから、前年度比で66.7%減となりました。
2022年度第2四半期(07ー09月)
売上高は409,353百万円になりました。営業利益は15,636百万円、営業利益率は3.8%になりました。
2022年度第3四半期(10ー12月)
売上高は411,584百万円になりました。営業利益は8,415百万円、営業利益率は2%になりました。
2022年度第4四半期(01ー03月)
売上高は382,368百万円になりました。営業利益は12,101百万円、営業利益率は3.2%になりました。
2023年度第1四半期(04ー06月)
売上高は362,660百万円になりました。営業利益は3,791百万円、営業利益率は1%になりました。
2023年度第2四半期(07ー09月)
売上高は353,539百万円になりました。営業利益は8,159百万円、営業利益率は2.3%になりました。
希薄化後EPSは前年度比55%減の155.6円になりました。1株当たりの配当は前年度比44%減の50円になりました。配当性向は32%になりました。
2023年3月期業績計画は、売上高1兆5,900億円、営業利益、経常利益ともに360億円、当期純利益200億円と前年比で減益となっております。
その要因は、以下の通りです。
・伸銅品販売量はxEV化の車載用途の需要拡大により高水準の需要が継続
・電気銅の自社品販売は精錬所の定期炉修による微減
・チリ中部での干ばつ継続による鉱山配当の低減
・国内セメントの値上がりによるUBE三菱セメント社の持分法損益の純損失見込
出所:三菱マテリアル株式会社2022年3月期決算補足説明資料
セグメントは、高機能製品、加工事業、金属事業、環境・エネルギー事業 、その他の事業 セメント事業に分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。
セグメント | 詳細 |
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高機能製品 | 三菱マテリアル及び子会社ルバタ社の子会社が銅加工品を製造・販売しております。 三菱マテリアルが機能材料・電子デバイスを製造・販売しているほか、子会社三菱マテリアル 電子化成㈱が化成品を製造し三菱マテリアルが販売しております。また、子会社の三菱電線工業㈱ がシール部品等製品の製造・販売及び銅製品の仕入・販売をしております。 |
加工事業 | 三菱マテリアル及び子会社㈱MOLDINO、日本新金属㈱が超硬製品を製造・販売しており ます。また、子会社の米国三菱マテリアル社及び子会社MMCハードメタルヨーロッパ 社の子会社が超硬製品等を販売しております。 |
金属事業 | 三菱マテリアルが銅・金・銀・パラジウム等の製錬・販売をしているほか、子会社インドネシ ア・カパー・スメルティング社、小名浜製錬㈱、マテリアルエコリファイン㈱、細倉 金属鉱業㈱が製錬業を営んでおります。 |
環境・エネルギー事業 | 三菱マテリアル及び関連会社湯沢地熱㈱が地熱・水力発電事業等を営んでいるほか、三菱マテリアルによ る環境リサイクル事業(家電リサイクル、焼却飛灰、バイオガス等)全般にわたる、 企画、立案のもと、子会社東日本リサイクルシステムズ㈱にて家電リサイクルを営んでおります。 |
その他の事業 セメント事業 | 関連会社UBE三菱セメント㈱がセメント事業及びその関連事業等を営んでおります。 |
2014年 加工事業カンパニー所管の連結子会社で、モータ・電気接点事業を運営する三菱マテリアルシーエムアイ株式会社の全株式を日本電産サンキョー株式会社へ譲渡することについて、手続を完了
2014年 加工事業カンパニー所管の連結子会社であるMMCスーパーアロイ株式会社について、MMCスーパーアロイによる日立金属株式会社に対する第三者割当増資とともに、MMCスーパーアロイ発行済株式の一部を当社から日立金属へ譲渡することについて、手続きを完了
2015年 超硬製品(切削工具)の事業基盤強化を目的として、三菱マテリアルが日立金属の完全子会社である日立ツール株式会社の発行済株式総数の51%を取得する契約を締結し、株式譲渡手続を完了
2016年 加工事業カンパニー所管の連結子会社で、精密鍛造製品事業を運営する菱栄金属株式会社の全株式を株式会社ハヤカワへ譲渡することとし、その手続きを完了
2017年 英国の銅加工事業会社Luvata社傘下で銅加工品の製造および販売を行うSpecial Products事業部門の譲受について、手続を完了
2017年 連結子会社で不動産賃貸事業等を営む三菱マテリアル不動産株式会社の全株式を Fortress Investment Group LLC 傘下のフォートレス・バリュー・プロパティーズ· ホールディ ングス合同会社に譲渡することを決議
2019年 連結子会社である三菱伸銅株式会社を吸収合併することを決議
2020年 連結子会社である三菱日立ツール株式会社 (三菱マテリアル 51%、日立金属 49%)の発行済株式 のうち日立金属社保有の全株式を取得し、完全子会社とすることを決議
2020年 連結子会社である西日本開発株式会社について、三菱マテリアルが保有する株式の全てを平川商事株式会社に譲渡することを決定
2020年 連結子会社である株式会社ダイヤメ ットの全株式について、エンデバー・ユナイテッド株式会社に譲渡 することを正式に決議し、 エンデバー社との間で本件譲渡に関する最終契約書を締結
2021年 三菱マテリアル株式会社と宇部興産株式会社は、両社のセメント事業およびその関連事業等の統合のための株式会社を設立
2021年 連結子会社である株式会社ダイヤコンサルタントについて、大日本コンサルタント株式会社へ三菱マテリアルが保有する株式の全てを譲渡することを決定
2021年 連結子会社である株式会社ダイヤプラザについて、三菱マテリアルが保有する株式の全てを株式会社山二に譲渡することを決定
2022年 タイに所在する当社の連結子会社であるSambo Shindo Co., Ltd.について、三菱マテリアルが保有する株式の全てを、丸の内キャピタル社が管理・運営するエムキャップ七号株式会社に譲渡することを決定
2023年 連結子会社であるダイヤソルト株式会社について、三菱マテリアルが保有する株式のすべてを、IAパートナーズ株式会社が管理またはサービス提供を行うIAパートナーズ1号投資事業有限責任組合等に譲渡することを決定