市場調査業界の世界シェアと市場規模の情報を分析しています。アイキュービア、カンター、ガートナー、イプソスといった市場調査大手の概要と動向も掲載しています。売上非公開の企業については、当ランキングの対象外としています。
市場調査業界とは
市場調査とは、顧客への直接的な調査から新しいサービス・製品が市場で展開可能かを確認することです。市場調査を行うことで、企業はターゲットを明確にし、消費者からリアルタイムのフィードバックを得られます。
市場調査は、市場調査と分析サービス、世論調査、選挙調査などに分けられます。IT、製造、金融、建設などさまざまな業界が市場調査をもとにビジネスを展開しています。
【市場調査業界の世界市場シェア】
市場調査業界の2024年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2024年の市場調査業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はアイキュービア、2位はガートナー、3位はカンターとなります。
.png)
| 順位 | Company name (English) |
企業名(日本語) | 市場シェア |
| 1位 | IQVIA | アイキュービア | 6.85% |
| 2位 | Gartner | ガートナー | 5.70% |
| 3位 | Kantar | カンター | 3.24% |
| 4位 | Ipsos | イプソス | 2.88% |
| 5位 | Intage | インテージ | 0.55% |
市場調査会社の世界シェア1位は、アイキュービアです。QuintilesIMSから社名を変更し、ヘルスケアや医薬品に特化したサービスを展開しています。2位は米調査会社のガートナーで、IT分野の調査分析を行っています。顧客にはIT系企業や投資機関など大手企業が名を連ねています。
ITの発展に伴い、調査会社の調査方法にも変化が生まれています。現在では、多くの調査会社がクライアントにVR(仮想現実)技術の導入を提案しています。コンピューターによって作り出した仮想現実の世界で消費者の思考をサンプリングできるため、企業は調査にかけるコストを最小限にしながらも豊富なデータを手に入れられます。
VRをビジネスに導入して成功した大手企業の例として、ネスレが挙げられます。ネスレは、仮想現実の店舗による調査からアイスクリームの価格などを改訂し、結果としてアイスクリームの売上を53%増加させています。
今後は、ネスレのようにVRを用いたマーケティングを導入する企業も増えることが予測され、調査会社も企業の需要に合わせたサービス展開が期待されます。
【市場調査業界の市場規模】
当データベースでは、2024年の市場調査業界の市場規模を900億ドルとしております。参照した各種調査データは次の通りとなります。
調査会社ザビジネスリサーチカンパニーによると、2024年の同業界の市場規模は900億ドルです。2029年にかけて年平均4.4%で成長し、規模は1,108億ドルへと拡大することを見込んでいます。
| 年 | 市場規模 | 年平均成長率 |
|---|---|---|
| 2024 | 900億ドル | – |
| 2029 | 1,108億ドル | 4.4% |

【M&Aの動向】
2016年 KKRがGfK買収
2018年 イプソスがGfKの一部事業を買収
2019年 ベインキャピタルがカンターの60%をWPPから買収
2020年 アドベントがニールセンIQを買収
2021年 ブラックストーンがInternational Data Group(IDG)を買収
2022年 Brookfield Business Partnersが約160億ドルでニールセンの買収を発表”
2023年 NTTドコモは、株式会社インテージホールディングス株式を約471億円で取得
2025年 イプソス、The BVA Familyの買収を完了
【会社の概要】
IQVIA(アイキュービア)
1982年に設立されたヘルスケア関連の調査に強みを持つQuintilesを前身とする会社です。2017年にQuintilesIMSから社名変更をしました。臨床施設と連携しながら製薬企業などに患者の同意を得たうえで、新薬の臨床試験データの調査などを行っています。
Gartner(ガートナー)
1979年に設立されたIT分野に強い市場調査会社です。調査をベースとしたアドバイザリやコンサルティング業務も展開しています。
Nielsen(ニールセン)
米国に本拠を置く市場調査会社です。テレビなどのマスメディアでの視聴率調査に強みがあります。近年はデジタルメディアでの消費者動向の調査に力を入れていますが、この分野はグーグルアナリティクスなどとも競合します。2020年に小売データ調査のNielsenIQをアドベントへ売却しました。Brookfield Business Partnersが約160億ドルでの買収を発表しました。2023年、NIQ(ニールセンIQ)とGfKは合併契約を締結しています。
Kantar(カンター)
イギリスに本拠をおく市場調査会社です。広告代理店大手であるWPPによって1992年に設立されました。100カ国以上で消費者向けの各種調査を行っています。WPPの負債削減やEUが制定したGDPR(データ保護法)といった個人データへの規制強化に対応するために、2019年にベインキャピタルに持分の60%を売却しました。
WPPについて
WPPは世界最大級の広告代理店会社です。2020年度の売上高は120億ポンドとなっています。広告代理店業界の売上高市場シェアでは、世界最大となっています。
7事業本部体制によって、クライアントである企業のマーケティング領域のカバーを行なっています。ただし、近年、グーグルやフェイスブックなどの、広告代理店を介在させないオンラインにおける巨大メディア・媒体が誕生し、従来得意としていた新聞やテレビなどの媒体の比率が低下してきています。さらに、コンサルティング会社が、デジタル技術を用いて、広告における上流工程であるコミュニケーション戦略やデジタルマーケティングなどに進出しており、データの分析からマーケティングを構築する手法で、広告代理店との競合が増しています。
事実上の創業は、Martin Sorrell(マーティン・ソレル)卿が、Wire and Plastic Products(WPP)を1985年に買収してからとなります。以降急速に広告業界で頭角を示し、総従業員数13万人、世界112カ国にまたがる広告帝国を1代で作り上げています。
グループ会社には、ジェイ・ウォルター・トンプソン(JWT)、GREY(グレイ)、ヤング・アンド・ルビカム、およびPR会社のヒル・アンド・ノウルトン、バーソン・コーン&ウルフ、企業ブランディング・デザインのランドーアソシエイツ、またメディアプランニング会社Mindshare、Mediacom等の持ち株会社であるGroupMがあります。
グループ内再編を積極的に行っており、2018年には、ヤング・アンド・ルビカムとデジタルエージェンシーのVMLを合併させて、VMLY&Rを設立しています。
同じく、2018年にOgilvy & Mather(オグルヴィ・アンド・メイザー)がオグルヴィへと社名変更しています。
ジェイ・ウォルター・トンプソンとワンダーマンが経営統合して、ワンダーマン・トンプソンが誕生しています。
PR会社の分野では、バーソン・マーステラとコーン&ウルフが合併し、世界3位のPR会社である「バーソン・コーン&ウルフ」が誕生しています。
売上のうちVMLY&R、ワンダーマントンプソン、カンタールで収益全体の4割を占めていますWPPのグループのグループ会社一覧は下記の通りとなりますが、グループ会社は多岐にわたります。マーケティングリサーチのKantar Group(カンタール・グループ)は2020年ベインキャピタルへ売却しました。
Ipsos(イプソス)
1975年に設立されたフランスに本拠を置く市場調査会社です。マーケティング調査、製品、ブランド、顧客満足度、世論調査などの調査サービスを提供しています。2018年にGfKよりカスタマーエクスペリエンや世論調査などの事業を買収しました。
GfK
1934年に設立されたドイツに本拠を置く市場調査会社です。デジタル事業への強化を図るために2016年にKKRが買収しました。2023年、GfKとNIQ(ニールセンIQ)は合併契約を締結しています。
インテージ
1960年に株式会社社会調査研究所として設立された日本を代表する市場調査会社です。2023年、NTTドコモは、株式会社インテージホールディングス株式を約471億円で取得しています
参照したデータの詳細情報について
