製造受託セクターでM&Aや再編対象となる会社の分析

製造受託セクターで、今後M&Aや再編対象となる投資ファンドが保有している会社についてロングリストを作成しています。投資ファンドが保有する化粧品、医薬品、電子部品、日用品といった製造受託会社は、今後エグジットの動きが予想されます。なお、本記事の作成日以降にM&Aによって下記会社が買収されている可能性もありますことを予めご了承下さい。

製造受託分野で今後M&Aが予想される会社

医薬品製造受託

業界構造

医薬品製造の受託をする大手には、米国のキャタレント(Catalent)、カナダのパセオン(Patheon)、ギリシャのFamar(ファーマー)、フランスのFareva(ファレバ)、日本ではニプロ、シミックHD等があげられます。

市場規模と成長率

当サイトでは、各調査会社等の公表データを参考にし、医薬品製造受託業界の2019年の世界市場規模を987億ドルとして市場シェアを計算しております。参照にしたデータは以下の通りです。調査会社のグランドビューリサーチによれば、同業界の2018年の市場規模は987億ドルです。2025年にかけて年平均6.9%で成長する見込みです。新薬メーカー、ジェネリックメーカーの製薬製造のアウトソースの流れによって、市場の拡大しております。⇒参照したデータの詳細情報

医薬品製造受託分野のM&Aターゲット

Synerlab医薬品製造受託
フランス2013年21インベスト
Synerlab(シナーラボ)は、2001年にフランスで設立された医薬品の製造受託会社(CDMO)です。21インベストが2013年に投資を行っています。
AENOVA医薬品製造受託
ドイツ2012年BCパートナーズ
AENOVAは、ドイツに本拠を置く欧州最大手級の医薬品製造の受託会社です。2012年に同業のハウプトファーマを買収しました。医薬業界の動向として、医薬品メーカーは研究開発への投資に注力をし、製造部門についてはAENOVA等の受託会社へアウトソーシングする傾向にあります。BCパートナーズは2012年にAENOVAを投資ファンドのBridgepoint(ブリッジポイント)から約480百万ユーロで買収しています。買収時点の同社の売上高は約250百万ユーロです。
BioVectra医薬品製造受託
カナダ2019年HIGキャピタル
BioVectra(バイオベクトラ)は、カナダに本拠をおくAPI医薬品開発と生物製剤を専門とする医薬品製造受託メーカー(CDMO)です。同分野において45年以上の業歴があります。HIGキャピタルが2019年9月 にMallinckrodtから135億ドルで買収をしました。
Unitherカプセル製造受託
フランスアーディアン
Unither Pharmaceuticals(ユニターファーマシューティカルズ)は、医薬品のカプセルなどの受託開発製造会社(CDMO)です。1,200人を超える専門家を擁し、フランス、アメリカ、ブラジルに6か所の製造拠点と1か所のR&Dセンターを運営しています。アーディアンが1993年にサノフィ施設を買収し設立されました。
武州製薬医薬品受託製造
日本2014年BPEA
武州製薬は、日本の医薬品の受託製造専門会社大手です。2010年に東京海上キャピタルが経営権を取得し、その後2014年にベアリング・プライベート・エクイティ・アジアが買収しました。日本では、ニプロに次ぐ大手受託製造会社です。
BioDuro医薬品受託製造
米国2019年アドベント
BioDuro(バイオデューロ)は、2005年に設立され、米国サンディエゴに本社を置く、研究、開発、製造受託大手です。創薬支援サービス、またフェーズⅢまでの医薬品製造サービスも提供します。アドベントインターナショナルが2019 年に買収しました。
Adare医薬品受託製造
米国2020年THL
Adare Pharma Solutionsは米国に本拠を置く医薬品受託製造(CDMO)です。2020年にThomas H. Leeが買収しました。
AdareCDMO
米国TPG
Adare Pharma solutionsは米国に本拠を置くCDMO(医薬品製造受託会社)です。TPGが買収しました。

電子部品製造受託(EMS)

業界構造

EMSはエレクトリック・マニュファクチュアリング・サービスの略です。EMSメーカーは、パソコン、スマホ、家電、薄型テレビの組み立てなど、幅広い電子機器の製造を行っています。ホンハイ、ペガトロン、クアンタ・コンピューターといった台湾企業が、中国に製造拠点を設けて、安い人件費を活用して、事業を拡大させています。

市場規模と成長率

調査会社のグローバルマーケットインサイツによれば、2019年のEMS業界の世界市場規模は5000億ドルです。2020年から2026年に年平均5%での成長を見込ます。また調査会社のニューベンチャーリサーチによれば2019年の同業界の規模は5550億ドルです。⇒参照したデータの詳細情報

EMS分野のM&Aターゲット

PCI PrivateEMS
シンガポールプラチナム
PCI Private(PCIプライベート)は、シンガポールに本拠をおく電子機器製造受託(EMS)会社です。プラチナムエクイティが2019年にChuan Hup Holdings社等から買収しました。
SMTCEMS
米国2021
1985年に設立されたSMTCは電子機器の生産を受託するEMSです。HIGが買収をしました。

その他製造受託分野

日用品製造受託会社のM&Aターゲット

Royal Sanders日用品製造受託
オランダ3i
Royal Sanders(ロイヤルサンダース)は、パーソナルケア製品の受託製造会社です。事業は主にベネルクス、ドイツ、フランス、イギリスで、オランダで展開しており、イギリスとベルギーに工場を所有しています。主な製品は、シャンプー、バスジェル、シャワージェル、ボディローション、ハンドソープなどです。これらの製品はプライベートブランドを通じて販売されるもの、あるいはヴァンギルス、サニクール、オドレックスなどの自社ブランドを通じて販売されるものがあります。3iが買収をしました。

医療機器受託製造会社のM&Aターゲット

Cirtec Medical医療機器製造受託
米国3i
Cirtec Medical (サーテックメディカル)は、米国ミネソタ州に本社を置く、医療機器・構成部品の設計、エンジニアリング、製造の受託を行う企業です。顧客に対し、医療機器に関する専門知識を持つエンジニアや製造のエキスパートを活用して、設計、開発、製造、組み立てなど、医療機器の製品開発サイクル全体でのサポートを提供しています。3iが買収しました。

衣料品製造受託会社のM&Aターゲット

MadEngine雑貨製造受託
米国2020年プラチナム
MadEngine(マッドエンジン)は米国に本拠を置く衣料やアクセサリーの製造受託会社です。ディズニー、ワーナーブラザース、エピックゲームズ、IMG、ニコロデオン、Netflix、コカコーラ等からライセンスを受けた商品(トップス、ボトムス、帽子、アクセサリー等)を製造・販売をしています。2020年にプラチナムエクイティが買収しました。

化粧品製造受託会社のM&Aターゲット

FP化粧品製造受託
イタリア2019年インベスト
Farmaceutici Procemsaは、1939年に創業したイタリアに本拠を置く製造受託会社です。Investindustrial(インベストインダストリアル)が2019年7月に買収をしました。ビタミン、サプリメント、化粧品等の製造受託に強みを持ちます。製品は世界50か国弱で販売され、売上の約7割はイタリア外となっています。