バナナやパイナップルや野菜などの青果流通加工会社の世界市場シェアと市場規模について分析をしています。チキータ、フレッシュデルモンテ、ドール、ファイフス(住友商事)、ボンデュエルといった会社の概要や動向も掲載しています。
【青果業界のトレンドとは】
青果業界では生鮮部門のシェアの着実な増加、ブランディングの成長、技術開発、食品のオンラインショッピングの導入などの傾向が見られます。また若い世代を中心に健康意識が高まっています。さらに肥満や関連疾患のレベルの上昇により、消費者はより健康的な食事を選択するようになっています。これらにより新鮮な果物や野菜への需要が高まっています。
【市場シェア】
青果企業の2022年度の売上高ならびに収益を分子に、また後述する青果業界の市場規模を分母にして、2022年の青果業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はドール、2位はグリーンヤード、3位はフレッシュデルモンテとなります。
青果業界の世界市場シェア(2022)
順位 | 企業名(日本語) | 市場シェア |
1 | ドール | 2.84% |
2 | グリーンヤード | 1.53% |
3 | フレッシュデルモンテ | 1.37% |
4 | ボンデュエル | 0.99% |
5 | 住友商事 | 0.98% |
6 | チキータ | 0.95% |
7 | ゼスプリ | 0.82% |
8 | キャラボ・グロワーズ | 0.37% |
9 | ミッションプロデュース | 0.32% |
10 | 東京青果 | 0.22% |
世界1位はトータル・プロデュースとドールが経営統合して誕生したドールです。
2位のベルギーに本拠をおくグリーンヤードや3位のフレッシュデルモンテを大きく引き離しています。
4位はフランスの野菜加工大手であるボンデュエルとなっています。
5位には昨年度7位だったファイフスを買収した住友商事となっています。
6位は青果生産大手のチキータで、7位はキウイフルーツに強いゼスプリとなっています。
【市場規模】
当サイトでは、青果生産。販売業界の2022年の世界市場規模を3249億ドルとして市場シェアを計算しております。参考にしたデータは次の通りです。
調査会社のアイビーアイエスワールドによると、2022年の同業界の市場規模を3249億ドルと算出しています。年平均成長率は3%を見込んでいます。
調査会社マーケットデータフォアキャストによると、2022年の青果の市場規模は1440億ドルで、2028年には2109億ドルにまで成長すると見込まれています。また年平均成長率は5.14%を見込んでいます。
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穀物商社業界の世界市場シェアの分析
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【M&Aの動向】
※ランキングに上がっている企業の過去10年を目途にM&A情報を記載
・2012年 ドールはアジアにおける青果物事業とグローバルな加工食品業を伊藤忠商事に16.85億ドルで売却
・2016年 住友商事はアイルランドの青果物卸売企業Fyffesを7億5100万ユーロで買収
・2018年 フレッシュデルモンテはMann Packingを3.61億ドルで買収
・2021年 東京青果は同業の東京神田青果市場を22億円で買収
・2021年 ドールとトータルプロデュースが経営統合
・2023年 グリーンヤードがオランダの食品会社Gigiを買収
【世界の主要な青果卸会社の動向】
Chiquita(チキータ)
米国に本拠を置く1870年に創業した青果商社大手です。旧ユナイテッド・フルーツです。2015年に青果商社大手のファイフスとの経営統合が破談した後に、現株主であるブラジルのオレンジジュース大手Cutrale(クトラーレ)とプライベートバンキング大手Safra(サフラ)が買収しました。青果の中でもバナナの取扱いに強みを持ちます。
Fresh Del Monte(フレッシュ・デルモンテ)
米国に本拠を置く青果商社大手です。バナナ、パイナップルやカットフルーツ等に強みです。当時デルモンテの親会社であったRJレイノルズがKKRに1988年に買収され、フレッシュデルモンテはPolly Peckに売却されました。その後な何度かの支配株主変更の変更を経て、現在はニューヨーク証券取引所に上場しております。デルモンテフーズとの資本関係はありません。
Dole(ドール)
1901年に設立されたハワイアンパイナップルに起源をもつ米国に本拠を置く食品会社です。David H. Murdock(デビッド・マードック)氏がオーナーです。バナナ、パイナップル、ぶどう、アボガド、ベリー等青果の生産・販売を行行っています。2012年にアジアの青果事業と世界の加工販売事業を伊藤忠に売却しました。2018年にトータル・プロデュースに株式の45%の売却(将来的には全株式の売却)しました。
約12万エーカーの土地、15隻の輸送船、6野菜処理工場、10以上の冷凍倉庫等を保有し、欧州とアメリカで事業を展開しています。2021年にトータル・プロデュースと株式交換によって経営統合と上場を果たしました。
TotalProduce(トータル・プロデュース)について
2007年にFyffes(ファイフス)より分社化して誕生しました。バナナ、柑橘類、なし、リンゴ、野菜などの青果物の栽培、集荷、流通、販売を行っています。ロンドン証券取引所に上場しております。2018年にドールの株式の45%を買収し、2021年に株式交換によりドールと経営統合を果たしました。
Fyffes(ファイフス)
1888年に創業されたアイルランドに本拠を置く青果商社です。バナナ、パイナップル、メロン、マッシュルームを取り扱います。ファイフスと記載のあるブルーラベルで親しまれています。2015年にチキータと経営統合を断念後、2017年に住友商事に買収されました。同社はスミフルを通じて日本におけるバナナ取扱い大手です。
Compagnie Fruitiere(カンパーニュ・フルティエール)
1939年に設立されたフランスに本拠を置く青果商社です。バナナ・パイナップルなどの生産流通を担っています。バナナは主にカメルーン、アイボリーコースト、セネガル、ガーナなどのアフリカで生産しています。年間の取り扱い量は約80万トン、うちバナナは54万トン程度、パイナップルは9万トンです。2011年にドールのフランス、英国、ポルトガル事業を買収しました。創業家が支配する非公開会社です。
Zespri(ゼスプリ)
ニュージーランドに本拠を置くキウイフルーツ販売会社です。株主はキウイの生産業者で、ニュージーランド産のキウイはゼスプリ・ブランドで輸出されるのが特徴です。
Grupo Orsero(オルセロ・グループ)
イタリアに本拠を置く青果商社です。バナナやパイナップルなどを中心に取り扱っています。中南米を中心に自社のバナナ農園を保有しています。オルセロファミリーが主要株主です。
GREENYARD(グリーンヤード)
ベルギーに本拠を置く青果生産・流通・販売大手です。果物、野菜の生産や加工販売を手掛けています。冷凍野菜にも強みを持ちます。ユーロネクストに上場しています。
Bonduelle(ボンデュエル)
1853年に設立されたフランスの野菜加工会社です。野菜缶詰、冷凍野菜やカット野菜などを提供しています。
Calavo Growers(キャラボ・グロワーズ)
1924年に設立された米国に本拠をおくアボガド専門の商社です。カリフォルニア、メキシコ、ペルー、コロンビア産のアボガドをスーパーなどに販売しています。アボガドの加工食品なども手がけています。
Mission Produce(ミッションプロデュース)
米国に本拠を置くアボガド生産・販売会社です。アボガド農園の運営から流通、販売までの垂直統合で行っている点が特徴です。2020年に株式を公開し上場会社となりました。
東京青果
日本の青果物卸売における業界最大手。2021年に同業の東京神田青果市場の株を取得し子会社化。
青果物を手掛ける会社として、イタリアのBattaglio、フランスのFruidor(フリュイドール)、イタリアのSPREAFICO、スペインのBargosa等があります。
参照したデータの詳細情報について
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