COFCOの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

コフコ(COFCO)は1949年に設立された中国政府傘下の国有の食糧・穀物商社です。各種穀物や食糧の集荷、備蓄、運搬、輸出入、加工等を手掛け、最近では、食品・飲料分野でも成長を志向しています。2009年の売上高は1782億元でしたが、中国の成長に伴い、2020年には4711億元へと急成長を遂げています。総資産は5606億元です。

コフコは、傘下に約19の事業会社・子会社を保有しています。うち上場子会社は13社で、9社は香港に上場、4社は上海で上場しています。穀物分野の世界市場シェアでは上位に位置します。
COFCOインターナショナルは、グローバルで各種穀物の集荷、貯蔵、運搬を行っています。オランダの穀物商社のニデラを2017年に完全子会社化しています。2013年に買収したシンガポールのノーブルの農作物部門はコフコアグリへと社名変更しました。
COFCOトレーディングは中国国内の穀物の集荷、貯蔵、運搬を担っています。95基のエレベーターを有して、21百万トンの貯蔵容量、18百万トン/年の穀物取り扱い能力、1日6万5千トンの乾燥能力を誇ります。6つの出荷港、穀物運搬船、貨物列車も保有しています。
COFCO油&油料種子(オイル&オイルシーズ)は、大豆油、菜種油、ピーナツオイル、パーム油の加工、貯蔵、流通、販売を行っています。最終製品も手掛け、Fourseas、Xiyhgying, Fortuneなどのブランドで販売を行っています。年間加工能力は20百万トンです。製油・食用油業界では、カーギルやADM等の4大穀物メジャー、ウィルマ―・インターナショナル、IOI等に次ぐ規模を保有しています。
COFCOグレインズ&シリアルズ(コフコ穀物)は、お米、小麦、麺、パン、麦芽等を取り扱っています。5百万トンの精米能力、FORTUNEブランドのお米、6百万トンの製粉能力、22万トンの製麺能力、3600トンの製パン能力、66万トンの発酵醸造能力が強みです。
COFCOバイオケミカルはスターチ、フルクトース(果糖)、エタノール、グルタミン酸、乳酸、クエン酸、糖アルコールなどを取り扱っています。トウモロコシの加工能力年間6百万トンです。
COFCO飼料は配合飼料や粗飼料を販売しています。飼料業界でも大手です。
COFCO製糖は年間1.5百万トンの製糖能力を持ちます。中国の砂糖輸入量のほぼ半分をCOFCO製糖が担っています。製糖分野では、ズットツッカー、テレオス、ミトポン、ウィルマ―に並ぶ大手です。
コフコは食糧分野に加え食品分野にも参入をしています。COFCOワイン&スピリッツは14のワイナリーを保有しており、Greatwall(長城)、Jiugui、Kong Yiji、Huangzhonghaung等のブランドで展開しています。フランスのボルドーのワイナリーであるシャトー・ヴィオーやチリのワイナリーであるビスケルト社を買収しました。
COFCOコカコーラはコカコーラのボトリング事業を行い、中国のほぼ全土をカバーしています。
乳製品分野では、コフコは蒙牛乳業(Mengniu Dairy)を擁しています。同じく中国のYili(伊利集団)と競っています。
そのほかにも、食品スーパー、中国茶製品、食品用容器製造、食品成分、不動産開発、金融サービスを提供しています。

主なM&A

2010年にチリのワイナリー、ビスケルト社の買収
2011年にフランスのシャトー・ヴィオーの買収
2013年にオランダの穀物商社ニデラの株式51%を1200億円超で買収
2013年にシンガポールの商品取引会社ノーブル・グループの農産物部門であるノーブル・アグリの株式51%を買収

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