M&Aの対象となる石油・ガス開発やサービス会社の分析 2021.03.25
今後M&Aや再編の対象となる石油ガス開発会社や石油サービス会社について一覧表(ロングリスト)を作成しています。石油ガス開発、探査サポート、産出量改善、サポート船、廃棄物処理といった分野で、投資ファンドが保有する会社の売却の動きが予想されます。 なお、本記事の作成日以降にM&Aによって下記会社が買収されている可能性もありますことを予めご了承下さい。
表の見方 対象会社の概略で掲載している情報は以下の通りです。もっと詳しい情報をご希望される場合は、お問い合わせのページからご連絡下さい。
対象会社 製品サービス 本社所在地 買収年 保有ファンド名
会社概略 石油ガス開発分野で今後M&Aが予想される会社 石油ガス田のDuvaやNova、海底ガスパイプラインのGassled&Polarledの権益を保有しています。 2019年に設立された石油ガス田の運営会社です。2020年にフランスのトタルから北海油田を買収しています。2021年にはエクソンモービルの北海中部と北部の油田を買収しています。 2018年にENI NorgeとPoint Resourcesが経営統合されて誕生した石油ガス開発会社です。ノルウェー大陸棚の石油ガス田を中心に開発とオペレーションを行なっています。 ノースウッズエナジー(アポログローバルマネジメント傘下の投資会社)は、2018年にSMエナジーからPower River流域の石油権益を約5億ドルで買収しました。 Chisholm Oil&Gasは2017年に設立された石油ガスの開発会社です。オクラホマのスタック鉱区(STACK play)での開発に力を入れています。 Double Eagle Energy Holdings IIIはテキサスのPermian(パーミアン)鉱区のフォーカスした石油ガス開発会社です。 Warrior Met Coalは米国に本拠を置く原料炭生産会社です。2016年にアポログローバルマネジメントが買収をしました。 SembCorp Industries(セムコープ)はオフショアの石油開発等を手掛ける会社です。テマセクが49%の株式を保有しています。 トレーディング Pavilion Energy(パビリオンエナジー)はLNGのトレーディングや輸送等を行う会社です。テマセクが100%保有しています。 石油サービス分野で今後M&Aが予想される会社 探査調査・コンサルティング Holland Servicesは、1985年に設立された米国に本拠をおく会社です。石油、ガス業界向けに適地の紹介、調査、取得&リース、管理を代行するサービスを提供しています。HIGキャピタルが2013年6月に買収をしました。 P2 Energy Solutions(P2エネルギーソリューション)は、石油およびガス産業の上流開発に特化したソフトウェア、地理空間データ、土地管理ツールの大手プロバイダーです。 探査から廃坑措置までカバーできるソリューションを提供しています。アドベントインターナショナルが2013 年に買収しました。 建設 Altus Intervention(アルタス・インターベンション)は、油田の生産量もしくは採掘可能な埋蔵量を増加させるための坑井改修サービスを提供しています。主に北海を中心に事業を展開しています。EQTが2014年にエンジニアリング大手であるAker Solutionsから買収しました。 海底掘削や坑井介入用のライザーや張力機器などの製造会社です。 2011年に設立され海底油田開発のための施設建設会社です。 採掘量管理 Resmanは、ノルウェーに本拠をおく油井向けの原油採掘量の管理システムを提供する会社です。ノルディックキャピタルが買収しました。 断熱パイプ 廃棄物処理 Cubility(キュービリティ)は、ノルウェーの会社で、掘削作業とそれに伴う廃棄物と固形物管理・処理会社です。 同社は、陸上および海上石油・ガス産業における掘削液の効果的かつ安全な処理のための独自の技術を石油ガスオペレーターや掘削会社に提供しています。Triton Partnersが買収しました。 設備施設オペレーター サポート船運営 DeepOcean(ディープオーシャン)は、オランダに本拠を置く深海開発向けのサポート船運航会社です。買収時点で18隻のサービス船を保有し、海上油田・洋上風力の開発会社に対して、大深度高機能無人探査機(Remotely operated vehicle、ROV)、溝堀機器(トレンチャー)、モジュール式ハンドリングシステム、ケーブルの敷設、浚渫(しゆんせつ)機、掘削機の設置やメンテナンスサービスを提供しています。Triton Partnersが買収しました。 リグ Macro Offshoreは、ノルウェーに本拠をおく洋上での石油ガス掘削機器であるジャックアップリグの運営会社です。ノルディックキャピタルが買収しました。 Diesekoは油圧式振動ハンマーや掘削リグを製造している石油サービス会社です。NPMキャピタルが買収しました。 2013年に設立された自走式のテンダーリグ製造会社です。 2011年に設立されたテンダーリグ製造会社です。 各種機器製造 RGL Reservoir Management(RGLリザーバーマネジメント)は、石油およびガス開発向けの砂防および蒸気分配製品メーカーです。 砂の制御と流量制御に関するソリューションに深い知見を有してています。 カナダのアルバータに本社を置き、北米、南米、英国、中東に製造施設を有しています。 アドベントインターナショナルが2014 年に買収しました。 Lufkin Industries(ラフキン・インダストリーズ)は、石油・天然ガス田向けにサーフェスポンプ設備、ダウンホール吸盤ロッドポンプといったロッドリフト製造会社です。KPSキャピタルパートナーズが2020年にBaker Hughesから買収しました。Schlumberger (シュルンベルジェ)から2020年にダウンホールポンプ、ビームポンプユニット、吸盤ロッドおよびガスリフト製品を手掛けるロッドリフト事業を追加買収しています。 2006年に設立されたオフショア油田開発施設に必要なリグ、ヘリポート、ワイヤなどの各種部品を製造しています。 AIPはインガソール・ランドの油田開発に使われる高圧ポンプ事業を2021年に買収しました。 エグジット済み Logstorは、デンマークに本拠を置く地域熱冷房供給のための石油・ガス輸送用の事前断熱パイプシステムメーカーです。 パイプシステムは、フレキシブルパイプ、リジッドパイプ、ジョイント、継手で構成されています。 同社が50年以上前に断熱パイプ技術を発明して以来、同社は200,000 km以上の断熱パイプを販売してきました。生産拠点は、デンマーク、ポーランド、フィンランド、スウェーデンに7か所あります。Triton Partnersが買収しました。2021年にアイルランドの建材大手であるKingspanが253億ユーロで買収しました。
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