コールセンター業界の世界市場シェアの分析

コールセンターやコンタクトセンターの運営会社の市場シェアや市場規模について分析を行なっています。コールセンター大手であるフランスのテレパフォーマンス社、米国のコンセントリック社、日本のトランスコスモス、スペインのアテント社等の動向や戦略についても記載しています。

【コールセンター業界とは】

企業からアウトソースされた顧客(カスタマー)とのコミュニケーションを請け負っています。コミュニケーションは、電話でのテレマーケティング以外にも、Eメール、SNS等も含みます。アウトソースされる内容は多岐にわたり、電話での営業、お客様相談センター、支払の請求、市場調査、面談の予約等があげられます。ブロードバンドといった通信環境が進展したことから、オフショアといわれる、自国以外へのアウトソースも進み、英語環境や人件費の安さからフィリピン、インドの会社がコールセンターを請け負うことも一般的です。コールセンターの運営のポイントとして、オペレーターの質を保つための教育投資、自動化等のIT投資、オペレーターの採用を通じて多くの雇用を生むため地域や国との良好な関係、が求められます。労働集約的な業界の側面を持つことから、比較的市場の集中度は低いです。各地域に参入するためにM&Aが盛んにおこなわれています。また自動化に向けたIT技術の取り込みのための買収も盛んです。

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【コールセンター業界の世界市場シェア】

コールセンター業界の2023年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2023年のコールセンター業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はテレパフォーマンス、2位はコンセントリック、3位はコンデュエントとなります。

コールセンター運営会社の市場シェアと業界ランキング(2023年)

順位 Company name
(English)
企業名(日本語) 市場シェア
1位 Teleperfomance テレパフォーマンス 32.38%
2位 Concentrix コンセントリック 26.04%
3位 Conduent コンデュエント 13.62%
4位 Trans Cosmos トランスコスモス 10.08%
5位 Alorica アロリカ 8.78%
6位 Bell System 24 Holdings ベルシステム24
ホールディングス
4.14%
7位 KTcs corp KTCS 2.97%
コールセンターの世界市場シェアと業界ランキング(2023年) ©2025 Deallab

コールセンター業界の市場シェア(2023年) ©2025 Deallab

地域ごとの言語に応じて、各市場の特性に適応したローカルプレイヤーがいます。アロリカとコンセントリックは米国、テレパフォーマンス社はフランスに、トランスコスモス、ベルシステム24ホールディングスは日本に本拠を置きます。

【コールセンター業界の世界市場規模】

当データベースでは、2023年のコールセンター業界の市場規模を273億ドルとしております。参照した各種調査データは次の通りとなります。

調査会社グローバルインフォメーションによると、2023年の同業界の市場規模は273億ドルです。2030年にかけて年平均8.24%で成長し、規模は476億ドルへと拡大することを見込んでいます。⇒参照したデータの詳細情報

市場規模 年平均成長率
2023年 273億ドル
2030年 476億ドル 8.24%

コールセンター業界の市場規模の成長予想 ©2025 Deallab

【M&Aの動向】

2020年 アテント、ベインキャピタルの株式を機関投資家が取得すると発表
2023年 ベルシステム24、データマーケティングのシンカー社を子会社化、両社でマーケティングBPO事業を推進
2023年 コンセントリクスがWebhelpと合併、成長に向けて有利な立場にある多角的なグローバルCXリーダーを創出
2024年 トランスコスモス、クボタの中国システム子会社を買収

【会社の概要】

Teleperfomance(テレパフォーマンス)

世界1位は、フランスのテレパフォーマンス社となります。1978年にダニエル・ジュリアン氏によってフランスに設立されて以降、ベルギーやイタリア、米国等に積極的に事業展開をしています。また盛んな買収でも有名で、2005年に米国のアンサーグループ、2008年のコロンビアのテラダスト等を買収しています。

CONCENTRIX CORPORATION(コンセントリック)

もと米国のコンバーシス社です。2018年にITディストリビューター大手のSYNNEXが買収し、コンセントリックとなりました。コンバーシスは、元々は地域通信会社のシンシナティ・ベルの子会社でしたが、1998年に分社化した会社です。

Alorica(アロリカ)

1999年にフィリピンで創業されたコールセンター大手です。2011年に米国のAdvanced Contact Centerを買収して、米国での事業基盤を確立しました。2016年にはEGS(Expert Global Solutions)を投資ファンドのOEPから買収しています。

Atento(アテント)

スペインに本拠を置くコールセンター大手です。元々はスペインの通信大手であるテレフォニカ傘下でしたが、2012年に投資ファンドのべインキャピタルが買収しました。現在はニューヨーク証券取引所に上場をしています。

べインキャピタルは、アテント以外にも、ベルディステム24やジェンパクト(Genpact)の一部をゼネラル・エレクトリックから買収する等、コールセンターでの買収に積極的です。

transcosmos inc.(トランスコスモス株式会社)

1966年に丸栄計算センターとして設立された日本に本拠を置く独立系のコールセンター運営会社です。コールセンターを基軸にBPO、マーケティング戦略などの分野も積極的に展開をしています。ベンチャー投資等も行っています。投資ファンドを経て伊藤忠傘下となったベルシステム24、三井物産傘下のりらいあコミュニケーションズと競業しています。

CONDUENT INCORPORATED(コンデュエント)

2017年に米国のゼロックスからスピンオフして誕生したコールセンターオペレーターです。

KTCS 

2001年に設立された韓国に本拠を置くコールセンターです。韓国では最大手です。

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