Corning(コーニング)は、米国に本拠を置く液晶用ガラス、光ファイバー大手です。1851年にエイモリー・ホートン氏によってユニオングラスカンパニーとして創業されました。液晶用ガラス分野ではサムスンとの合弁会社(サムスン・コーニング・プレシジョン・マテリアルズ)を展開しています。
ガラス事業(パソコンや液晶テレビ向けに液晶用ガラス基板)、光ファイバーや光ケーブル等の通信事業、自動車や半導体向けの光学製品、ダウケミカルとの接着剤分野での合弁事業、創薬向けのマイクロプレートや細胞培養基質等のライフサイエンス分野で事業を展開しています。
2018年度
売上高は11,290百万ドルで、前年度比12%増となりました。営業利益は1,575百万ドルになりました。営業利益率は14%になりました。
2019年度
売上高は11,503百万ドルで、前年度比2%増となりました。営業利益は1,306百万ドルになりました。営業利益率は11%になりました。
2020年度
売上高は11,303百万ドルで、前年度比2%減となりました。特殊材料事業セグメント以外の全てのセグメントで売上が減少しました。営業利益は509百万ドルになりました。営業利益率は5%で、前年度の11%を下回りました。これは売上原価が5ポイント上昇したことが主な要因です。ディスプレイ技術セグメントと光通信セグメントで原価上昇が全体に影響しました。
2021年度
売上高は14,082百万ドルで、前年度比25%増となりました。全てのセグメントで前年度比で売上増となりました。特に、ディスプレイ技術セグメントでは販売量と販売価格の上昇により前年度比17%の売上増、光通信セグメントでは5G市場の成長により前年度比22%の売上増となったことが、全体の売上増加の主な要因です。営業利益は2,112百万ドルになりました。営業利益率は15%になりました。
2022年度
売上高は14,189百万ドルで、前年度比1%増となりました。営業利益は1,438百万ドルになりました。営業利益率は10%で、前年度の15%を下回りました。これは売上原価が前年度比で4ポイント上昇したことが主な要因です。
2022年第2四半期(04ー06月)
売上高は3615百万ドルになりました。営業利益は490百万ドル、営業利益率は14%になりました。
2022年第3四半期(07ー09月)
売上高は3488百万ドルになりました。営業利益は292百万ドル、営業利益率は8%になりました。
2022年第4四半期(10ー12月)
売上高は3406百万ドルになりました。営業利益は86百万ドル、営業利益率は3%になりました。
2023年第1四半期(01ー03月)
売上高は3178百万ドルになりました。営業利益は297百万ドル、営業利益率は9%になりました。
2023年第2四半期(04ー06月)
売上高は3243百万ドルになりました。営業利益は279百万ドル、営業利益率は9%になりました。
希薄化後EPSは前年度比20%増の1.54ドルになりました。1株当たりの配当は前年度比13%増の1.08ドルになりました。配当性向は70%になりました。
セグメントは、光通信、ディスプレイ技術、特殊素材、環境技術、ライフサイエンスに分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。
光通信
同分野における主要競合会社はCommScope(コムスコープ)やPrysmian Group(プリズミアングループ)です。
ディスプレイ技術
同社が認識している主要競合会社はAGC(旭硝子)、日本電気硝子株式会社です。
特殊素材
ガラス、ガラスセラミックス、水晶などの素材製品、精密測定機器やソフトウエアを製造しています。ゴリラガラスとして知られる高耐久性ガラスも含まれます。主要競合会社にはSchott,、AGC、日本電気硝子及びHeraeusです。
環境技術
排ガス制御用セラミック基材とフィルター製品を製造しています。主要競合会社は日本ガイシ(NGK Insulators)及びイビデン(Ibiden)です。
ライフサイエンス
プラスチック容器、液体処理用プラスチック、特殊表面処理、細胞培養液、血清などの消耗品や、一般的な実験器具・装置を開発しています。創薬研究開発、化合物スクリーニング、毒性試験、高度な細胞培養研究、ゲノム応用、臨床試験などの用途で使用されています。主な競合会社は、Thermo Fisher Scientific, Inc、Greiner AG、Eppendorf AG、Sarstedt AGおよびDanaher Corporationなどが挙げられます。
ガラス事業においては、液晶ガラス分野で世界シェア首位級です。特にコーニング・ゴリラのブランドは耐久性の高い液晶ガラスとして定評があります。サムスンとの合弁会社は子会社化しております。光ファイバー業界では、光ファイバー自体を開発した歴史もあり、世界シェアでは上位に位置します。
バンガード、サムスン電子、ウェリントンマネジメントが大株主です。創業家のホートン一族の比率は低下しております。