送電事業会社(TSO、トランスミッションシステムオペレター)が属する業界の市場シェアと市場規模を分析しています。主要な送電事業会社には中国国家電網、ナショナルグリッド、テネット、SPグループ、テルナ、エリアが含まれます。
【市場シェア】
送電事業会社(TSO)各社の2020年度の売上高を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2020年の送配電事業の市場シェアを簡易に試算しますと、1位は中国国家電網となります。
送電事業会社(TSO) の世界市場シェア(2020年)
順位 | 会社名(英語) | 会社名(日本語) | 市場シェア(2020年) |
---|---|---|---|
1位 | State Grid | 中国国家電網 | 19.00% |
2位 | National Grid | ナショナルグリッド | 0.99% |
3位 | TenneT | テネット | 0.29% |
4位 | Terna | テルナ | 0.143% |
5位 | Elia Group | エリアグループ | 0.141% |
6位 | Eletrobras | エレトロブラス | 0.10% |
7位 | SPGroup | SPグループ | 0.07% |
1位の中国国家電網が他社を圧倒する規模です。フィリピン、オーストラリア、ブラジル、ロシア、イタリア、ポルトガルの送電会社へ出資しています。2位はイギリスのナショナルグリッドです。
【市場規模】
当データベースでは、各調査会社等の公表データを参考にし、送電事業(TSO)業界の2020年の世界市場規模を2.1兆ドルとして市場シェアを計算しております。参照にしたデータは以下の通りです。
調査会社のザビジネスリサーチカンパニーによると、2020年の送配電事業の市場規模は2兆1383億ドルとなります。2021年には2兆2835億ドルへ拡大し、その後2025年にかけて7%で成長することを見込みます。⇒参照したデータの詳細情報
日本も含め多くの国で発電、送電、配電を電力会社が担っております。送配電の分離については各国のエネルギー政策とも密接に関連していることが特徴とも言えます。
送電事業の概略図
より詳しく業界を知るためのお薦め書籍と関連サイト
送電線・配電線をめぐる諸問題の経緯と展望
図解・系統連系
電力とガス業界の世界市場シェアの分析
M&Aや再編対象となる電池メーカーや電力会社の分析
【会社の概要】
State Grid(中国国家電網)
中国の国営送電事業会社です。海外展開にも積極的で、フィリピン、オーストラリア、ブラジル、ロシア、イタリア、ポルトガルの送電会社へ出資を行っています。
National Grid(ナショナルグリッド)
英国の送配電及びガス輸送供給会社です。北米でも送電事業を行っています。
TenneT(テネット)
オランダに本拠を置く国営の送電事業者です。ドイツの送電事業も展開しています。
Terna(テルナ)
イタリアに本拠を置く国営の送電事業者です。1999年にエネルの送電資産を承継する形で誕生しました。南米の送電資産を買収し、海外での成長を目指しています。
Eletrobras(エレトロブラス)
ブラジルに本拠を置く国営の送電事業会社です。ブラジルでは送電分野の自由化が進み、多くの事業者が参入していますが、エレトロブラスが最大手です。同社は発電事業も手掛けています。
SPグループ
シンガポールの国営の送配電・ガス会社です。テマセクが株式を保有しています。
Elia(エリア)
2001年に設立されたベルギーに本拠を置く送電事業会社です。2010年にドイツの送電事業会社である50Herzトランスミッションを買収し、ドイツの送電事業へ参入しました。
なお、日本や北米の送電事業は電力会社が保有しており、独立した運営会社となっておりません。
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