ヤンマーは、1912年(明治45年)に山岡発動機工作所として創業。当初は工場用ガスエンジンの転売・改造を取り扱うブローカーでしたが、第一次世界大戦後、1920年からは農業用に適する石油発動機の自社製造に着手し、メーカーとしての道を本格的に歩み始めます。そして1921年にヤンマーの商標が誕生。その後1952年に社名を「ヤンマーディーゼル株式会社」変更。さらに2002年には、事業持ち株会社として新たなスタートを切り「ヤンマー株式会社」に社名を変更し、2012年に創業100周年を迎えました。ヤンマーが開発し製造したディーゼルエンジンは、信頼性および耐久性が非常に高い事で知られており、創業当初から「ものづくり精神」という概念を21世紀の今日まで頑なに守り続けています。
2019年度
売上高は前年度とほぼ同額の795,494百万円になりました。営業利益は前年度比69%増の13,712百万円になりました。営業利益率は2%となりました。【産業用機械事業】農業機械の国内市場においては、消費増税前に需要が増加したもののその後落ち込み、結果として前年並みで需 要が推移しました。海外市場においては、稲作市場の低迷により中国・東南アジアの需要が低下しました。結果と して、売上高は前期を下回りました。 建設機械の国内市場においては、台風被害により主要部品供給が停止した影響で、競合各社含め販売台数が低下 し、需要が低迷しました。また海外市場において北米、欧州、中国で需要が堅調に推移したものの、中国でのシェ アを落としました。結果として、売上高は前期を下回りました。 ガスヒートポンプ及び発電機の国内市場においては、学校空調に対する補助金採択の影響を受けてガスヒートポ ンプの需要が大きく増加しました。また非常用発電機においても防災意識の高まりにより需要が増加しました。ま た海外市場においては、トルコでの事業展開に成功しました。結果として、売上高は前期を上回りました。【内燃機関事業】小形産業用エンジンにおいては、北米、欧州、中国で需要が堅調に推移し、売上高は前期を上回りました。舶用エンジンにおいては、世界的に低迷期にあるもののアジア地域の新造船建造量がやや回復基調にあり、売上 高は前期を上回りました。 トランスミッション、ギア、工作機械を中心としたコンポーネントにおいては、北米の需要低迷の影響を受けて、売上高は前期を下回りました。
2020年度
売上高は前年度比2%減の782,368百万円になりました。営業利益は前年度比58%増の21,644百万円になりました。営業利益率は3%となりました。【産業用機械事業】農業機械の国内市場においては、補助金の発出に支えられたものの、農家戸数が引き続き減少傾向にあり、需要 は前期を下回りました。海外市場においては、中国や東南アジアで政府補助金が発出されたほか、北米では巣ごも り消費により小型トラクタ需要が拡大し、市場は堅調に推移しました。結果として、売上高は前期を上回りまし た。 建設機械の国内市場においては、需要が比較的堅調に推移する中で、シェアは前期をやや下回りました。また海 外市場においては、上半期に冷え込んだ需要が下半期に入り急速に回復したものの、供給量が追い付かず、北米や 中国でシェアを落としました。一方で、前期に買収したASV社が寄与し、結果として、売上高は前期を上回りまし た。 ガスヒートポンプ及び発電機の国内市場においては、前期の補助金採択による特需の反動と新型コロナウイルス 感染拡大による営業活動の制限を受け、ガスヒートポンプの需要は大きく減少しました。一方で非常用発電機においては、引き続き防災意識の高まり等により需要は高止まりとなりました。また、海外市場においては、需要は前 期を下回りました。結果として、売上高は前期を下回りました。 【内燃機関事業】 小形産業用エンジンにおいては、北米の多用途作業車両市場や中国の建機市場が、特に下半期堅調に推移しまし たが、その他市場での回復が遅れ、全体では売上高は前期を下回りました。 舶用エンジンにおいては、製品売上台数の落ち込みにより、売上高は前期を下回りました。 トランスミッション、ギア、工作機械を中心としたコンポーネントにおいては、国内及び北米市場での需要は回 復傾向にはありますが、売上高は前期を下回りました。
2021年度
売上高は前年度比11%増の871,453百万円になりました。営業利益は前年度比67%増の36,217百万円になりました。営業利益率は4%となりました。【産業用機械事業】農業機械の国内市場においては、コロナ禍で落ち込んだ前年度からトラクターを中心に需要が持ち直しました。 海外市場においては、中国での農機購入時の補助金の継続や南米での市場開拓が進んだことがあり、売上高は過去 最高となりました。 建設機械の国内市場においては、比較的新型コロナウイルス感染拡大による影響の薄かった前年度に比較して需 要は微減しました。一方で海外市場においては、欧米を中心に前年度後半以来の需要の回復が続く状況下で需要に 供給が追い付かずシェアを落としましたが、売上高としては円安の影響もあり前年度実績を大きく上回りました。 結果として国内海外合計で前年度実績を上回りました。 ガスヒートポンプ及び発電機の国内市場においては、新型コロナウイルス感染拡大に端を発する部品供給困難に よりガスヒートポンプの供給が減少しました。一方で非常用発電機においては、引き続き防災意識の高まり等によ り需要は高止まりとなりました。また、海外市場においては、欧米の堅調な需要により売上高が伸長しました。結 果として、売上高は過去最高だった前年度を上回り、過去最高となりました。【内燃機関事業】 小形産業用エンジンにおいては、中国市場の建設市場の冷え込みにより建設機械向けの需要が急減速したものの 北米の多用途作業車両市場等が堅調であり、売上高が前年度を上回りました。 舶用エンジンにおいては、コロナ禍からの回復で物流が活発化している影響で製品売上台数が伸び、売上高は前 年度を上回りました。 トランスミッション、ギア、工作機械を中心としたコンポーネントにおいては、国内及び北米市場での需要が回復し、円安の影響もあり売上高は前年度を上回りました。
2022年度
売上高は前年度比17%増の1,022,283百万円になりました。営業利益は前年度比33%増の48,110百万円になりました。営業利益率は5%となりました。【産業用機械事業】農業機械の国内市場においては、底堅い需要を取り込み前年と同水準の売上を確保しました。海外市場について は、中国、韓国、トルコ、ブラジル等の東アジア及び新興国市場の市場開拓が進んだことにより、売上高は前年度 を大きく上回ることができました。 建設機械の国内市場においては、前年と同水準の売上を確保しました。海外市場においては、北米・欧州市場の 前年度より続く旺盛な需要と、円安の影響もあり大幅な増収を達成することができました。 ガスヒートポンプについては、半導体部品不足の影響もあり、前年とほぼ横ばいとなりましたが、発電機は国内 市場では大容量発電機の販売量が増加し、海外市場も世界的なエネルギー需要の高まりから、売上高は前年度を大 きく上回ることができました。 【内燃機関事業】小形産業用エンジンについては、生産用部材の調達遅れが影響し、国内外の旺盛な受注に応えることができませ んでした。また、歯止めのかからない資材高騰の影響により、収益面でも厳しい一年となりました。 舶用エンジンについては、好調な海運市場を背景とする旺盛な建造需要と、メンテナンス需要を取り込み、前年 に比べて増収を達成することができました。 トランスミッション、ギア、工作機械を中心としたコンポーネントについては、国内・海外とも販売が好調に推移し、円安の影響もあり前年度に比べて増収を達成することができました。
2023年度
売上高は前年度比6%増の1,081,433百万円になりました。営業利益は前年度比28%増の61,342百万円になりました。営業利益率は6%となりました。【産業用機械事業】農業機械の国内市場においては、資材価格の高騰による需要の減退が影響し、売上高は前年度と比べ減収となり ました。一方、海外市場は、トルコ、ブラジルなど新興国市場において、前年度に比べ増収となりました。 建設機械の国内市場の底堅い需要に加え、海外市場において、特にブラジル、オセアニア地域を中心に売上高が 好調に推移し、全体として前年度を上回りました。 ガスヒートポンプについては、底堅い需要に支えられ、前年並みとなりました。発電機は海外市場の旺盛なエネ ルギー需要を取り込み、売上高は全体として前年度と比べ増収となりました。【内燃機関事業】小形産業用エンジンについては、堅調な需要を背景に売上高は前年度を上回りました。 舶用エンジンについては、底堅い海運市場を背景とした建造需要を取り込み、売上高は前年度を上回る結果とな りました。 トランスミッション、ギア、工作機械を中心としたコンポーネントについては、北米市場における需要減退の影 響があり、売上高は前年度に比べ減収となりました。
ヤンマーホールディングスの業績推移
2021年下半期(10ー3月)
売上高は前年同期比7%増の452,719百万円になりました。営業利益は16,636百万円、営業利益率は4%となりました。
2022年上半期(4ー9月)
売上高は前年同期比16%増の483,827百万円になりました。営業利益は23,761百万円、営業利益率は5%となりました。【産業用機械事業】 農業機械の国内市場においては、底堅い需要に支えられ前年と同水準の売上を確保しました。海外市場について は、中国、韓国、トルコ、ブラジルで増収となりました。 建設機械の国内市場においては、前年と同水準の売上を確保しました。海外市場においては、北米・欧州が好調 に推移し、増収となりました。 ガスヒートポンプ並びに発電機の国内市場においては、前年同水準の売上規模を確保しました。海外市場については、北米・欧州における可搬式発電機販売が好調に推移し、売上高が伸長しました。【内燃機関事業】小形産業用エンジン事業については、国内外の旺盛な需要がありましたが、生産用部材の調達遅れが影響し、売上高は微増にとどまりました。 舶用エンジン事業については、好調な海運市場を背景に建造需要が高く、売上高が前年を上回りました。 コンポーネント事業については、北米を中心に売上高が好調に推移しました。
2022年下半期(10ー3月)
売上高は前年同期比19%増の538,456百万円になりました。営業利益は24,349百万円、営業利益率は5%となりました。
2023年上半期(4ー9月)
売上高は前年同期比9%増の528,882百万円になりました。営業利益は31,955百万円、営業利益率は6%となりました。【産業用機械事業】農業機械の国内市場においては、底堅い需要に支えられ、売上高は前年と同水準を確保しました。海外市場につ いては、トルコ、ブラジル等の新興国市場における需要の開拓により、売上高は前年度を上回ることができまし た。 建設機械の国内市場においては、前年と同水準の売上を確保しました。海外市場においては、北米・欧州市場の 旺盛な需要もあり、増収を達成することができました。 ガスヒートポンプならびに発電機については、国内は前年とくらべ堅調に推移しました。海外市場では、エネル ギー需要の高まりにより発電機販売が好調に推移しました。【内燃機関事業】小形産業用エンジンにおいては、売上高は前年とほぼ横ばいの水準となりました。 舶用エンジンについては、堅調な海運市場を背景とした建造需要と、メンテナンス需要を取り込み、前年に比べ て増収となりました。 トランスミッション、ギア、工作機械を中心としたコンポーネントについては、北米における需要の減退を受け減収となりました。
2023年下半期(10ー3月)
売上高は前年同期比3%増の552,551百万円になりました。営業利益は29,387百万円、営業利益率は5%となりました。
ヤンマーホールディングスの四半期業績推移
希薄化後EPSは前年度比1625%増の35167.18円になりました。1株当たりの配当は3947.37円になりました。配当性向は11%になりました。
ヤンマーホールディングスのEPS・1株配当・配当性向の推移
2024年6月
2024年度第四四半期の決算短信において、2025年度通期の売上は1,050,000百万円、営業利益は44,000百万円を予定していると掲載されています。
セグメントは、産業用機械、内燃機関に分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。
ヤンマーホールディングスの売上構成(2023年度)
産業用機械
農業機械、建設機械、ガスヒートポンプ並びに常用・非常用発電機により構成されております。
内燃機関
産業用エンジン、舶用エンジン、コンポーネントにより構成されております。
2016年 Terex Corporationが保有していた欧州における中小型建設機械事業会社Terex Compact Germany、および関連する一部事業の買収を完了
2019年 米国建機メーカー「ASV」社の買収を完了
2024年 チェコのコージェネレーションメーカーTEDOM社の買収が完了
2025年 農業機械メーカーCLAAS India Private Limitedの買収を完了