フランスに本拠を置く半導体材料メーカーで、特にSOI(Silicon on Insulator)技術を中心としたシリコン基板の開発と製造に特化しています。1992年にSOI ウェーハを工業規模で製造するために設立されました。1999年にSOI製品の商業化に成功を収め、2010年には太陽光発電市場へ参入。2015年からは、コアビジネスであるエレクトロニクスを中心に活動を再フォーカスする戦略計画を策定し、成長を続けています。
2019年度
売上高は前年度比35%増の598百万ユーロになりました。営業利益は前年度比10%増の120百万ユーロになりました。営業利益率は20%となりました。売上高は、無線周波数アプリケーションの堅調な成長に支えられ過去最高を記録しました。
2020年度
売上高は前年度比2%減の584百万ユーロになりました。営業利益は前年度比25%減の90百万ユーロになりました。営業利益率は15%となりました。売上の減少は主に、為替変動の影響によるものです。為替レートを一定にした場合、売上は0.9%の成長となります。
2021年度
売上高は前年度比48%増の863百万ユーロになりました。営業利益は前年度比128%増の205百万ユーロになりました。営業利益率は24%となりました。150/200 mm ウェーハの売上高は24%増加しました。これは、設備容量増加に伴う生産の順調な立ち上げにより可能となった、スマートフォン RF フィルター用の 150 mm POI (Piezoelectric-on-Insulator) ウェーハの売上高の大幅な増加と、2021年度からの自動車業界の回復を反映した Power-SOI の売上高の増加によるものです。300 mm ウェーハの売上高は77%増加しました。これは、5G スマートフォンの導入により、スマートフォン 1 台あたりの RF-SOI コンテンツの増加が求められたためです。
2022年度
売上高は前年度比26%増の1,089百万ユーロになりました。営業利益は前年度比31%増の268百万ユーロになりました。営業利益率は25%となりました。全てのセグメントで増収となりました。特にモバイルコミュニケーションズセグメントが売上増加に貢献しました。世界的なスマートフォン市場の減速が見られましたが、RF-SOI(スマートフォンや通信機器の無線通信部分に利用されるシリコン基板)の売上が好調でした。
2023年度
売上高は前年度比10%減の978百万ユーロになりました。営業利益は前年度比24%減の205百万ユーロになりました。営業利益率は21%となりました。売上の減少は、販売量の減少と製品ミックスの失敗によるものです。特に、モバイルコミュニケーションズにおけるRF-SOI(スマートフォンや通信機器の無線通信部分に利用されるシリコン基板)の販売量が減少したことが大きく影響しました。
ソイテックの業績推移
2021年下半期(10ー3月)
売上高は前年同期比49%増の490百万ユーロになりました。営業利益は130百万ユーロ、営業利益率は26%となりました。
2022年上半期(4ー9月)
売上高は前年同期比26%増の471百万ユーロになりました。営業利益は110百万ユーロ、営業利益率は23%となりました。売上の増加は主に、モバイルコミュニケーションズセグメントの成長によるものです。5GスマートフォンとWiFi6の継続的な強い需要、および5Gインフラストラクチャの展開によって支えられています。
2022年下半期(10ー3月)
売上高は前年同期比26%増の618百万ユーロになりました。営業利益は158百万ユーロ、営業利益率は26%となりました。
2023年上半期(4ー9月)
売上高は前年同期比15%減の401百万ユーロになりました。営業利益は85百万ユーロ、営業利益率は21%となりました。売上の減少は、販売量の減少によるものです。
2023年下半期(10ー3月)
売上高は前年同期比7%減の577百万ユーロになりました。営業利益は120百万ユーロ、営業利益率は21%となりました。
ソイテックの四半期業績推移
希薄化後EPSは前年度比24%減の4.88ユーロになりました。配当情報はフィナンシャルレポートに記載がありません。
ソイテックのEPS・1株配当・配当性向の推移
2024年7月
2024年度第一四半期のファイナンシャルリリースにて、2024年度通期の売上高は2023年度とあまり変化はなく、EBITDA率は35%になることを予定していると掲載されています。
セグメントは、モバイルコミュニケーションズ、自動車&産業、スマートデバイスに分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。
ソイテックの売上構成(2023年度)
モバイルコミュニケーションズ
スマートフォン、WiFiなどのワイヤレスネットワーク、衛星通信システムなど、様々なコミュニケーションに使用される基盤を開発・製造しています。
自動車&産業
電気自動車や自動運転車のエネルギー効率とパフォーマンスを向上させる基盤の開発・製造に重点を置いています。
スマートディバイス
モノのインターネット (IoT)、クラウド、エッジコンピューティングに使用される基盤を開発・製造しています。
2014年
子会社の Soitec Specialty Electronics のガリウムヒ素(GaAs)エピタキシー事業を、エレクトロニクスおよびオプトエレクトロニクス業界にインジウムリン(InP)、ガリウムヒ素(GaAs)、ガリウムアンチモン(GaSb)エピタキシャル ウェーハを提供する Intelligent Epitaxy Technology に売却
2019年
シリコン (Si) 上の窒化ガリウム (GaN) およびシリコン カーバイド (SiC) 上の GaN 材料の開発と製造を専門とするEpiGaNの買収を合意
2021年
ウェーハ加工、再生、研磨サービスを専門とするNOVASiCを買収