PPGの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

PPG Industries(PPGインダストリーズ)は1883年に設立された米国に本拠を置く塗料メーカーです。ガラス製造会社が発祥です。現在は航空機、船舶や自動車用の塗料事業が主軸となっています。シャーウィン・ウイリアムズと米国首位の座を競っています。

業績推移(年次)

2019年度
売上高は前年度比1.48%減の151億4600万ドルになりました。営業利益は4.51%増の19億4600万ドルになりました。営業利益率は12.85%になりました。売上高は若干減少しましたが、営業利益と営業利益率は改善しました。

2020年度
売上高は前年度比8.66%減の138億3400万ドルになりました。営業利益は8.53%減の17億8000万ドルになりました。営業利益率は12.87%になりました。新型コロナウイルスの世界的流行の影響を受け、売上高と営業利益が減少しましたが、営業利益率は前年度とほぼ同水準を維持しました。

2021年度
売上高は前年度比21.45%増の168億200万ドルになりました。営業利益は2.47%減の17億3600万ドルになりました。営業利益率は10.33%になりました。売上高は大幅に増加しましたが、営業利益と営業利益率は若干低下しました。

2022年度
売上高は前年度比5.06%増の176億5200万ドルになりました。営業利益は1.38%減の17億1200万ドルになりました。営業利益率は9.70%になりました。売上高は堅調に推移したものの、営業利益と営業利益率は若干低下しました。

2023年度
売上高は前年度比3.37%増の182億4600万ドルになりました。営業利益は33.64%増の22億8800万ドルになりました。営業利益率は12.54%になりました。売上高の伸びは鈍化したものの、コスト管理の効果により、営業利益と営業利益率は大幅に改善しました。

PPGインダストリーズの業績推移

PPGインダストリーズの業績推移

業績推移(四半期)

2022年第4四半期(10-12月)
売上高は前年同期比0.12%減の41億8500万ドルになりました。営業利益は3億6600万ドル、営業利益率は8.75%になりました。売上高は前年同期とほぼ同水準でしたが、営業利益は46.99%増加しました。

2023年第1四半期(1-3月)
売上高は前年同期比1.67%増の43億8000万ドルになりました。営業利益は5億5500万ドル、営業利益率は12.67%になりました。売上高、営業利益ともに前年同期比で増加し、営業利益は47.61%の大幅な増加となりました。

2023年第2四半期(4-6月)
売上高は前年同期比3.86%増の48億7200万ドルになりました。営業利益は6億9400万ドル、営業利益率は14.24%になりました。売上高、営業利益ともに前年同期比で増加し、営業利益は39.08%の大幅な増加となりました。

2023年第3四半期(7-9月)
売上高は前年同期比3.94%増の46億4400万ドルになりました。営業利益は5億9500万ドル、営業利益率は12.81%になりました。売上高、営業利益ともに前年同期比で増加し、営業利益は26.33%の増加となりました。

2023年第4四半期(10-12月)
売上高は前年同期比3.94%増の43億5000万ドルになりました。営業利益は4億4400万ドル、営業利益率は10.21%になりました。売上高、営業利益ともに前年同期比で増加し、営業利益は21.31%の増加となりました。

PPGインダストリーズの四半期業績推移

PPGインダストリーズの四半期業績推移

EPS・配当額・配当性向の推移

希薄化後EPSは前年度比23.56%増の5.35ドルになりました。1株当たりの配当は前年度比4.96%増の2.54ドルになりました。配当性向は47.48%になりました。

PPGインダストリーズのEPS・配当額・配当性向の推移

PPGインダストリーズのEPS・配当額・配当性向の推移

業績予想

PPGは2024年第1四半期の1株当たり調整後利益が1.80ドル~1.87ドル、2024年通期が8.34ドル~8.59ドルになると予想しています。

2024年第1四半期の実効税率は24.0%~25.0%の間になると見込まれており、これは地域の税率上昇や予想される国別収益構成の影響を含め、前年より高くなると予想されています。

同社は、工業生産の低迷、欧州での需要安定化、メキシコでの継続的な成長、中国での需要改善など、現在の世界経済活動に基づいてこれらの予測を報告しています。

事業構成

航空機、船舶や自動車向けの機能性塗料とPPG、COMEXやSIGMAブランドで展開する建築用塗料の事業に分かれます。

PPGインダストリーズの売上構成

PPGインダストリーズ売上構成

PPGは、機能性塗料部門と工業用塗料部門の2つのセグメントに分けられます。

機能性塗料部門の売上高は111億6400万ドルで、全体の売上高の61.19%を占めています。この部門は、自動車補修用塗料、航空宇宙用塗料、建築用塗料、防食塗料、マリン塗料などを提供しており、PPGの売上高の大部分を生み出しています。

工業用塗料部門の売上高は70億8200万ドルで、全体の売上高の38.81%を占めています。この部門は、自動車メーカーや工業用途向けの塗料、コーティング剤、特殊材料などを手掛けています。

機能性塗料部門が売上高の約6割を占めていることから、PPGの業績は主に建築、自動車補修、航空宇宙、海洋などの市場動向に影響を受けていると言えます。一方、工業用塗料部門は自動車メーカーや工業製品メーカーの業績に連動する傾向があります。

M&A情報

PPGは積極的なM&Aを通じて、事業ポートフォリオの最適化と成長市場への参入を進めています。


2007年 タイのSigmaKalonグループを買収。
2013年 クロールアルカリ事業を20億ドルでジョージア・ガルフに売却。
2014年 板ガラス事業の一部をFuyao Glassへ売却。
2016年 板ガラス及び板ガラス塗料事業をVitroへ売却。
2018年 Hemmelrath社 (自動車用塗料メーカー) を買収。
2019年 Whitford Worldwide社 (工業用コーティングメーカー) を買収。
2021年 Tikkurila Oyj社 (建築用塗料メーカー) とWörwag Paint & Coatings GmbH (自動車用塗料メーカー) を買収。
2022年 VersaFlex Holdings LLC (床用コーティングと発泡剤メーカー) を買収。

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