1918年に創業した尚工舎時計研究所を前身とし、1924年に「CITIZEN」の名を冠した懐中時計を販売開始しました。社内で使用する精密機械の製作を始めたことがきっかけとなり、1937年に工作機械の販売を開始しました。クオーツ時計など時代に先駆けた製品を開発して国内はもとより世界に向けて確かな商品を提供し続け、1986年には、シチズンの腕時計生産量が世界トップになりました。グループを強化するために2013年、製造グループ5社とシチズン時計製造関連部門が統合。2015年にはデバイス事業2社を合併。また、本社機能強化のために時計会社、ホールディングス、ビジネスエキスパートの三社が統合して、シチズン時計(株)と称号を変更し新経営体制がスタートしました。
2019年度
売上高は前年度比13%減の278,531百万円になりました。営業利益は前年度比73%減の6,136百万円になりました。営業利益率は2%となりました。ウオッチ販売のうち、“CITIZEN”ブランドの国内市場は、上期は「The CITIZEN」等の高価格帯製品や 「PROMASTER」等の中価格帯製品が好調に推移したものの、消費税増税後の消費マインドの冷え込みからクリスマス商戦での売上は伸び悩み、また、新型コロナウイルスの感染拡大による急激な落ち込みもあり、減収となりまし た。 海外市場のうち、北米市場は、宝飾チェーンを中心とした実店舗閉鎖による影響に加え、新型コロナウイルスの 感染拡大に伴う経済活動の縮小が響き大幅な減収となったほか、比較的底堅さを保っていた欧州市場も同様に急激な減速に見舞われました。アジア市場も中国を中心に大規模な経済停滞の影響が大きく、減収となりました。ムーブメント販売は、依然として市場の回復に力強さを欠く厳しい環境が続く中、高付加価値商品の需要が伸び悩み、減収となりました。工作機械セグメントにおいては、国内市場は回復の兆しが見えていた半導体関連が勢いを失ったほか、自動車関連も停滞感が強まり、減収となりました。 海外市場においても、景気の減速傾向に加え大規模な経済活動の停滞が響き、中国市場で医療関連やIT関連 に動きが見られたものの、その他のアジア市場、米州市場、欧州市場と軒並み低調な推移となり、減収となりま した。
2020年度
売上高は前年度比26%減の206,641百万円になりました。営業利益は9,551百万円の赤字になりました。ウオッチ販売のうち、“CITIZEN”ブランドの国内市場は、直販ECサイトを立ち上げたほか、チタニウム技術 50周年限定モデル「コズミックブルーコレクション」などのブランド横断企画商品や新商品が売上を伸ばしまし たが、インバウンド需要の激減や移動自粛に伴う消費意欲の減退を受け、大幅な落ち込みとなりました。 海外市場のうち、欧州市場は長引くロックダウンの影響を受けながらも比較的堅調に推移しました。北米市場 は商戦期においてオンライン流通等で回復の兆しが見えたものの、移動や営業活動の制限等により実店舗を中心に低迷を余儀なくされるなど低調に推移し、減収となりました。アジア市場は、中国が順調に回復の動きを強め る一方で、アジア市場全体では弱含みが続いており、減収となりました。ムーブメント販売は、機械式ムーブメントが中国市場を中心に堅調さを保ち、下期にはアナログクオーツムーブメントが持ち直しをみせたものの、世界的な消費の落ち込みを受け減収となりました。工作機械セグメントにおいては、国内市場は自動車関連等の受注は底打ち感が見られたものの、上期の設備投資需要が低調に推移したことから、減収となりました。海外市場は、中国市場でIT関連等が引き続き好調に推移したほか、欧州では自動車関連が大幅に受注を伸ばしており、また、米州市場においても医療関連を中心に受注は上向いているものの、前期を上回るには至らず、減収となりました。
2021年度
売上高は前年度比36%増の281,417百万円になりました。営業利益は22,273百万円になりました。営業利益率は8%となりました。ウオッチ販売のうち、“CITIZEN”ブランドの国内市場は、最上位ブランドである「The CITIZEN」のメカニカル モデルや機械式時計ブランド「CITIZEN Series 8」などの新製品を投入し高い評価を得ることができました。しかし、度重なる感染拡大防止対策等により消費の回復は弱いものとなり、売上は小幅な回復に留まりました。 海外市場のうち北米市場は物流の混乱や急激なインフレなどのマイナス要因を抱える中、個人消費の回復が堅調に進み、ジュエリーチェーンや百貨店などの実店舗販売に加えEC販売も好調に推移しました。また、欧州市場においても足元の回復ペースは弱含みながらも、経済活動の再開に向けた動きを背景に安定的に推移しました。アジア市場は、中国市場が前年比増収を確保したものの、景況感の悪化を受け回復ペースは徐々に鈍化傾向をたどりました。また、その他アジア地域は新型コロナウイルスの感染拡大状況によって違いはあるものの、緩やかな回復と なりました。 ムーブメント販売は、機械式ムーブメントが堅調に推移したことに加え、北米市場向けなどで高付加価値アナログクオーツムーブメントも売上を伸ばし、増収となりました。工作機械セグメントは世界的な部材不足の影響による長納期化が進む中、国内市場は自動車向けの回復に遅れが見られているものの、半導体関連をはじめ、建機、住宅設備関連など幅広い業種で引き続き受注は好調を維持し、増収となりました。海外市場は、中国市場で医療、通信、自動車関連等が伸長したほか、欧州市場も特にドイツ、 イタリア等において自動車関連を中心に堅調さを保ち、大幅な増収となりました。また、米州市場においても医 療関連を中心に積極的な設備投資が継続しており、増収となりました。
2022年度
売上高は前年度比7%増の301,366百万円になりました。営業利益は前年度比6%増の23,708百万円になりました。営業利益率は8%となりました。ウオッチ販売のうち、“CITIZEN”ブランドの国内市場は、物価上昇に伴う節約志向の高まりも見られましたが、『The CITIZEN』をはじめとしたプレミアムブランドや、『CITIZEN ATTESA』エコ・ドライブGPS衛星電波時計、ブランド誕生35周年記念限定モデルなどが順調に推移し、増収となりました。 海外市場のうち北米市場は宝飾チェーンや百貨店などの主要流通が好調さを保ったほか、トラベル需要の回復を受けクルーズ船向けの販売も増加するなど、継続的に売り上げを伸ばしました。欧州市場も激しい物価高に見舞われる中、イギリスやドイツなどが堅調に推移し、増収となりました。アジア市場は、東南アジア、インドな どが上向きつつある一方で、中国においてロックダウンに伴う移動制限の影響を大きく受けたことにより減収となりました。ムーブメント販売は、中国市場の落ち込み等により機械式ムーブメントの需要が減少したほか、アナログクオーツムーブメントは欧米市場での景気後退を懸念した慎重な動きとなり、減収となりました。工作機械セグメントにおいては、半導体をはじめとした部品不足の影響が長期化する中、国内市場は自動車メーカー各社の減産の影響を受け自動車関連が軟調だったものの、建機、住宅設備関連が底堅く推移し、増収となりました。海外市場のうち中国市 場は、度重なるロックダウンの実施とその後のゼロコロナ政策撤廃の影響による混乱を受け伸び悩みましたが、 欧州および米州市場は景気の先行き不透明感が高まりながらも引き続き医療関連等が堅調に推移し、増収となり ました。
2023年度
売上高は前年度比4%増の312,830百万円になりました。営業利益は前年度比6%増の25,068百万円になりました。営業利益率は8%となりました。ウオッチ販売のうち、“CITIZEN”ブランドの国内市場は、物価上昇に伴う消費マインドの低下が見られながら も、『ATTESA』や『PROMASTER』などの男性向けウオッチの好調に支えられ、またインバウンド需要にも回復が見られたことで、増収となりました。 海外市場のうち北米市場は、消費者物価指数の高止まりを受け、消費者の節約志向が高まる中、ジュエリーチェーンや百貨店流通は弱含んだ動きが見られましたが、EC販売やトラベル流通が好調に推移したことで増収と なりました。欧州市場は、物価高に見舞われながらもイギリス、イタリアなどが好調に推移し、フランスにおい ても新たな取扱店の拡大が順調に進んだことなどにより増収となりました。アジア市場は、地域により濃淡はあ るもののインド、シンガポール等は回復傾向がうかがえました。中国市場は、コラボ商品が好評を得ると共にSNSを活用した新たな販売を試み、増収となりました。ムーブメント販売は、アナログクオーツムーブメントが欧米市場における景気後退懸念を受け慎重な動きとな りましたが、機械式ムーブメントが堅調に推移し、増収となりました。工作機械セグメントにおいては、国内市場は設備投資への慎重姿勢が継続する中、自動車関連の出荷が伸び悩んだほか半導体や空圧機器など の市況も低迷し、減収となり、海外市場は欧州および米州市場で主に医療関連の販売が堅調に推移した 一方で、中国やその他のアジア市場で続く市況低迷が響き、減収となりました。
シチズンの業績推移
2023年第2四半期(4ー6月)
売上高は前年同期比5%増の80,229百万円になりました。営業利益は8,005百万円、営業利益率は10%となりました。ウオッチ販売のうち、“CITIZEN”ブランドの国内市場は、物価上昇に伴う消費マインドの低下が見られながら も、『ATTESA』や『PROMASTER』などの中核ブランドが好調に推移するなど底堅さを保ち、またインバウンド需要 にも回復が見られたことで、増収となりました。 海外市場のうち北米市場は、物価上昇率が依然として高い水準を維持しており先行き不透明感が強まる中、ジュエリーチェーンや百貨店流通において弱含んだ動きも見られましたが、主にEC販売などが好調に推移したこ とで増収となりました。欧州市場は、激しい物価高に見舞われながらもイギリス、イタリアなどが好調に推移し、 フランスにおいても新たな取扱店の拡大が順調に進んだことなどにより増収となりました。アジア市場は、人流 の回復に伴いシンガポールなどが上向き傾向を維持し、中国もまだ限定的ではあるものの徐々に回復に転じたこ とで増収となりました。ムーブメント販売は、機械式ムーブメントが堅調に推移した一方で、アナログクオーツムーブメントが欧米市 場における景気後退懸念を受け慎重な動きとなり、前年並みの実績となりました。工作機械セグメントにおいては、国内市場は全体的に設備投資への慎重姿勢が広がる中、自動車関連の出荷が伸び悩みましたが、建機や医療 関連などが底堅く推移し、増収となりました。海外市場は中国やその他のアジア市場の市況低迷が継続してお り販売が落ち込んだものの、欧州及び米州市場で主に医療関連の販売が堅調に推移したことで、前年並みの実績 を確保しました。
2023年第3四半期(7ー9月)
売上高は前年同期比4%増の85,970百万円になりました。営業利益は9,874百万円、営業利益率は11%となりました。ウオッチ販売のうち、“CITIZEN”ブランドの国内市場は、物価上昇に伴う消費マインドの低下が見られなが らも、『ATTESA』や『PROMASTER』などの中核ブランドに加え、高価格帯ブランド『The CITIZEN』限定モデル などが底堅さを保ち、またインバウンド需要にも回復が見られたことで、増収となりました。 海外市場のうち北米市場は、物価上昇率が依然として高い水準を維持しており消費者の節約志向が高まる中、 ジュエリーチェーンや百貨店流通において弱含んだ動きも見られましたが、主にEC販売などが好調に推移したことで増収となりました。欧州市場は、物価高に見舞われながらもイギリス、イタリアなどが好調に推移し、 フランスにおいても新たな取扱店の拡大が順調に進んだことなどにより増収となりました。アジア市場は、人 流の回復に伴いシンガポールなどが上向き傾向を維持し、中国もまだ限定的ではあるものの徐々に回復に転じ たことで増収となりました。ムーブメント販売は、機械式ムーブメントが堅調に推移した一方で、アナログクオーツムーブメントが欧米 市場における景気後退懸念を受け慎重な動きとなり、前年並みの実績となりました。工作機械セグメントにおいては、国内市場は全体的に設備投資への慎重姿勢が広がる中、自動車関連の出荷が伸び悩みましたが、建機や医 療関連などが底堅く推移し、増収を確保しました。海外市場は欧州及び米州市場で主に医療関連の販売が堅 調に推移した一方で、中国やその他のアジア市場で続く市況低迷が響き、減収となりました。
2023年第4四半期(10ー12月)
売上高は前年同期比4%増の73,936百万円になりました。営業利益は1,652百万円、営業利益率は2%となりました。
2024年第1四半期(1ー3月)
売上高は前年同期比4%増の75,888百万円になりました。営業利益は4,684百万円、営業利益率は6%となりました。ウオッチ販売のうち、“CITIZEN”ブランドの国内市場は、物価高に伴う消費マインドの低下が見られながら も、『ATTESA』や『xC』などの中核ブランドに加えて『The CITIZEN』などのプレミアムブランドが好調に推移したほか、インバウンド需要が伸長したことにより、増収となりました。 海外市場のうち北米は、ジュエリーチェーンと百貨店流通向けの販売が堅調さを保ち、また新商品が好調に推移したことから、増収となりました。欧州は、緩やかではあるものの個人消費が持ち直し、イギリスやイタリア 等が堅調に推移したことで、増収となりました。アジアは、中国において市況悪化に伴い販売が大きく減少し、 タイなど一部市場に回復傾向が伺えたものの補うには至らず、減収となりました。 ムーブメント販売は、主要市場において弱含んだ動きが見られる中、機械式ムーブメントを中心とした付加価値製品が堅調に推移し、増収となりました。工作機械セグメントにおいては、国内市場は設備投資への慎重姿勢が継続する中、主に自動車関連の需要が回復せず、また市況の先行き不透明感から半導体関連や建機関連も低迷し、減収となりました。海外市場は米州及び欧州において医療宝飾関連 を除く設備投資意欲が限定的となったほか、アジアにおいては中国で販売が増加したものの、その他アジアでは 市況回復の兆しが見られず、減収となりました。
2024年第2四半期(4ー6月)
売上高は前年同期とほぼ同額の80,628百万円になりました。営業利益は7,644百万円、営業利益率は9%となりました。ウオッチ販売のうち、“CITIZEN”ブランドの国内市場は、物価上昇に伴う消費マインドの低下が見られながら も、『ATTESA』や『xC』などの中核ブランドに加えて『The CITIZEN』などのプレミアムブランドが好調に推移し、 またインバウンド需要の伸長により、増収となりました。 海外市場のうち北米は、個人消費が緩やかに持ち直し、ジュエリーチェーンと百貨店流通向けに加え、専門店向 けの販売が堅調さを維持し、増収となりました。欧州は、イギリスなどが底堅さを保ち、フランスにおいても宣伝 活動が寄与するなどして増収となりました。アジアは、タイなど一部市場に回復傾向が伺えたものの、中国の景気 低迷に伴う売上減が響き、減収となりました。ムーブメント販売は、主要市場においてアナログクオーツムーブメントに弱含んだ動きが見られる中、機械式ムーブメントも中国の市況の低迷から購買に慎重な姿勢が見られましたが、欧米向けの販売が堅調に推移し、増収と なりました。工作機械セグメントにおいては、国内市場は設備投資への慎重姿勢が継続する中、主に自動車関連の需要が回復せず、また市況の先行き不透明 感から半導体関連や建機関連も低迷し、減収となりました。海外市場はアジアにおいて中国の補助金政策などに より販売が増加したものの、米州及び欧州において医療関連を除く設備投資意欲が限定的となったことで、減収となりました。
シチズンの四半期業績推移
希薄化後EPSは前年度比24%増の93.6円になりました。1株当たりの配当は前年度比18%増の40円になりました。配当性向は43%になりました。
シチズンのEPS・1株配当・配当性向の推移
2024年11月
2024年度第二四半期の決算短信において、2024年度通期の売上は313,500百万円、営業利益は23,000百万円を予定していると掲載されています。
セグメントは、時計、工作機械、デバイス、電子機器に分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。
シチズンの売上構成(2023年度)
時計
ウオッチ、ムーブメントを開発・製造しています。グローバル市場におけるブランドイメージの明確化、カスタマーエクスペリエンスの向上を通じて、「グローバルブランド戦略」、「プレミアムブランド及び機械式時計戦略」、「継続的なユーザ ー接点の強化とデータ活用」の3つの重点戦略に取り組んでいます。
工作機械
CNC自動旋盤を開発・製造しています。、売上1,000億円に向けた事業基盤の構築、加工技術による差別化、自動化・省力化領域の拡大に取り組んでいます。成長が見込まれるアジア地域での営業、サービス体制の強化を図ることで、更な る成長を目指しています。
デバイス
自動車部品、水晶デバイス、小型モーター、LEDを開発・製造しています。グループの強みである小型金属加工技術を活かした自動車部品事業では、高付加価値製品やEV関連部品の拡大及び自動車部品以外の領域の開拓を進め、オプトデバイス事業では、高効率、長寿命、環境配慮型の照明用LEDなどの拡充を図っています。
電子機器
プリンター、健康機器、等を開発・製造しています。事業と製品の選択と集中を行うとともに、 生産効率の向上や合理化による安定的な利益確保を目指しています。
2008年 アメリカ発の時計ブランドであるブローバを買収
2012年 時計ムーブメントや高級ブランドを支えるスイス企業プロサーを買収
2016年 スイスの高級時計ブランドであるフレデリック・コンスタントを買収