精銅と電線から事業をスタートさせた古河電気工業は、時代を先取り、また要請に応えながら技術のすそ野を広げてきました。コア技術を基盤としたさまざまな独自製品の開発に取り組み、130年を超える歴史の中に、数々の世界初、世界一があります。事業としましては「メタル」「ポリマー」「フォトニクス」「高周波」の4つのコア技術を強みに、情報通信ソリューション、エネルギーインフラ、自動車部品・電池、電装エレクトロニクス材料、機能製品の各事業分野において多岐にわたる製品を展開し、社会に貢献しています。
業績推移(年次)
2021年度
売上高は前年度比11%減の811,600百万円になりました。営業利益は64.23%減の8,429百万円になりました。営業利益率は1%になりました。コロナによる経済活動停滞の影響は事業全般に及び、減収減益となりました。
2022年度
売上高は前年度比15%増の930,496百万円になりました。営業利益は35.58%増の11,428百万円になりました。営業利益率は1%になりました。自動車部品事業の東南アジア拠点でのコロナの影響(緊急輸送費、BCM対応費用等)やグループ全社における輸送費・材料費高騰の影響はあったものの、インフラおよび機能製品セグメントで増益となりました。
2023年度
売上高は前年度比15%増の1,066,326百万円になりました。営業利益は35.58%増の15,441百万円になりました。営業利益率は1%になりました。営業利益は、自動車部品・電池、機能製品の下方修正による期初予想からの下振れとなりました。
2024年度
売上高は前年度比1%減の1,056,528百万円になりました。営業利益は27.65%減の11,171百万円になりました。営業利益率は1%になりました。価格の適正化やコスト削減を行ったものの操業量減で生産性に影響を及ぼしました。
2025年度
売上高は前年度比14%増の1,201,762百万円になりました。営業利益は321.60%増の47,097百万円になりました。営業利益率は4%になりました。インフラ、機能製品、サービス・開発等は増収となり電装エレクトロニクスは減収となりました。

古河電気工業の業績推移
業績推移(四半期)
2025年第1四半期(4ー6月)
売上高は前年同期比11.02%増の273,561百万円になりました。営業利益は3,522百万円、営業利益率は1%になりました。国内超高圧・再エネ関連・機能線の売上増加が増収に寄与しました。
2025年第2四半期(7ー9月)
売上高は前年同期比15.63%増の296,805百万円になりました。営業利益は14,023百万円、営業利益率は5%になりました。安定した受注により生産性が改善し、電池の価格が適正化したことが増収につながりました。
2025年第3四半期(10ー12月)
売上高は前年同期比18.86%増の311,649百円になりました。営業利益は13,855百万円、営業利益率は4%になりました。データセンタ関連製品等の売上の増加やテレコム関連の需要が回復したことにより増収となりました。
2025年第4四半期(1ー3月)
売上高は前年同期比9.79%増の319,747百万円になりました。営業利益は15,697百万円、営業利益率は5%になりました。インフラ、機能製品、サービス・開発等は増収となり電装エレクトロニクスは減収となりました。
2026年第1四半期(4ー6月)
売上高は前年同期比7.37%増の293,715百万円になりました。営業利益は8,446百万円、営業利益率は3%になりました。データセンタ向け製品等の売上が増加したことにより増収となりました。

古河電気工業の四半期業績推移
EPS・配当額・配当性向の推移
希薄化後EPSは前年度比412%増の473.49円になりました。1株当たりの配当は前年度比100%増の120円になりました。配当性向は25%になりました。

古河電気工業のEPS・1株配当・配当性向の推移
業績予想
2026年3月
今期の売上高は1,200,000百万円、営業利益は53,000百万円、営業利益率は4%、1株配当は120円を見込みます。
⑥売上構成
セグメントは、4つに分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

古河電気工業のセグメント別売上構成(2025年度)
電装エレクトロニクス
導電材(含む巻線)事業、銅条・高機能材事業から成り、主に電線、自動車部品や電子機器材料用銅製品の製造・販売を行っています。
インフラ
電力事業、産業電線・機器事業から成り、超高圧、高圧、中低圧のケーブルや機器等の製造・販売および敷設を行っています。
機能製品
AT・機能樹脂、サーマル・電子部品、メモリーディスク、銅箔から成り、樹脂および非鉄金属を加工した各種機能製品の製造・販売を行っています。
サービス・開発等
コア技術を活用して、ライフサイエンスや社会インフラ維持管理といった新たな分野での事業創出に取り組んでいます。
1990年 アルベド社と共同で、米国の銅箔メーカー、イェーツインダストリーズ社を買収1992年 米国AT&T社と合弁
2001年 ルーセントテクノロジーズ社の光ファイバ部門(OFS)買収
2005年 架橋発泡ポリオレフィン業界大手ドイツ・トロセレン社を買収
2011年 米国高温超電導線材製造会社スーパーパワー社を買収