ハイセンスの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

中国の大手家電メーカーです。1969年中国でラジオ工場として設立したのが始まりで、当初はトランジスタラジオを生産していました。1979年にテレビ工場を設立、1984年松下電器産業(現パナソニック)からテレビ生産設備を導入し、中国市場トップクラスのテレビメーカーとなります。2010年には日本法人としてハイセンスジャパンを設立しています。1988年に輸出入事業を開始し国際市場の開拓を開始しました。以降、全てのリソースを海外市場に優先的に投入し、OEM事業を通して拡大しハイセンスブランドを確立しました。2000年代初頭からは、南アフリカ、オーストラリア、ヨーロッパ、北米の市場が成熟するにつれ、ドイツ、イギリス、イタリア、スペイン、カナダ、メキシコ、日本、ドバイに支店を設立し、海外マーケティングシステムを確立してマーケティングの現地化を実現しました。現在は主に、冷蔵庫、家庭用エアコン、中央空調、冷凍庫、洗濯機、厨房機器などの電気製品を製造しています。

業績推移

2019年度
売上高は37,453百万元で、前年度比4%増となりました。営業利益は2,055百万元になりました。営業利益率は5%になりました。

2020年度
売上高は48,393百万元で、前年度比29%増となりました。営業利益は3,195百万元になりました。営業利益率は7%になりました。新型コロナウイルス感染症の流行による影響や家電製品へのニーズ低下に直面しながらも、安定した経営を確保しました。HVAC事業の売上は43%の増加、冷蔵庫・洗濯機事業の売上は16%の増加となりました。国内販売事業の売上は29%の増加、輸出販売の売上は27%の増加となりました。

2021年度
売上高は67,563百万元で、前年度比40%増となりました。営業利益は2,781百万元になりました。営業利益率は4%になりました。HVAC事業の売上は30%の増加、冷蔵庫・洗濯機事業の売上は23%の増加となりました。国内販売事業の売上は29%の増加、輸出販売の売上は58%の増加となりました。

2022年度
売上高は74,115百万元で、前年度比10%増となりました。営業利益は3,367百万元になりました。営業利益率は5%になりました。HVAC事業の売上は13%増加し、冷蔵庫および洗濯機事業の売上は8%減少しました。国内および海外の売上高については、国内販売と輸出販売でそれぞれ13%と7%の増加となりました。

2023年度
売上高は85,600百万元で、前年度比15%増となりました。営業利益は5,248百万元になりました。営業利益率は6%になりました。中央空調事業の売上は9%増、家庭用エアコン事業のオンライン及びオフラインの売上高は、それぞれ41%と14%増加し、業界の成長率をそれぞれ26ポイントと10ポイント上回りました。

ハイセンスの業績推移

ハイセンスの業績推移

業績推移(半期)

2021年下半期(7ー12月)
売上高は35,139百万元になりました。営業利益は1,174百万元、営業利益率は3%になりました。

2022年上半期(1ー6月)
売上高は38,307百万元になりました。営業利益は1,647百万元、営業利益率は4%になりました。前年同期比の売上は、エアコンセグメントで17%増となり、冷蔵庫・洗濯機セグメントは6%減となりました。パンデミックの再拡大、サプライチェーンの変化、世界経済成長の減速などの悪要因に直面しながらも、先進的な製造戦略を堅持し、製品開発、コスト削減、効率改善に注力して、上半期に安定した規模と収益性を達成しました。

2022年下半期(7ー12月)
売上高は35,808百万元になりました。営業利益は1,720百万元、営業利益率は5%になりました。

2023年上半期(1ー6月)
売上高は42,944百万元になりました。営業利益は2,777百万元、営業利益率は6%になりました。前年同期比の売上は、エアコンセグメントで12%増となり、冷蔵庫・洗濯機セグメントは11%増となりました。Hisenseブランドの海外向け中央空調事業は、欧州市場のチャンスを捉え、積極的に海外販売体制を構築し、多くの国と地域で大規模なプロジェクトを手掛け、自社ブランドの売上高は42%増加しました。冷蔵庫・冷凍庫事業は、中高級品のラインアップを継続的に改善し、主力製品の競争力を高め、改良・品質向上を推進し、輸出販売収入は7.7%増となりました。洗濯機事業は、海外のさまざまな地域のユーザーの差別化されたニーズとカスタマイズされた専用製品戦略に重点を置き、上半期の輸出は前期比58%増加し、高い成長を達成しました。キッチン家電事業は、グローバルな共同研究開発と技術共有を通じて、海外市場に特化した差別化された製品を輸出し、上半期の輸出は前期比128%の成長を達成しました。

2023年下半期(7ー12月)
売上高は42,656百万元になりました。営業利益は2,471百万元、営業利益率は6%になりました。

ハイセンスの業績推移(四半期)

ハイセンスの業績推移(半期)

EPS・配当額・配当性向の推移

希薄化後EPSは前年度比98%増の2.08元になりました。1株当たりの配当は前年度比91%増の1.013元になりました。配当性向は49%になりました。

ハイセンスのEPS・配当額・配当性向の推移

ハイセンスのEPS・配当額・配当性向の推移

 

売上構成

セグメントは、エアコン、冷蔵庫・洗濯機に分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

ハイセンスのセグメント別売上構成(2023)

ハイセンスのセグメント別売上構成(2023)

エアコン事業
中央空調事業は、中国が掲げる気候変動対策の目標である「炭素排出量のピークアウト」と「カーボンニュートラル」に力を入れています。住宅用エアコン事業は、HisenseとKelonの2つのブランドで製造しています。

冷蔵庫・洗濯機事業
冷蔵庫事業はRonshenとHisenseの2つのブランドで製造しています。

M&A情報

2002年 日立と合弁会社青島ハイセンス日立空調システムを設立し、大規模な商業用空調市場に参入
2008年 白物家電大手のWhirlpoolと合弁会社Hisense-Whirlpool Zhejiang Electric Appliancesを設立し、洗濯機などの白物家電を生産
2015年 家電製品を製造するシャープアメリカを買収
2017年 テレビなどの映像関連製品を製造する東芝映像ソリューションを買収
2018年 家電を製造するGorenjeを買収

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