セコムの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

セコムは1983(昭和58)年12月に、「日本警備保障株式会社」から「セコム株式会社」に社名変更をしました。「セコム」への社名変更の目的は、その「社会システム産業」を構築するために不可欠であることから行いました。そして、1989(平成元)年1月には新聞広告などで「社会システム産業元年」を内外に宣言し、現在もその構築に取り組んでいます。

「社会システム産業」とは、社会で暮らす上で、より「安全・安心」で「快適・便利」なサービスやシステムを創造し、それらを統合・融合して、社会になくてはならない新しい社会システムとして提供するものです。「社会システム産業」の構築をめざし、セキュリティ事業を中心に、防災事業、メディカル事業、保険事業、地理空間情報サービス事業、BPO・ICT事業を展開しています。

業績推移(年次)


2021年度
売上高は前年度比2%減の1,035,898百万円になりました。営業利益は4.15%減の136,925百万円になりました。営業利益率は13%になりました。新型コロナウイルス感染症の影響により減収減益となりました。

2022年度
売上高は前年度比1%増の1,049,859百万円になりました。営業利益は4.80%増の143,499百万円になりました。営業利益率は14%になりました。セキュリティサービス、防災、メディカルサービス、保険およびBPO・ICT事業などの影響により増益となりました。

2023年度
売上高は前年度比5%増の1,101,307百万円になりました。営業利益は4.74%減の136,700百万円になりました。営業利益率は12%になりました。セキュリティサービス事業、防災事業およびBPO・ICT事業が減益となりました。

2024年度
売上高は前年度比5%増の1,154,740百万円になりました。営業利益は2.90%増の140,658百万円になりました。営業利益率は12%になりました。2022年7月より連結子会社となった株式会社セノンの寄与や、事業所向け・家庭向けのセントラライズドシステム(オンライン・セキュリティシステム)の販売が堅調に推移したこと、安全商品の売上が増大したことなどによる、セキュリティサービス事業が増収となりました。

2025年度
売上高は前年度比4%増の1,199,942百万円になりました。営業利益は2.59%増の144,297百万円になりました。営業利益率は12%になりました。セキュリティサービス事業、防災事業およびメディカルサービス事業などにより増収となりました。

セコムの業務推移

セコムの業務推移

業績推移(四半期)


2025年第1四半期(4ー6月)
売上高は前年同期比2.25%増の271,044百万円になりました。営業利益は29,260百万円、営業利益率は11%になりました。営業利益は防災事業などでは増益となりましたが、地理空間情報サービス事業およびメディカルサービス事業などの減益が影響しました。

2025年第2四半期(7ー9月)
売上高は前年同期比3.39%増の289,152百万円になりました。営業利益は29,839百万円、営業利益率は10%になりました。営業利益は防災事業などでは増益となりましたが、保険事業および地理空間情報サービス事業などの減益が影響しました。

2025年第3四半期(10ー12月)
売上高は前年同期比4.66%増の304,419百万円になりました。営業利益は41,160百万円、営業利益率は14%になりました。セキュリティサービス事業、防災事業およびメディカルサービス事業などにより増収となりました。

2025年第4四半期(1ー3月)
売上高は前年同期比5.08%増の335,327百万円になりました。営業利益は44,038百万円、営業利益率は13%になりました。セキュリティサービス事業、防災事業およびメディカルサービス事業などにより増収となりました。

2026年第1四半期(4ー6月)
売上高は前年同期比6.25%増の287,992百万円になりました。営業利益は32,219百万円、営業利益率は11%になりました。セキュリティサービス事業などの増収により売上高は過去最高となりました。

セコムの四半期業績推移

セコムの四半期業績推移

EPS・1株配当・配当性向の推移


希薄化後EPSは前年度比8%増の259.97円になりました。1株当たりの配当は前年度比100%減の0円になりました。配当性向は0%になりました。

セコムのEPS・1株配当・配当性向の推移

セコムのEPS・1株配当・配当性向の推移

業績予想

2026年3月
今期の売上高は1,251,000百万円、営業利益は150,000百万円、営業利益率は11.9%、1株配当は100円を見込みます。

売上構成


セグメントは、5つに分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

セコムのセグメント別売上構成(2025年度)"

セコムのセグメント別売上構成(2025年度)

セキュリティサービス
創業時は、日本で初めての警備保障会社として、企業に「巡回警備サービス」や「常駐警備サービス」の提供から始め、1966(昭和41)年にはわが国初の「企業向けオンライン・セキュリティシステム」を開発。その後、「現金護送システム」や、単独で機能する「安全商品」、「大規模施設向けセキュリティシステム」、わが国初の家庭用安全システム「セコム・ホームセキュリティ」、個人向けの位置情報提供サービス「ココセコム」など、常に革新的なセキュリティシステムの開発・普及により、セキュリティ事業で会社の基盤を築いてきました。

防災
2006年に提携関係にあった防災業界最大手の能美防災株式会社を連結子会社としました。これによりセコムグループの防災事業は、セキュリティ事業とより融合化した展開が可能となりました。現在、セコムは能美防災、2012年にセコムグループ入りをしたニッタンと協力しながら、インテリジェントビルや商業施設から住宅用火災警報器まで、さまざまな防災システムを提供しています。

メディカルサービス
セコム医療システム株式会社を中心に在宅医療サービスをはじめ、総合的なメディカルサービスを展開しています。

保険
1998年に中堅損害保険会社を買収し、セコム損害保険株式会社に社名変更したのち保険事業に進出しました。リスクを未然に防ぐセキュリティシステムと、被害にあった時の損失を補償する損害保険、この両方を組み合わせることでよりトータルな“安全・安心”が提供できるようになりました。現在、セコム損害保険株式会社が、「火災保険セキュリティ割引」や「セコム安心マイホーム保険」「自由診療保険メディコム」など、 ユニークな損害保険商品を提供しています。

地理空間情報サービス
1999(平成11)年に航空測量とGIS(地理空間情報システム)の分野で国内最大手の株式会社パスコへ資本参加し、地理空間情報サービス事業を開始しました。現在、パスコは、人工衛星、航空機、ドローン、専用車両、船舶などに搭載した各種センサーを駆使して収集した国内外の空間情報に、加工・処理・解析を施し、お客様の課題解決に向けたサービスの提供を通じて、「空間情報サービス」のリーディングカンパニーをめざしています。

M&A情報


1987年 タイでサハ・グループと合弁でタイ・セコムピタキイ(株)(現・タイセコムセキュリティ(株))を設立

1988年 米国でセコメリカ社が最大の病院経営会社HCA社の救急医療部門を買収(現在は売却)

1989年 米国で3位の在宅医療会社、HMSS社を買収(現在は売却)

1991年 英国でキャロルセキュリティグループを買収する

1995年 英国でアンバサダーセキュリティグループを買収する

2012年 (株)住生活グループから(株)LIXILニッタンの株式100%を取得

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