工作機械業界の2025年の世界シェアや市場規模について分析をしています。トルンプ、DMG森精機、シューラ―、ニデック、オークマといった大手工作機械メーカーの概要や動向も掲載しています。
なお、該当事業の売り上げが未公開の企業については、当ランキングの対象外としております。
【工作機械とは】
日本工業規格によれば、工作機械とは、主として金属の工作物を切削・研削などによって不要な部分を取り除き、求められる形状に作り上げる機械の総称です。工作機械の製品を生み出す機械を「作っている」ことから、マザーマシーンとも言われています。日本とドイツのメーカーが歴史的に強い業界です。工作機械の種類には、プレス機械、板金機械、放電加工機、歯切り盤、ボール盤、中ぐり盤、フライス盤、マシニングセンタ、旋盤、研削盤、ターニングセンタ等があげられます。それぞれの機械ごとに得意とする企業があります。(例:日本のアマダは板金機械に強み)
また工作機械ごとに、旋削(削る)、穴あけ、中ぐり(穴を拡大する)、フライス削り、研削、歯切り、放電加工、レーザー加工等の得意とする加工役割があります。中には、これらの工程のいくつかを自動化する工作機械もあります。
日本の工作機械会社は、コンピューターによる自動制御を可能とするNC装置(数値制御装置)がついたNC工作機械を得意とし、中国勢との差別化を図っています。NC装置はファナックや三菱電機が強みを持っています。
【工作機械業界の世界市場シェア】
工作機械業界の2025年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2024年の工作機械業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はトルンプ、2位はDMG森精機、3位はシューラーとなります。
.png)
*不正会計で2026年3月期決算が延期のため、2024年度の数値
| 順位 | Company name(English) | 企業名(日本語) | 市場シェア |
| 1位 | Trumpf | トルンプ | 4.32% |
| 2位 | DMG MORI Co.,Ltd. | DMG森精機株式会社 | 2.76% |
| 3位 | SCHULER | シューラー | 1.69% |
| 4位 | Makino Milling Machine Co., Ltd. | 株式会社牧野フライス製作所 | 1.40% |
| 5位 | Okuma | オークマ | 1.26% |
| 6位 | DN Solutions* | DNソリューションズ* | 1.21% |
| 7位 | JTEKT Corporation | ジェイテクト | 1.12% |
| 8位 | NIDEC CORPORATION | ニデック | 1.09% |
2025年の工作機械の世界シェアランキングでは、ドイツのトルンプ(Trumpf)が昨年に続き1位を獲得しました。板金加工機やレーザー加工機の分野で圧倒的な強みを誇り、世界市場を牽引し続けています。
2位には日本の総合工作機械大手であるDMG森精機がランクインしました。旋盤やマシニングセンターのほか、高度なデジタル化や自動化ソリューション、盤石なMRO(保守・サービス)体制を武器にグローバルで高い収益性を維持しています。
3位にはドイツのプレス・金属成形大手であるシューラー(Schuler)、4位にはM&Aを駆使して工作機械事業を急速に拡大させている日本のニデックが入りました。ニデックはグループ内のシナジーを生かして存在感を高めています。それに続く5位の牧野フライス製作所は、金型加工や航空宇宙分野などで重宝される高速・高精度なマシニングセンターに強みを持っています。6位のオークマは、自社製CNC(制御装置)を核とした高い信頼性と省エネ・自動化技術で知られる日本の老舗メーカーです。7位には韓国のDNソリューションズがランクインしました。旋盤や5軸マシニングセンターなどに強みを持ち、ロボットやパレットシステムと連携したスマートマシン技術の展開を強化しています。8位には自動車業界を中心に厚い信頼を得るジェイテクトが続いています。
トップ8の中に日本企業が多数名を連ねており、世界市場における日本の工作機械メーカーの技術力の高さと存在感が依然として際立つ結果となっています。
【工作機械業界の世界市場規模】
当データベースでは、2025年の工作機械業界の市場規模を1,172億ドルとしております。参照した各種調査データは次の通りとなります。
調査会社グランドビューリサーチによると、2025年の同業界の市場規模は1,172億ドルです。2026年から2033年にかけて年平均5.8%で成長し、規模は1,835億ドルへと拡大することを見込んでいます。
| 年 | 市場規模 | 成長率見込み |
| 2025 | 1,172億ドル | – |
| 2026 | 1,237億ドル | 5.6% |
| 2033 | 1,835億ドル | 5.8% |

【M&Aの動向】
2021年:ニデック、三菱重工工作機械(現・ニデックマシンツール)の株式を取得し子会社化
2021年:ニデック、工作機械メーカーのOKK(現・ニデックOKK)を買収
2023年:ニデック、イタリアの大型工作機械メーカーPAMA社および関連会社を買収
2023年:ニデック、東証スタンダード上場の旋盤大手TAKISAWAをTOBにより子会社化(業界初の同意なきTOBからの買収劇)
2023年:DMG森精機が、倉敷紡績(クラボウ)傘下の大型工作機械メーカー倉敷機械の全株式を取得し連結グループ化
2025年:SMEC、現代ウィア工作機械事業部を買収
2025年:GF、マシニングソリューションズ部門をユナイテッド・グラインディング・グループに売却
2026年:DN Solutions、ドイツの工作機械メーカーHELLERを買収
【会社の概要】
Trumpf(トルンプ)
1923年に設立されたドイツに本拠を置く大手工作機械メーカーです。非上場企業であり、工作機械の中でも板金加工機械やレーザー加工機を主力としています。世界最高水準のレーザー技術を誇り、スマートファクトリー(工場自動化・デジタル化)ソリューションの展開をリードしています。さらに詳しく
DMG MORI Co., Ltd.(DMG森精機株式会社)
日本の森精機製作所をルーツに持つ切削系工作機械(NC旋盤・マシニングセンター等)の強みと、ドイツのDMG(Deteering Machine Group)の統合により誕生しました。
5軸制御機や複合加工機による工程集約、「Machining Transformation (MX)」を掲げた自動化・DX・GXの推進、世界規模での強固なMRO(保守・サービス)体制を特徴としています。さらに詳しく
Andritz AG(アンドリッツ)
オーストリアに本拠を置くコングロマリット企業です。製紙パルプ、水力発電向けの電気機械装置、固液分離機器、工作機械を手掛けています。工作機械は買収したSCHULER(シューラー)を通じて展開しています。
SCHULER(シューラー)
ドイツに本拠を置くプレス機の世界大手メーカーであり、オーストリアの産業コングロマリットであるアンドリッツ(Andritz)グループの傘下企業です。
金属成型プレス、鍛造プレスなどを製造しており、自動車業界における高張力鋼板(ハイテン)のプレス成型や電動化(EV)に向けた車体・バッテリー部品製造向けの高度なプレスシステムに強みを持っています。さらに詳しく
NIDEC CORPORATION(ニデック株式会社)
1973年に設立された日本を代表する総合モーターメーカーです。精密小型モーター等で世界トップシェアを持ちますが、近年はM&Aを積極展開して工作機械事業を急速に拡大させています。三菱重工工作機械(現・ニデックマシンツール)、OKK(現・ニデックOKK)、イタリアのPAMA、さらに旋盤大手のTAKISAWAなどを次々とグループ化し、工作機械分野における一大勢力を築いています。2023年4月1日に、親会社である「日本電産株式会社」が創立50周年を機に社名を「ニデック株式会社」へ変更しました。
精密モーターと言われるHDD用モーターやCD・DVD用モーター等で圧倒的な強みを持ちます。産業用モーターはエマソンエレクトリックから産業用モーター・ドライブ事業を買収し強化しています。精密小型モーター(HDDモーターを含む)、車載モーター、家電・産業用モーター、機器装置、光学品が主軸です。さらに詳しく
Makino Milling Machine Co., Ltd.(株式会社牧野フライス製作所)
日本に本拠を置く、マシニングセンタおよび放電加工機に強い工作機械メーカーです。金型加工業界や航空宇宙産業、精密部品加工の分野において、高精度・高速な切削技術と独自の制御技術で世界的に高い信頼と実績を獲得しています。さらに詳しく
Okuma(株式会社オークマ)
創業100年を超える日本の老舗工作機械メーカーです。機械本体だけでなく、CNC(制御装置・OSP)からセンサーに至るまでを自社一貫開発する「機電一体」を最大の強みとしています。熱変位を抑える独自の「サーモフレンドリーコンセプト」や、環境配慮型の省エネ技術「Green-Smart Machine」を推進しています。さらに詳しく
DN Solutions(DNソリューションズ ※旧・斗山工作機械)
韓国に本拠を置く大手工作機械メーカーです。旋盤や5軸マシニングセンター、ボアラーなどを中心に展開しています。ロボットやパレットシステムと連携した自動化セル、スマートファクトリー分野へのソリューション提供を強化しており、グローバル市場で高い競争力を発揮しています。さらに詳しく
JTEKT Corporation(株式会社ジェイテクト)
豊田自動織機を源流とするトヨタグループの大手自動車部品・ベアリングメーカーでありながら、工作機械事業も手掛けています。
特に高精度な「研削盤」の分野で世界トップクラスのシェアを誇るほか、マシニングセンタや専用機など、自動車製造ラインをはじめとする多様な産業向けに高信頼な生産設備を提供しています。さらに詳しく
