Visa(ビザ)は1958年に設立された米国に本拠を置く世界最大級のクレジットカード会社です。発祥母体はバンクオブアメリカのクレジットカード部門です。自らは、イシュアーやアクワイアラーにならず、VISAブランドライセンスを各国のカード会社に付与し、VisaNetを通じた決済手数料を収益基盤としています。2008年にニューヨーク証券取引所に上場しました。
【参考】
国際ブランド:世界中で利用できる決済システムを提供するクレジットカード会社
イシュア :クレジットカードの発行会社(国際ブランドとお客さまをお取り次ぎする会社)
アクワイアラ:加盟店の開拓、審査、管理をする会社(国際ブランドと加盟店をお取り次ぎする会社)
決済代行会社:加盟店の審査や契約手続き、売上入金管理などを代行する会社
2019年度
売上高は22,977百万ドルで、前年度比11%増となりました。営業利益は15,001百万ドルになりました。営業利益率は65.3%になりました。売上高の増加は主に、決済量、国際間取引量が増加したためです。
2020年度
売上高は21,846百万ドルで、前年度比5%減となりました。営業利益は14,081百万ドルになりました。営業利益率は64.5%になりました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による販売量と取引の減少の影響を受けました。
2021年度
売上高は24,105百万ドルで、前年度比10%増となりました。営業利益は15,804百万ドルになりました。営業利益率は65.6%になりました。売上高が増加したのは、新型コロナウイルス感染症による制限の緩和により、決済処理量と国際間取引量が増加したためです。
2022年度
売上高は29,310百万ドルで、前年度比22%増となりました。営業利益は18,813百万ドルになりました。営業利益率は64.2%になりました。全てのセグメントで売上が増加し、最も成長したのは国際取引セグメントで50%でした。これは、国際間取引量が増加したためです。
2023年度
売上高は32,653百万ドルで、前年度比11%増となりました。営業利益は21,000百万ドルになりました。営業利益率は64.3%になりました。売上の増加は主に、国際間取引量、決済処理量、通常支払い量の増加によるものです。全てのセグメントで売上が増加しました。売上が最も成長したセグメントは国際取引セグメントで、売上高の増加は19%でした。
2022年第4四半期(7-9月)
売上高は7,787百万ドルになりました。営業利益は5,087百万ドル、営業利益率は65%になりました。
希薄化後EPSは前年度比18%増の8.28ドルになりました。1株当たりの配当は前年度比19%増の1.87ドルになりました。配当性向は23%になりました。
セグメントは、サービス、データ処理、国際取引、その他に分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。
データプロセッシング
決済が発生した場合にビザのネットワークと通じてアクセプタンス、クリアリング、セトルメントといったアクションが発生した場合に発生する収入です。
サービス
顧客の Visa 決済サービスの利用をサポートします。Visa を使って支払が行われた際に収入が発生します。
国際取引
国境を越えた取引処理と通貨両替を支援します。取引が行われる際に収入が発生します。
その他
コンサルティング、マーケティング、特定のカード特典に関連するサービスを提供します。Visa ブランドのライセンスフィーなども含まれます。
決済ソリューション強化に向けたM&Aを行っています。
2016年
世界中の約 17,100 の金融機関の顧客およびパートナー、4,000万の加盟店、および 30億枚の Visa カードに、デジタル決済製品、サービス、処理機能を提供する Visa Europe の買収を完了。
2019年
カードが不正利用されたときや商品やサービスの不備が発生したときに生じるチャージバックを削減するソリューションを提供する Verifi の買収を完了。この買収により、カード利用時の信頼性と透明性を促進する Visa の役割が強化されます。
2019年
トークンサービスと様々なチケット販売ビジネスを実施する Bell ID と Ecebs LTD を Rambus から買収と完了。この買収により、Visa のトークン化機能の安全性と利便性がこれまで以上に拡張されました。
2020年
ラテンアメリカとカリブ海諸国の大手金融機関や新興企業をサポートするフィンテックのパイオニアである YellowPepperの 買収を完了。この地域におけるこの種の買収は Visa にとって初であり、Visa の『ネットワーク オブ ネットワーク』戦略が加速され、複数の種類の取引と安全な資金移動を可能にする起点となりました。
2021年
銀行やフィンテックが国境を越えた決済ための外国為替ソリューションを提供する Currencycloud の買収を完了。この買収により、Visa と Currencycloud の顧客およびパートナーは、国際決済や複数の通貨でのビジネスを提供できるようになりました。
2022年
金融機関が金融商品やサービスを構築し、資金を移動できるようにするオープンバンキングプラットフォームを提供する Tink の買収を完了。この買収により、Visa のビジネスパートナーである金融機関が、利用者に対して財務管理を適切に行えるサービスを提供できるようになりました。
2023年
メキシコの大手決済処理会社 Prosa の過半数株式を取得する最終契約を締結。デジタル決済の加速化が可能となりました。
2024年
グローバルなクラウドを利用したカードトランザクション処理と決済業務プラットフォームを提供する Pismo の買収を完了。この買収により、あらゆる種類の製品にわたる決済業務およびカード発行会社の処理機能がクライアントに提供されまるようになりました。