マスターカードの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

マスターカードは、米国に本拠を置く世界最大級のクレジットカード会社です。VISAと双璧です。米銀のチェースマンハッタン銀行(現JPモルガンチェース)等の所属するカード会社を母体として発展しました。現在はビザと同様にニューヨーク証券取引所に上場しています。自らは、イシュアーやアクワイアラーにならず、MASTERブランドライセンスを各国のカード会社に付与しています。近年は、オープンバンキング、ブロックチェーン、サイバーセキュリティ、EC向け決裁システムなどの分野を強化するために、米国フィニティ、サイファートレース(Cipher Trace)、エカタ(Ekata)、Arcus Financial Intelligenceなどの買収を行っています。

業績推移(年次)

2019年度
売上高は16,883百万ドルで、前年度比13%増となりました。営業利益は9,664百万ドルになりました。営業利益率は57%になりました。売上の増加は、取引量の増加と支払いにおけるマスターカードの使用量の増加によるものです。

2020年度
売上高は15,301百万ドルで、前年度比9%減となりました。営業利益は8,081百万ドルになりました。営業利益率は53%になりました。売上の減少は、新型コロナウイルス感染症流行の影響を反映した国境をまたいだ販売量の減少により引き起こされました。

2021年度
売上高は18,884百万ドルで、前年度比23%増となりました。営業利益は10,082百万ドルになりました。営業利益率は53%になりました。取引量の増加と、新規および更新取引の増加に伴い、売上が増加しました。

2022年度
売上高は22,237百万ドルで、前年度比18%増となりました。営業利益は12,264百万ドルになりました。営業利益率は55%になりました。売上の増加は、決済ネットワークセグメントとサービス&ソリューションセグメントが共に成長したためであり、買収による成長は1ポイントです。決済ネットワークセグメントの売上の増加は、ドル取引量の増加と取引数の増加によるものです。サービス&ソリューションセグメントの成長は、サイバー&インテリジェンス部門とデータソリューションの成長によるものです。

2023年度
売上高は25,098百万ドルで、前年度比13%増となりました。営業利益は14,008百万ドルになりました。営業利益率は56%になりました。売上の増加は、決済ネットワークセグメントとサービス&ソリューションセグメントが共に成長したためです。決済ネットワークセグメントの売上の増加は、ドル取引量の増加と取引数の増加によるものです。サービス&ソリューションセグメントの成長は、サイバー&インテリジェンス部門の継続的な成長によるものです。

マスターカードの業績推移

マスターカードの業績推移

業績推移(四半期)

2022年第4四半期(10ー12月)
売上高は5,817百万ドルになりました。営業利益は3,184百万ドル、営業利益率は55%になりました。

2023年第1四半期(1ー3月)
売上高は5,748百万ドルになりました。営業利益は3,136百万ドル、営業利益率は55%になりました。

2023年第2四半期(4ー6月)
売上高は6,269百万ドルになりました。営業利益は3,656百万ドル、営業利益率は58%になりました。

2023年第3四半期(7ー9月)
売上高は6,533百万ドルになりました。営業利益は3,844百万ドル、営業利益率は59%になりました。

2023年第4四半期(10ー12月)
売上高は6,548百万ドルになりました。営業利益は3,372百万ドル、営業利益率は51%になりました。

マスターカードの四半期業績推移

マスターカードの四半期業績推移

EPS・1株配当・配当性向の推移

希薄化後EPSは前年度比16%増の11.83ドルになりました。1株当たりの配当は前年度比16%増の2.28ドルになりました。配当性向は19%になりました。

マスターカードのEPS・1株配当・配当性向の推移

マスターカードのEPS・1株配当・配当性向の推移

売上構成

セグメントは、決済ネットワーク、サービス&ソリューションに分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

マスターカードの売上構成

マスターカードの売上構成

決済ネットワーク
マスターカードを搭載したカードの GDV に基づいて顧客に手数料を請求することで収入を得ています。

サービス&ソリューション
以下の内容のサービスとソリューションを提供しています。
・サイバー&インテリジェンスソリューション ・データソリューション ・ACHバッチ&リアルタイムソリューション ・プロセス&ゲートウェイ ・オープンバンクソリューション ・デジタルアイデンティティソリューション

M&A情報

2020年 リアルタイム金融データ収集サービスのフィニシティ(Finicity)を買収
2020年 生体認証を行うトラストスタンプ(Trust Stamp)に出資
2020年 デジタル研究を行うサインジー(Signzy)に出資
2020年 データセキュリティ企業のエンベイル(Enveil)に出資
2020年 インパクト投資プラットフォームのシーノート(CNote)に出資
2021年 黒人とラテンコミュニティを対象としたデジタル銀行であるグリーンウッドに出資
2021年 モカフィ(Mobility Capital Finance)に出資
2021年 ブロックチェーンのデータ処理と行うサイファートレース(Cipher Trace)を買収
2021年 イーサリアム上のシステム開発を行うコンセンシス(ConsenSys)に出資
2021年 本人確認サービスを提供するエカタ(Ekata)を買収
2022年 セキュリティコントロールを行うピカス・セキュリティ(Picus Security)に出資
2021年 クレジットカードのインフラAPIを提供するデザーブ(Deserve)に出資
2021年 決済インフラのエピソードシックス(Episode Six)に出資
2021年 決済代行サービスを行うArcusを買収
2021年 ルワンダのECサービスを手掛けるカシャ(Kasha)に出資
2021年 保険おすすめサービスを提供するストライド・ヘルス(Stride Health)に出資
2022年 セキュリティコントロールを行うピカス・セキュリティ(Picus Security)に出資
2022年 クレジットカード処理サービスを提供するZetaに出資

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