エンジーの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

2008年にフランスガス公社のGDFとスエズが合併して誕生した大手電力・ガス会社です。フランス政府が大株主です。GDF Suez(GDFスエズ)からエンジーへと社名変更しています。発電以外にも石油やガス権益も保有していましたが売却を行いました。現在はガス供給とリニューアブル発電での事業強化を目指しています。水素発電所の展開も狙いグリーン水素へも積極投資を行っています。

業績推移(年次)

2018年度
売上高は605.9億ユーロで、前年度比1.7%増となりました。営業利益は47.6億ユーロになりました。営業利益率は8%で、前年度とほぼ同じ値です。

2019年度
売上高は600.5億ユーロで、前年度比0.9%減となりました。これはいくつかの企業を買収したためです。営業利益は48億ユーロになりました。営業利益率は8%で、前年度とほぼ同じ値です。

2020年度
売上高は557.5億ユーロで、前年度比7.2%減となりました。気温が平年より高かったためガス供給事業の売上が下がったことと、Covid-19の影響で顧客サービス事業が打撃を受けたことが原因です。営業利益は40.8億ユーロになりました。営業利益率は7%で、前年度の8%を上回りました。

2021年度
売上高は578.6億ユーロで、前年度比3.8%増となりました。営業利益は69.1億ユーロになりました。営業利益率は12%で、前年度の7%を上回りました。

2022年度
売上高は938.6億ユーロで、前年度比62%増になりました。売上増の要因は、地熱とエネルギー供給事業の売上が伸びたためです。電力の需要増と、水力による電力の高騰がこの売上増に寄与しました。営業利益は53.6億ユーロになりました。営業利益率は6%で、前年度の12%を下回りました。

エンジーの業績推移

エンジーの業績推移

業績推移(四半期)

2022年第2四半期(4ー6月)
売上高は176億ユーロになりました。EBITDAは29億ユーロ、EBITDAマージンは16%になりました。

2022年第3四半期(7ー9月)
売上高は261億ユーロになりました。EBITDAは32億ユーロ、EBITDAマージンは12%になりました。

2022年第4四半期(10ー12月)
売上高は245.6億ユーロになりました。EBITDAは30億ユーロ、EBITDAマージンは12%になりました。

2023年第1四半期(1ー3月)
売上高は292億ユーロになりました。EBITDAは54億ユーロ、EBITDAマージンは18%になりました。

2023年第2四半期(4ー6月)
売上高は178億ユーロになりました。EBITDAは40億ユーロ、EBITDAマージンは16%になりました。

エンジーの四半期業績推移

エンジーの四半期業績推移

EPS・1株配当・配当性向の推移

希薄化後EPSは前年度比96%減の0.06ユーロになりました。1株当たりの配当は前年度比65%増1.40ユーロになりました。

エンジーのEPS・1株配当・配当性向の推移

エンジーのEPS・1株配当・配当性向の推移

業績予想

2023年07月
今期の利益(EBIT)は132億ユーロから148億ユーロを予定しています。1株当たりの配当は0.65ユーロを予定しています。

売上構成

セグメントは、再生可能エネルギー、ガス配給、クライアントソリューション、火力発電、小売り、原子力に分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

エンジーの2020年度の売上構成

エンジーの2022年度の売上構成

再生可能エネルギー
太陽光発電、風力発電、水力発電、地熱発電等の再生可能エネルギーシステム施設の建設からエネルギーの製造まで行っています。これらはすべて集中型エネルギーシステムと呼ばれる、電力需要地から離れた場所に設置された大規模な発電施設です。電力購入額は世界第2位。風力と太陽光発電においては国内第1位です。

ガス配給事業
ヨーロッパ内外にガスと電力を供給しています。他にもヨーロッパの天然ガスの地下貯蔵も行っています。ガス供給においてはヨーロッパとブラジルでシェア1位。同社のセグメントでは最も利益(EBIT)を出しており、同社におけるセグメント別利益割合は約3割です。

クライアントソリューション
脱炭素社会に向けたサービスを提供しています。小規模な発電施設が多いです。冷却システムと電力効率化サービスはヨーロッパ内シェア1位です。

火力発電
石炭とガスを燃料とした火力発電を行っています。

小売り
電力とガスの販売を行っています。

原子力
原子力発電事業を行っています。

M&A情報

2016年 北米の天然ガス発電所等をDynegyとEnergyCapital Partnersへ33億ドルで売却
2017年 フランスのトタルにENGIEの上流および中流のLNG資産(液化施設やLNGタンカーも含む)を売却
2017年 ENGIEE&P Internationalをネプチューンエナジー(カーライル、CVCとCICの組成したファンド)へ売却
2019年 北米のContiを買収
2019年 イタリアとフランスで風力発電を行うRenvicoを買収
2019年 アフリカの太陽光発電会社のMobisolを買収
2020年 エンジーによるブラジルのガスパイプライン事業会社のTAGの10%持分取得
2020年 トルコのガス配給会社であるIzgazをPalmet Enerjiへ売却

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