M&Aや再編対象となる臨床検査会社の分析

臨床検査セクターで、現状投資ファンド(プライベートエクイティ)が保有し、今後のM&Aや再編の対象となる会社についてロングリストを作成しています。
なお、本記事の作成日以降にM&Aによって下記会社が買収されている可能性もありますことを予めご了承下さい。

業界の構造

臨床検査業界の特徴
  • 市場規模は2000億ドル程度です。
  • クエスト・ダイアグノスティクスラボコープ、ソニックヘルスケアなどが大手企業として有名です。
  • 上位3社の市場シェアは10%程度で、地域ごとに大手臨床会社が群雄割拠している状態です。
  • プライベートエクイティが、買収を通じて地域をまたいだ臨床検査会社プラットフォーム構築目指しています。
  • 臨床で得られたデータの活用の一環で、Bioclinica社とERT社の経営統合のように、データ処理会社との統合による臨床テックの勃興も今後予想されます。

今後M&Aが予想される臨床検査会社

社名:Bioclinica
本社所在地:米国
買収年:2016年
株主:シンベン
Bioclinica(バイオクリニカ)は、医療画像診断や心臓血管系コアラボ、eクリニカルソリューション、バイオマーカー分析などを行う総合的治験支援サービス企業です。30年以上にわたり事業を展開しており、大手製薬、バイオテクノロジー企業など400社以上を顧客に持っています。本社を米国に、また欧州やアジアに業務拠点を置いています。シンベンが2016年に買収をしました。 買収時点の想定企業価値は1400億ドルです。2021年に臨床データ分析のERTと経営統合をしました。

社名:ERT
本社所在地:米国
買収年:2020年
株主:ノルディックキャピタル
ERTは1972年に設立された新薬や医療機器開発のために治験データの収集を行う会社です。ノルディックキャピタルが2020年に買収をしました。その後Bioclinicaと経営統合をしました。

社名:Unilabs
本社所在地:スイス
買収年:2016年
株主:Apaxパートナーズ
Unilabs(ユニラボ)はスイスに本拠を置く臨床検査会社です。画像診察にも強みがあります。2016年にApaxパートナーズが買収しました。

社名:Binding Site
本社所在地:イギリス
株主:ノルディックキャピタル
Binding Siteは英国に本拠をおく臨床検査を行う会社です。ノルディックキャピタルが買収しました。

社名:Lifebrain
本社所在地:オランダ
買収年:2018年
株主:インベストインダストリアル
Lifebrain(ライフブレイン)は、イタリアの臨床検査会社です。食品検査も行っています。Investindustrial(インベストインダストリアル)が2018年に投資しました。

社名: PHCグループ
本社所在地: 日本
買収年: 2013年
株主: KKR
血糖値センサー、電子カルテシステム、バイオメディカに強みを持つパナソニックヘルスケア事業をKKRが買収しました。グループ会社のLSIメディエンスは臨床検査大手です。

今後M&Aが予想される遺伝子検査会社

社名:LGC
本社所在地:イギリス
買収年:2019年
株主:シンベン
LGC(エル・ジー・シー)は、ヘルスケア、環境、農業などの分野で品質管理や遺伝子分析サービスを行うイギリスのバイオ関連企業です。タバコへの不純物添加を規制するため1842年に創設された研究所からスタートし、1996年に民営化しました。シンベンが2019年に買収をしました。買収時点の想定企業価値は3877億ドルです。

実際に投資ファンドがエグジットした臨床検査会社

見事Synlabが2021年にIPO。業界再編の動向では2020年に再編候補として掲載しています。

社名:Synlab
本社所在地:ドイツ
買収年:2015年
株主:シンベン
Synlab(シンラボ)はドイツのミュンヘンに本社を構えるヨーロッパ最大のラボラトリーサービス企業で、世界40ヶ国に展開しています。人間や家畜、動物などの尿や血液、細胞などをサンプルとした各種医療テストに加え、土や水道水を用いた環境分析などを手がけ、患者や医療施設はもとより、産業分野や各種研究組織へもサービスを提供しています。年間検査数は約5億件です。シンベンが2015年に買収をしました。買収時点の想定企業価値は1902億ドルです。2021年に株式を公開しました。

社名:Igenomix
本社所在地:スペイン
株主:EQT
Igenomix(アイジェノミクス)は、1996年創業のスペインに本拠を置く遺伝子検査・診断会社で、16か国に19の研究所をもっています。オリジナルの子宮内膜着床能検査(ERA)、残留受胎生成物検査(POC)、または海外向けの着床前診断、着床前スクリーニング(PGD、PGS)などを主力サービスとしており、COVID-19検査にも取り組んでいます。EQTが買収しました。2021年に体外受精大手のVitrolifeへ売却をしました。