NTNの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

日本を代表するベアリングメーカーの一つです。1927年にベアリング専門の製造販売会社として「合資会社エヌチーエヌ製作所」が設立されました。現在のNTNが法人として発足したのはこの時です。その後10年間の活動で、国鉄から大口案件の受注航空機用ベアリングの開発などで事業拡大の基盤を築き、1934年に「東洋ベアリング製造株式会社」として株式公開に至りました。株式公開により大幅増資したことが契機となり、海外進出や新工場設立などで事業は大きく飛躍しました。現在は、収益性向上のためアフターマーケット事業(補修部品などの供給)に注力しています。アフターマーケット事業は産業機械や自動車の補修用途に供給する事業です。

業績推移(年次)

2019年度
売上高は前年度比11%減の651,495百万円になりました。営業利益は前年度比74%減の7,056百万円になりました。営業利益率は1%となりました。補修市場向け製品においては、客先需要の低減などにより売上高は減少しました。産業機械市場向け製品においては、建設機械向け製品の売上減少により、売上高は減少となりました。自動車市場向け製品においては、客先需要の減少などにより売上高は減少しました。

2020年度
売上高は前年度比14%減の562,847百万円になりました。営業利益は前年度比3,138百万円の赤字になりました。補修市場向け製品においては、客先需要の低減などにより売上高は大幅に減少しました。産業機械市場向け製品においては、建設機械向け製品や航空機向け製品の売上減少により、売上高は減少となりました。自動車市場向け製品においては、客先の操業停止による需要の低減などにより売上高は減少しました。

2021年度
売上高は前年度比14%増の642,023百万円になりました。営業利益は6,880百万円になりました。営業利益率は1%となりました。補修市場向け製品においては、客先需要の拡大などにより売上高は増加しました。産業機械市場向け製品においては、建設機械向け製品や変減速機向け製品の売上増加により、売上高は増加となりました。自動車市場向け製品においては、客先需要の回復により売上高は増加しました。

2022年度
売上高は前年度比21%増の773,960百万円になりました。営業利益は前年度比149%増の17,145百万円になりました。営業利益率は2%となりました。補修市場向け製品においては、客先需要の拡大などにより売上高は増加しました。産業機械市場向け製品においては、建設機械向け製品や航空機向け製品の売上増加により、売上高は増加となりました。自動車市場向け製品においては、客先需要の回復により売上高は増加しました。

2023年度
売上高は前年度比8%増の836,285百万円になりました。営業利益は前年度比64%増の28,149百万円になりました。営業利益率は3%となりました。補修市場向け製品においては、為替の影響などにより売上高は増加しました。産業機械市場向け製品においては、建設機械向け製品や農業機械向け製品の売上減少により、売上高は減少となりました。自動車市場向け製品においては、客先需要の回復が継続し、売上高は増加しました。

NTNの業績推移

NTNの業績推移

業績推移(四半期)

2023年第1四半期(4ー6月)
売上高は前年同期比16%増の200,768百万円になりました。営業利益は149百万円、営業利益率はほぼ0%となりました。補修市場向け製品においては、客先需要の拡大により売上高は前年同期比で増加しました。産業機械向け製品においては、建設機械向け製品や農業機械向け製品の売上の減少により、前年同期比で売上高は減少となりました。自動車向け製品においては、客先需要の回復などにより前年同期比で売上高は増加しました。

2023年第2四半期(7ー9月)
売上高は前年同期比5%増の208,879百万円になりました。営業利益は6,614百万円、営業利益率は3%となりました。補修市場向け製品においては、為替の影響などにより累計売上高は前年同期比で増加しました。産業機械市場向け製品においては、建設機械向けや農業機械向け製品の売上減少により、前年同期比で累計売上高は減少となりました。自動車市場向け製品においては、客先需要の回復などにより前年同期比で累計売上高は増加しました。

2023年第3四半期(10ー12月)
売上高は前年同期比7%増の210,898百万円になりました。営業利益は8,630百万円、営業利益率は4%となりました。補修市場向け製品においては、為替の影響などにより累計売上高は前年同期比で増加しました。産業機械市場向け製品においては、建設機械向けや農業機械向け製品の売上減少により、前年同期比で累計売上高は減少となりました。自動車市場向け製品においては、客先需要の回復などにより前年同期比で累計売上高は増加しました。

2023年第4四半期(1ー3月)
売上高は前年同期比5%増の215,740百万円になりました。営業利益は12,756百万円、営業利益率は6%となりました。補修市場向け製品においては、為替の影響などにより累計売上高は前年同期比で増加しました。産業機械市場向け製品においては、建設機械向けや農業機械向け製品の売上減少により、前年同期比で累計売上高は減少となりました。自動車市場向け製品においては、客先需要の回復などにより前年同期比で累計売上高は増加しました。

2024年第1四半期(4ー6月)
売上高は前年同期比5%増の210,809百万円になりました。営業利益は4,532百万円、営業利益率は2%となりました。軸受事業においては、客先需要の低減などにより前年同期比で売上高が減少しました。CVJアクスル事業においては、客先需要の回復などにより売上高は前年同期比で増加となりました。

NTNの四半期業績推移

NTNの四半期業績推移

EPS・1株配当・配当性向の推移


希薄化後EPSは前年度比2%増の19.91円になりました。1株当たりの配当は前年度比100%増の10円になりました。配当性向は50%になりました。

NTNのEPS・1株配当・配当性向の推移

NTNのEPS・1株配当・配当性向の推移

業績予想

2024年8月
2024年度第一四半期の決算短信にて、2024年度通期の売上高は860,000百万円、営業利益は32,000百万円を予定していると掲載されています。

売上構成


セグメントは、地域別の事業セグメントに分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

NTNの売上構成(2023年度)

NTNの売上構成(2023年度)

補修市場向け
一般機械の補修用軸受やオートパーツ(自動車補修部品)、軸受の取付けや取外しをサポートするメンテナンスツール、軸受の異常検知デバイスなどを販売代理店を通じて提供し、設備の生産性向上と安定稼働に貢献しています。軸受の取り扱いやお困りごとなどを解決する幅広い技術サービスも展開しており、商品の提供からアフターサービスまで万全の体制でお客さまをサポートします。

産業機械市場向け
建設機械、農業機械、風力発電装置、ロボット、航空機、鉄道車両、工作機械、電子機器など各種産業機械に向けて大小さまざまな軸受を提供し、産業機械の環境負荷の低減を実現しています。センシングによる軸受の異常検知や、製造現場の自動化・省人化などのニーズに寄与する商品・サービスも提供し、産業の発展と持続可能な社会づくりに貢献します。

自動車市場向け
駆動領域のスペシャリストとして幅広い商品を提供し、省燃費化やCO2排出量の削減に貢献しています。基盤商品であるハブベアリングやドライブシャフト、各種軸受に加え、周辺部品との組み合わせや自社コア技術の融合による高機能なモジュール商品を提供し、安全・安心・快適な未来のクルマづくりに貢献します。

M&A情報


1996年 アメリカ Federal Mogul社のボールベアリング部門を買収し、NTN-BCA Corp.を設立
2008年 フランスの製造子会社であるNTN TRANSMISSIONS EUROPEがフランス鍛造メーカーSETFORGEグループのCrézancy工場を買収し、NTN TRANSMISSIONS EUROPE CRÉZANCYを設立
2018年 鍛造部品メーカーである羽咋丸善を買収したが、羽咋丸善創業家と経営方針などが折り合わず、株式保有比率を49%に引き下げ

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