日本精工の市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

1916年に設立された、日本初のベアリングメーカーです。戦前は、トラック用軸受けの開発、軸受け用鋼球の国産化、航空機国産エンジン用軸受けの開発などを行い、事業拡大の基盤を築きました。戦後は、アジア諸国への輸出を開始、海外進出としてブラジルに工場を設立するなど、グローバル展開を本格化させました。1980年代以降、NSKはベアリング事業にとどまらず、精密機器分野にも進出し事業分野を拡大させました。現在は、同社が得意とする摩擦・摩耗・および潤滑に関する技術と、デジタルの融合による価値創造を目指しています。

業績推移(年次)

2019年度
売上高は前年度比16%減の831,034百万円になりました。営業利益は前年度比70%減の23,604百万円になりました。営業利益率は3%となりました。産業機械事業は、米中貿易摩擦を背景にグローバルで設備投資に対する慎重な動きが続いたことや、スマート フォン及び自動車市場が低調に推移したこと、さらには新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により各地域で 経済活動が停滞した影響により、対前期比で減収となりました。自動車事業は、中国や欧州を中心にグローバルで自動車市場が低迷したことに加え、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い自動車生産台数が減少するなど、事業環境は総じて厳しいものとなりました。また、モデルチェンジの影響による電動パワーステアリング(EPS)の減少があり、減収となりました。

2020年度
売上高は前年度比10%減の747,559百万円になりました。営業利益は前年度比73%減の6,364百万円になりました。営業利益率は1%となりました。産業機械事業における外部環境に関しては、第1四半期には新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の収縮を背景にグローバルで設備投資に慎重な動きが見られました。その後、中国では他地域に先行して生産活動の正常化が進み、中国以外の地域の需要も期末にかけて回復しましたが、期前半での需要低迷が影響して、当期連結累計期間では産業機械事業は対前期比で減収となりました。自動車事業における外部環境に関しては、第1四半期に新型コロナウイルスの流行による移動制限、サプライチェーンの混乱及び生産活動停止の影響を受け、世界的に自動車生産台数が大幅に減少しました。第2四半期以降、自動車市場は回復に転じましたが、第1 四半期での落ち込みが影響して、当期連結累計期間では自動車事業は対前期比で減収となりました。

2021年度
売上高は前年度比16%増の865,166百万円になりました。営業利益は前年度比362%増の29,430百万円になりました。営業利益率は3%となりました。産業機械事業は、半導体市場の拡大に加えて、製造業を中心に設備投資が積極的に行われるなど需要は堅調に推移し、当連結累計期間は対前期比で増収となりました。自動車事業は、グローバル自動車生産台数が半導体等部材の供給不足による減産が長期化した影響を受けて前年割れになりましたが、増収となりました。

2022年度
売上高は前年度比10%減の776,762百万円になりました。営業利益は前年度比49%増の43,836百万円になりました。営業利益率は6%となりました。産業機械事業における外部環境に関しては、前期は半導体市場と電動化及び自動化関連を中心とした設備投資が堅調に推移しました。足元では先行き 不透明感を受けて需要が低迷したものの、売価転嫁の推進と為替影響もあり増収となりました。自動車事業は、半導体不足や部品供給停滞で減産が拡大した前期からの回復が想定より遅れたものの、売価転嫁の推進と為替影響もあり増収となりました。

2023年度
売上高は前年度比2%増の788,867百万円になりました。営業利益は前年度比38%減の27,391百万円になりました。営業利益率は3%となりました。産業機械事業における外部環境に関しては、半導体市場における調整局面の継続や中国経済の停滞影響を受けて市況が低迷したことに加えて在庫調整の影響により需要が伸び悩み減収となりました。自動車事業は、グローバル自動車生産台数は部材の供給制約による生産調整の解消が進んだことで増収となりました。

日本精工の業績推移

日本精工の業績推移

業績推移(四半期)

2023年第1四半期(4ー6月)
売上高は前年同期比3%増の188,247百万円になりました。営業利益は4,128百万円、営業利益率は2%となりました。産業機械事業においては、半導体市場の調整局面に加え、主要国の金融引き締めを受けて製造業を中心にグローバルで設備投資に慎重な姿勢がみられるなど需要が低迷し、前年同期比で減収となりました。自動車事業においては、半導体などの部材供給制約が和らいだことでグローバル自動車生産台数が前年から増加し、増収となりました。

2023年第2四半期(7ー9月)
売上高は前年同期比2%減の198,444百万円になりました。営業利益は6,995百万円、営業利益率は4%となりました。産業機械事業においては、半導体市場の調整局面に加え、主要国の金融引き締めを受けて製造業を中心にグローバルで設備投資に慎重な姿勢がみられるなど需要が低迷し、前年同期比で減収となりました。自動車事業においては、部材供給制約が和らいだことでグローバル自動車生産台数が前年から増加し、増収となりました。

2023年第3四半期(10ー12月)
売上高は前年同期比3%増の201,368百万円になりました。営業利益は8,180百万円、営業利益率は4%となりました。産業機械事業においては、半導体市場における調整局面の継続や中国など海外経済の不確実性の高まりから製造業で設備投資への慎重姿勢が強まり、加えて在庫調整の影響により需要低迷が継続し、前年同期比で減収となりました。自動車事業においては、部材供給制約による生産調整の解消が進んだことでグローバル自動車生産台数が前年から増加し、増収となりました。

2023年第4四半期(1ー3月)
売上高は前年同期比3%増の200,808百万円になりました。営業利益は8,088百万円、営業利益率は4%となりました。産業機械事業においては、半導体市場における調整局面の継続や中国経済の停滞影響を受けて市場が低迷したことに加え、在庫調整の影響により需要が伸び悩み、前年同期比で減収となりました。自動車事業においては、部材供給制約による生産調整の解消が進んだことでグローバル自動車生産台数が前年から増加し、増収となりました。

2024年第1四半期(4ー6月)
売上高は前年同期比7%増の200,495百万円になりました。営業利益は5,873百万円、営業利益率は3%となりました。産業機械事業においては、市場の調整局面が継続したことで設備投資需要の回復が想定より遅れたものの、為替が円安に推移した影響により前年同期比で増収となりました。自動車事業においては、グローバル自動車生産台数が前年同期並みの水準に留まったものの、為替が円安に推移した影響により、増収となりました。

日本精工の四半期業績推移

日本精工の四半期業績推移

EPS・1株配当・配当性向の推移


希薄化後EPSは前年度比52%減の17.2円になりました。1株当たりの配当は前年度と同額の30円になりました。配当性向は174%になりました。

日本精工のEPS・1株配当・配当性向の推移

日本精工のEPS・1株配当・配当性向の推移

業績予想

2024年7月
2024年度第一四半期の決算短信にて、2024年度通期の売上高は820,000百万円、営業利益は36,000百万円を予定していると掲載されています。

売上構成


セグメントは、産業機械、自動車に分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

日本精工の売上構成(2023年度)

日本精工の売上構成(2023年度)

産業機械
一般産業向けの軸受、精密機器関連製品、状態監視システム等を製造・販売しています。

自動車
小型自動車、商用車用のベアリング及びベアリング関連製品を開発・製造しています。

M&A情報


2021年 Spectrisのコンディション・モニタリング・システム事業の買収を完了

2024年 NSKの欧州生産子会社であるノイベック社を個人投資家のStephen Lord氏、ノイベック社工場長 Willi Castro氏、ノイベック社経理部長Dominik Szell氏の3名に売却することを決定

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