1903 年にウィスコンシン州ミルウォーキーで設立されたアメリカのオートバイ製造会社です。象徴的なデザインのクルーザーバイクやツーリングバイクで知られています。設立後10年程度で生産を急速に拡大しました。1907年に警察署へ販売を始め、これが重要な市場となりました。2023年には、アメリカ国内でのシェアはトップの約20％。世界シェアは約4％で業界4位の規模を誇ります。
2019年度
売上高は5,361百万ドルで、前年度比6%減となりました。営業利益は555百万ドルになりました。営業利益率は10%になりました。新車小売販売は、2018年と比較して5.2%減少しました。これは、米国の601cc以上のバイク業界の継続的な減少によるものです。
2020年度
売上高は4,054百万ドルで、前年度比24%減となりました。営業利益は10百万ドルになりました。営業利益率はほぼ0%になりました。上半期において、ハーレーダビッドソンの新車オートバイの小売販売はCOVID-19パンデミックによる悪影響を受け、その結果、同社の製造施設が一時的に閉鎖され、多くの独立系ディーラーが一時的に閉鎖されました。
2021年度
売上高は5,336百万ドルで、前年度比32%増となりました。営業利益は823百万ドルになりました。営業利益率は15%になりました。売上高の増加は、グランドアメリカンツーリングバイクと大型クルーザーバイクの需要増加によるプラスの影響を受けた北米市場によるものです。
2022年度
売上高は5,755百万ドルで、前年度比8%増となりました。営業利益は909百万ドルになりました。営業利益率は16%になりました。北米での売上高は減少しました。これは、生産の減少と在庫レベルの影響です。EMEAとラテンアメリカでの売上高はわずかに減少しましたが、アジア太平洋地域では増加しました。ハーレー・ダビッドソンディーラーの新車バイクの世界平均在庫は、2022年第4四半期比で約13,000台増加しました。これは歴史的に低いレベルです。
2023年度
売上高は5,836百万ドルで、前年度比1%増となりました。営業利益は779百万ドルになりました。営業利益率は13%になりました。北米の売上高は、収益性の高いモデルに注力したため、マクロ経済状況と製品の変更により悪影響を受けました。2023年を通じての高金利が消費者の購入意思決定に影響を与えていると考えています。さらに、EMEAでの売上の減少は、主に厳しい経済状況と、より収益性の高いコアバイクモデルへのユニットミックスの計画的な移行によるものです。アジア太平洋地域での売上高の伸びは上半期は堅調でしたが、下半期には鈍化しました。
ハーレー・ダビッドソンの業績推移
2023年第1四半期（1ー3月）
売上高は1,789百万ドルになりました。営業利益は370百万ドル、営業利益率は21%になりました。今期は世界中で62,237台のオートバイを出荷しました。2022年第1四半期より13.7%増加しています。これは、ライディングシーズンを前に2023年モデルの新型オートバイを発売したことで生産量が増加したためです。
2023年第2四半期（4ー6月）
売上高は1,446百万ドルになりました。営業利益は221百万ドル、営業利益率は15%になりました。今期は世界中で42,934台のオートバイを出荷しました。2022年度第2四半期に比べて10.4%の減少となります。これは、2023年6月の計画外の生産停止による影響です。ハーレー・ダビッドソンの重要サプライヤーであるPCAより、ブレーキホースアセンブリに関する不具合情報を受け取り、2022年第2四半期中に約2週間、すべての車両の組み立てと出荷を停止しました。
2023年第3四半期（7ー9月）
売上高は1,549百万ドルになりました。営業利益は209百万ドル、営業利益率は14%になりました。今期は全世界で45,269台のオートバイを出荷しました。2022年度第3四半期に比べて20.4％の減少となります。これは、市場の状況と2023年半ばの生産停止の影響によるものです。
2023年第4四半期（10ー12月）
売上高は1,053百万ドルになりました。営業利益は21百万ドルの赤字になりました。
2024年第1四半期（1ー3月）
売上高は1,730百万ドルになりました。営業利益は263百万ドル、営業利益率は15%になりました。今期は全世界で57,672台のオートバイを出荷しましたが、これはCOVID-19パンデミック中に経験した低水準の在庫の回復により恩恵を受けた2023年度第1四半期比で7.3%の減少となります。ライディングシーズンに向けて顧客が最も望んでいるモデルの入手可能性を改善するために、グランドアメリカンツーリングモデルの出荷比率を高めました。
ハーレー・ダビッドソンの四半期業績推移
希薄化後EPSは前年度比2%減の4.87ドルになりました。1株当たりの配当は前年度比5%増の0.66ドルになりました。配当性向は14%になりました。
ハーレー・ダビッドソンのEPS・１株配当・配当性向の推移
2024年5月
2024年度第一四半期のレポートにて、2024年度通期の売上は横ばいから9%減少すると予想しています。
セグメントは、HDMC、LiveWire、HDFSに分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。
ハーレー・ダビッドソンの売上構成（サブセグメント別、2023年度）
HDMC
オートバイの設計、製造、販売を行っています。また、オートバイの部品、アクセサリー、アパレルの販売や、商標のライセンス供与も行っています。HDMC は世界規模で事業を展開しており、米国、カナダ、ヨーロッパ、中東、アフリカ、アジア太平洋、ラテンアメリカで販売しています。HDMC の製品は、主に独立系ディーラーのネットワークを通じて小売顧客に販売されています。ディーラーは通常、ハーレー・ダビッドソンのオートバイ、部品、アクセサリー、アパレル、ライセンス製品を在庫して販売し、オートバイのサービスを行っています。
LiveWire
LiveWire は、電動二輪バイクのパイオニアとして注力する完全電動バイクのブランドです。米国および一部の国際市場で電動バイク、子供用電動バランスバイク、部品、アクセサリー、アパレルを販売しています。電動バイク、関連部品、アクセサリー、アパレルは、独立系小売パートナーのネットワークに卸売り販売されるほか、自社所有のディーラーを通じて消費者に直接販売されるほか、オンライン販売や、主にヨーロッパの厳選された国際パートナーを通じて顧客に直接販売されています。電動バランスバイクと関連部品、アクセサリーは、STACYC ブランドで独立系ディーラーや販売代理店に卸売り販売されるほか、オンラインで消費者に直接販売されています。
HDFS
主に ハーレー・ダビッドソンおよび LiveWire のオートバイの購入を目的とした卸売在庫売掛金および小売消費者ローンの融資およびサービス事業に従事しています。また、オートバイ所有者にオートバイ保険および任意保護商品を提供するため、特定の非関連第三者と提携しています。HDFS は主に米国およびカナダで事業を行っています。
2008年 イタリアのバイクメーカMV Agusta Groupを買収
2019年 子供向け電動バイクを設計・製造するStaCycを買収
