翻訳スタートアップの業界マップと資金調達額ランキング

2015年以降にニューラルベースの翻訳技術が開発導入されて以降、コンピューターによる翻訳の性能は、それまでの統計的機械翻訳と比べて飛躍的に向上しました。GTC Tech、Lilt、Lengoo、Translated、DeepL(ディープエル)、ロゼッタ、Wovnテクノロジーズ、AiBabel、Taio、Lingua Custodiaといった機械翻訳の有望スタートアップの資金調達額、機械翻訳業界のカオスマップ、各社の概要や動向について分析を行っています。

機械翻訳の業界マップ・カオスマップ

機械翻訳の開発や提供を行う会社を、直近の投資ラウンドでの資金調達額(縦軸)とシリーズラウンド(横軸)でマッピングした業界マップ(カオスマップ)を作成すると以下の通りとなります。
なお、円の大きさは累計資金調達額となります。またIPOをした会社の場合は、直近1年間の資本金及び資本準備金の増減と合計を直近の資金調達額と累積資金調達額とみなしております。

翻訳テック業界のカオスマップ
機械翻訳スタートアップのカオスマップ
円の大きさは累計資金調達額となります。金額は本ページ更新時点の推計

資金調達ではシーズからシリーズBまでのスタートアップが比較的多くなります、またロゼッタのように既にIPOをしている会社もあります。上記スタートアップの累計調達額は、本ページの更新時点で約232百万ドルとなっております。

機械翻訳スタートアップの資金調達額のシェアランキング

機械翻訳会社各社の累計調達額を分子に、上述した業界全体の資金調達額を分母にして、資金調達額シェアを計算し、ランキング化すると、2021年7月時点で、1位はGTC Tech、2位はWovnテクノロジーズ、3位はLiltとなります。

  • 1位 GTC Tech 22.2%
  • 2位 Wovnテクノロジーズ 19.4%
  • 3位 Lilt 16.4%
  • 4位 Lengoo 14.6%
  • 5位 Translated 10.8%
  • 6位 DeepL 8.6%
  • 7位 ロゼッタ 4.1%
  • 8位 AiBabel 2.6%
  • 9位 Taio 0.7%
  • 10位 Lingua Custodia 0.6%

翻訳テックの累計資金調達額のシェアとランキング
翻訳テックの累計資金調達額シェアランキング

機械翻訳業界の市場規模

モードインテリジェンスによると、2020年の機械翻訳の市場規模は153.8百万ドルです。2026年までに年平均7.1%での成長を見込み、2026年には230百万ドルへと市場規模が拡大します。業界の資金調達額の累計と市場規模が同じになりつつあり、いよいよ機械翻訳が社会実装フェーズに入ってきたと思われます。⇒参照したデータの詳細情報

主なM&A

2021年 ブリッジポイントが多言語自動翻訳を行うLanguageWire(ランゲッジワイヤー)を買収
2016年 HIGキャピタルが多言語マーケティングを行うLionbridge(ライオンブリッジ)を買収

主要な機械翻訳スタートアップ

グーグル翻訳、エキサイト翻訳、ヤフー翻訳と集客力で勝る各プラットフォーマーも独自に翻訳サービスを提供しており、翻訳分野に参入するスタートアップには翻訳クオリティでの差別化が求められます。

社名: GTC Tech
本社所在地: 中国
設立年: 1973年
GTC Techは、AIを活用した翻訳サービスします。翻訳サービスには、機械翻訳、多言語機械翻訳、自然言語処理、ナレッジグラフ、アルゴリズムモデルの構築、可視化プラットフォームなどが含まれます。

社名: DeepL(ディープエル)
本社所在地: ドイツ
設立年: 2009年
創業者: ヤノスラフ口ロフスキ
Lingueeが提供するDeepL はニューラルネットワークベースの機械翻訳サイトを展開しています。無料版と有料版があります。

社名: Lilt
本社所在地: 米国
設立年: 2015年
創業者: Spence Green
Lilt社は、スタンフォード大学のニューラルネットワークベースの研究から生まれた会社です。クラウドベースの機械翻訳システムを企業や言語サービスプロバイダに提供しています。

社名: Iconic Translation Machines
本社所在地: アイルランド
設立年: 2013年
創業者: John Tinsley、Paraic Sheridan
Iconic Translation Machines(アイコニックトランスレーションマシーンズ)はダブリン・シティ大学から生まれた翻訳サービスです。2020年に知財サービスを提供するRWS Groupが買収をしました

社名: Taio
本社所在地: スロベニア
設立年: 2018年
創業者: Marko Hozjan、Matija Kovac
Taioは、プロの翻訳者が人工知能を使って文書の翻訳をするためのプラットフォームを開発しています。

社名: AiBabel
本社所在地: 中国
設立年: 2016年
AiBabelは、音声を同時翻訳のための翻訳機器の開発を行なっています。

社名: Lingua Custodia
本社所在地: フランス
設立年: 2011年
創業者: Olivier Debeugny
Lingua Custodiaは、金融業界に特化した機械翻訳ソフトウェアである「VERTO」を開発提供しています。SaaS型で提供をしている点が特徴です。

社名: Systran(シストラン)
本社所在地: フランス
設立年: 1968年
現在の株主 STIC Investments、SoftBank Ventures Asia、Korea Investment Partners、Korea Investment Holdings
Systran(シストラン)はニューラルベースの機械翻訳サービスを開発・提供する会社です。2020年にSTICなどのコンソーシアムが買収を行いました。

社名: Memsource(メムソース)
本社所在地: チェコ
設立年: 2011年
現在の株主 カーライル
Memsource(メムソース)はクラウドベースの翻訳サービスを開発提供しています。2020年にカーライルが買収をしました。

社名: Translated
本社所在地: カナダ
設立年: 2017年
創業者: Isabelle Andrieu、Marco Trombetti
1999年に設立されたTranslated社は、プロの翻訳者を機械翻訳の両方を併せて翻訳サービス提供しています。

社名: Lengoo
本社所在地: ドイツ
設立年: 2012年
創業者: Christopher Kranzler、Alexander Gigga、Philipp Koch-Buettner
LengooはAIを活用した翻訳サービスを提供しています。

社名: Wovnテクノロジーズ
本社所在地: 日本
設立年: 2014年
創業者: 林 鷹治、Jeffrey Sandford
Wovnテクノロジーズは多言語サイトや多言語アプリを構築するサービスを提供しています。

機械翻訳分野に積極的なVC、PEファンドや戦略的投資家

Benchmark、XSeed Capital、Zetta Venture Partners、Sequoia Capital、Redpoint Ventures、XSeed Capital、Halo Business Angel Network、Bloom Equity、Fil Rouge Capital、AlpVent、Oriental Lions Group、Ardian、Inkef Capitalなどが上述した機械翻訳会社へ投資を行っています。

参照したデータの詳細情報について


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