AI契約書レビュー分野のカオスマップと資金調達額の分析

リーガルテックの中でもAIを用いた契約書レビューに特化したスタートアップの業界カオスマップと市場シェア(資金調達累計額ベース)の分析を行っています。キラシステムズ、ロージークス、ソートリバー、アキシオム、ドキュサイン、コントラクトラングラー、リンクスクエアーズ、ブラックボイラー、リーガルフォース、GVAテックといったAI契約書レビュープラットフォーム会社の概要や動向も掲載しております。

リーガルテック(契約書レビュー分野)のカオスマップ

AIで契約書レビューを行うプラットフォーマーの直近投資ラウンドでの資金調達額(縦軸)とシリーズラウンド(横軸)でマッピングした業界マップ(カオスマップ)を作成すると以下の通りとなります。円の大きさは資金調達累計額となります。またIPOをした会社の場合は、直近1年間の資本金及び資本準備金の増減と合計を直近の資金調達額と資金調達累計額とみなしております。

リーガルテック(契約書レビュー)のカオスマップ(2021年9月)
リーガルテック(契約書レビュー)のカオスマップ(2021年9月)

機械学習を施したAIに契約書のレビューや分析をさせるスタートアップの多くはシリーズAに比較的多く分布しております。ドキュサインは契約書管理向けのクラウドサービスを展開していますが、契約書の分析分野ではSeal Softwareを買収しているので、カオスマップに加えています。シリーズCラウンドにいる日本のリーガルフォースも契約書管理サービスの提供を開始しており、契約書分析と契約書管理も行えるクラウドサービスの展開が、投資ステージを進めていく鍵かもしれません。上記スタートアップの資金調達累計額は、本ページの更新時点で約1975百万ドルとなっております。

AI契約書レビュー業界の市場シェアランキング(資金調達累積額ベース)

AI契約書レビュー各社の資金調達累計額を分子に、上述した業界全体の資金調達額を分母にして、資金調達額シェアを計算し、ランキング化すると、1位はドキュサイン、2位はリンクスクエアーズ、3位はキラシステムズとなります。日本のリーガルフォースとGVAテックは5位と9位にランクインです。

AI契約書レビュー会社の市場シェア(資金調達累積額ベース)

  • 1位 ドキュサイン 86.15%
  • 2位 リンクスクエアーズ 3.24%
  • 3位 キラシステムズ 2.53%
  • 4位 ロージークス 2.28%
  • 5位 リーガルフォース 2.05%
  • 6位 アキシオム 1.42%
  • 7位 ソートリバー 1.13%
  • 8位 コントラクトラングラー 0.58%
  • 9位 GVAテック 0.30%
  • 10位 ブラックボイラー 0.23%
  • 11位 リセ 0.10%

AI契約書レビューの市場シェア(資金調達累計額ベース、2021年)
AI契約書レビューの市場シェア(資金調達累計額ベース、2021年)

市場規模

リーガルテックには契約書レビューだけでなく、契約書のドラフト、交渉、電子署名、契約書保管、判例検索、訴訟(特許調査、デジタルフォレンジックやeディスカバリ)、契約の更新といったサービスを含みます。

リーガルテックのサービス分類
リーガルテックのサービス分類
©業界再編の動向

調査会社のスタティスタによると、2019年のリーガルテック業界の市場規模は173億ドルです。スタートアップが手掛けるリーガルテック分野は約6億ドルで、2025年にかけて27.82%の成長を見込みます。⇒参照したデータの詳細情報

AI契約書レビューのスタートアップ各社の概要

GVA TECH(GVAテック)

本社所在地 日本
設立年 2017年
創業者 山本 俊
GVA TECH(GVAテック)は、契約書レビューのソフトウェア「AI-CON Pro」を展開しています。多数の上場企業に採用されている実績があります。

LegalForce(リーガルフォース)

本社所在地 日本
設立年 2017年
創業者 角田望
LegalForce(リーガルフォース)はAI契約審査プラットフォームを軸に、契約書レビューを自動で行うサービスを提供しています。クラウド契約書管理システムもMarshallの名称で展開しています。

BlackBoiler(ブラックボイラー)

本社所在地 米国
設立年 2015年
創業者 Daniel Broderick、Garen Riedel、Jonathan Herr
BlackBoiler(ブラックボイラー)は、クラウド&AIベースの契約書レビューと履歴契約データ管理ソフトウェア、プロバイダーです。

LinkSquares(リンクスクエアーズ)

本社所在地 米国
設立年 2015年
創業者 Vishal Sunak、Christopher Combs
LinkSquares(リンクスクエアーズ)は契約書の分析、データの抽出、保管などのサービスをクラウド型で提供しています。

Contract Wrangler(コントラクトラングラー)

本社所在地 米国
設立年 2016年
Contract Wrangler(コントラクトラングラー)は機械学習技術を利用した契約書の分析レビューサービスを提供しています。

DocuSign(ドキュサイン)

本社所在地 米国
設立年 2003年
創業者 Court Lorenzini、Tom Gonser、Eric Ranft
DocuSign(ドキュサイン)は契約書管理プラットフォームを提供しています。電子署名が祖業ですが、契約分析、文書ドラフティングも手掛けています。契約分析分野ではSeal Softwareを買収しました。

Axiom(アキシオム)

本社所在地 米国
設立年 2000年
創業者 Alec Guettel、Mark Harris
Axiom(アキシオム)は、契約書分析プラットフォームであるAxiomAIを通じて、契約を分析及びレビューをします。Kraft、DeLL、Enlivantなどが同社のサービスを利用しています。

Thoughtriver(ソートリバー)

本社所在地 イギリス
設立年 2011年
創業者 Tim Pullan, Founder & CEO
Thoughtriver(ソートリバー)はAIを用いた契約書レビューサービスを提供しています。契約書の中で潜在的に問題のある条項を自動で特定できます。

LawGeex(ロージークス)

本社所在地 イスラエル
設立年 2014年
創業者 Noory Bechor、Ilan Admon
LawGeex(ロージークス)は、契約書のレビューを行うシステムの開発を行っています。他の契約書との比較も行うことができます。

Kira Systems(キラシステムズ)

本社所在地 カナダ
設立年 2011年
創業者 Noah Waisberg、Alexander Hudek
Kira Systems(キラシステムズ)は契約書やその他の文書のテキストを識別、抽出、分析する機械学習ソフトウェアを開発しています。契約書のレビューはAllen & Overy、DLA Piper、Freshfieldsといった大手法律事務所でも採用された実績を持ちます。

リセ

本社所在地日本
設立年2018年
創業者 藤田 美樹
契約書AIレビューのクラウドサービス「り~が~るチェック」を提供しています。ミロク情報サービスなどから資金調達を行いました。

AI契約書レビューの分野に積極的に投資を行っている事業会社やベンチャーキャピタル

Insight Partners、Bowmans、Corner Ventures、Lool Ventures、Aleph Venture Capital、Lool Ventures、LionBird, Lool Ventures、Octopus Ventures、Crane、Carrick Capital Partners、Hercules Capital、Intel、Dell Technologies Capital、Generation Investment Management、Bain Capital Ventures、Sorenson Capital、Catalyst Investors、Jump Capital、First Ascent Ventures、Hyperplane Venture Capital、MassMutual Ventures、Rob May、Ari Buchler、セールスフォースベンチャーズといった投資家が積極的にAI契約書分野に投資を行っています。

参照したデータの詳細情報について


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