温室効果ガス計測会社のカオスマップと資金調達額の分析
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温室効果ガス計測会社のカオスマップと資金調達額の分析

気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures、TCFD)が開示を推奨する気候関連の情報には、温室効果ガス(GHG)排出量と関連リスクへの説明が含まれています。

温室効果ガスの排出の算定は、Scope1(事業者自らによる温室効果ガスの直接排出)、Scope2(他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出)Scope3(自社バリューチェーン全体からの間接的な排出)について行う必要があります。特にScope3については、購入した製品・サービス、輸送・配送、販売した製品の使用に伴う温室効果ガスの測定が要請されており、データの入手や計算の効率化へのニーズが高まっています。

今後市場の成長が予想される温室効果ガス計測業界のカオスマップと資金調達額ベースの市場シェアを分析し、GHGSat、CarbonChain、Sweep、Persefoni、ClearTrace、Doconomy、PlanA、EmitWise、ClimeCo Green、アスエネ、SUSTECH、ゼロボードといった温室効果ガス計測会社の概要を掲載しています。

カオスマップ

温室効果ガス計測ス分野での直近投資ラウンドでの資金調達額(縦軸)とシリーズラウンド(横軸)でマッピングした業界マップ(カオスマップ)を作成すると以下の通りとなります。円の大きさは資金調達累計額となります。またIPOをした会社の場合は、直近1年間の資本金及び資本準備金の増減と合計を直近の資金調達額と資金調達累計額とみなしております。

温室効果ガス測定計測 業界マップ(2022年10月)
温室効果ガス測定計測 業界マップ(2022年10月)出所:Trancxn、会社情報より作成

温室効果ガス計測分野では、シリーズ前半の資金調達が続きます。海外ではGHGSat、Persefoni、Sweepなどがシリーズ前半では比較的大規模の調達に成功しています。日本からはゼロボード、アスエネ等の三井物産出身者によるスタートアップや、東京ガスや四国電力と組んでいるSUSTECHが先行しています。上記会社の資金調達累計額は、本ページの更新日時点で約373百万ドルとなっております。

市場シェアランキング

温室効果ガス計測会社の資金調達累計額を分子に、上述した温室効果ガス計測業界全体の資金調達額を分母にして、資金調達額シェアを計算し、ランキング化すると、1位はPersefoniとなります。

温室効果ガス計測会社の市場シェアランキング(資金調達累計額ベース)

順位会社名市場シェア
1位Persefoni27.1%
2位Sweep19.6%
3位ClimeCo Green13.4%
4位Normative12.2%
5位ClearTrace6.4%
6位Doconomy5.1%
7位アスエネ4.5%
8位GHGSat4.3%
9位PlanA2.7%
10位EmitWise2.7%
11位SUSTECH0.9%
12位ゼロボード0.6%
13位CarbonChain0.5%
温室効果ガス計測会社の市場シェアランキング(資金調達累計額ベース)出所:Trancxn、会社情報より作成
温室効果ガス計測会社の資金調達額シェア
温室効果ガス計測会社の資金調達額シェア 出所:Trancxn、会社情報より作成

市場規模

調査会社マーケッツアンドマーケッツによると、カーボンフットプリント管理の世界市場規模は、2020年の90億ドルから、2025年には122億ドルへと、年平均成長率6.2%で拡大すると予測しています。
調査会社アライドマーケットリサーチによると、排出量管理ソフトウェア市場は2020年に104億ドルで、2030年には436億ドルに達し、2021年から2030年までの年平均成長率は15.7%と推定しています。⇒参照したデータの詳細情報

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温室効果ガス計測会社の概要

GHGSat
本社所在地: カナダ
設立年: 2011年
創業者: Stephane Germain(創業者CEO)
温室効果ガス排出を監視するための衛星画像サービスを提供しています。温室効果ガスの排出データを収集するための独自のプラットフォームを開発し、地球を周回する衛星を打ち上げ、特定の波長の光の吸収量を分光して測定したり、ガス漏れを測定しています。

CarbonChain カーボンチェーン
本社所在地: イギリス
設立年: 2019年
創業者: Adam Hearne(Co-Founder & CEO)
資源採掘産業の企業がサプライチェーンの炭素排出量を追跡するためのプラットフォームを提供しています。

Sweep
本社所在地: フランス
設立年: 2020年
創業者: Rachel Delacour(Co-Founder & CEO)
企業の二酸化炭素排出量を整理し、測定するためのSaaS型プラットフォームを提供しています。

Persefoni パーセフォニ
本社所在地: 米国
設立年: 2020年
創業者: Kentaro Kawamori(Co-Founder & CEO)
パーセフォニは、カーボンフットプリント管理のためのソリューションを提供しています。

ClearTrace クリアトレース
本社所在地: 米国
設立年: 2020年
創業者: Evan Caron(Co-Founder)
エネルギーサプライチェーン全体の監査証跡を処理するためのクラウドベースプラットフォームです。プラットフォームを通じて気候会計を提供し、報告、監査、コンプライアンスのための真にデジタルでつながった手段を可能にします。

Doconomy
本社所在地: スウェーデン
設立年: 2018年
創業者: Johan Pihl(Co-Founder)
ライフスタイルインパクト、コーポレートインパクト、プロダクトインパクトなど、複数のCO2排出を効率的に行うためのカーボンフットプリントの使用状況を追跡・管理できるソリューションを提供しています。

PlanA
本社所在地: ドイツ
設立年: 2016年
創業者: Lubomila Jordanova(Founder & CEO)
データ収集と分析の自動化、データとビジュアルを用いたレポートの作成、具体的な行動による従業員への働きかけなどを支援するカーボンフットプリントの計算とオフセットのためのソリューションを提供しています。

EmitWise
本社所在地: イギリス
設立年: 2019年
創業者: Mauro Cozzi(Co-Founder & CEO)
顧客の会計、調達、およびエネルギー管理システムからのデータ取得を自動化し、カーボンフットプリント管理およびモニタリングのソリューションを提供しています。

ClimeCo Green
本社所在地: 米国
設立年: 2019年
顧客の会計、調達、およびエネルギー管理システムからのデータ取得を自動化し、カーボンフットプリント管理およびモニタリングのソリューションを提供しています。

Normative
本社所在地: スウェーデン
設立年: 2014年
創業者: Kristian Ronn(共同創業者CEO)
サステナビリティ・パフォーマンスを測定するためのSaaSベースのプラットフォームを展開しています。

アスエネ
本社所在地: 日本
設立年: 2019年
創業者: 西和田 浩平
アスゼロというブランドでCO2排出量算定SaaS事業を手掛けています。

SUSTECH
本社所在地: 日本
設立年: 2021年
創業者: 飯田祐一郎・丹野裕介
脱炭素化支援プラットフォーム「ELIC zero」を展開しています。

ゼロボード
本社所在地: 日本
設立年: 2021年
創業者: 渡慶次 道隆
企業向けのCO2排出量算定クラウドサービス「zeroboard」の開発を行っています。

booost technologies
本社所在地: 日本
設立年: 2015年
創業者: 青井 宏憲
CO2排出量可視化サービスをENERGY X GREENというクラウドを通じてサービスを提供しています。

温室効果ガス計測領域への主な投資家

SDTC,OGCI, Space Capital,Invest Quebec, Schlumberger,Y Combinator,Starlight Ventures, Lowercarbon Capital,Coatue, Future Shape,Balderton Capital,New Wave Ventures, The Rise Fund, Prelude Ventures,Rice Investment Group, NGP Energy Technology Partners,Clean Energy Ventures,CommerzVentures, Mastercard,HV Capital, Keen Venture Partners,Xplorer Capital, True Ventures,ArcTern Ventures, Social Impact Capital,True Ventures,Warburg Pincus,佐護勝紀, Tryfunds, Incubate Fund,環境エネルギー投資,STRIVE,Pavilion Capital,GMO VenturePartners,Axiom Asia Private Capital、グロービスキャピタルパートナーズなどが温室効果ガス計測分野に積極的に投資をしております。

参照したデータの詳細情報について


参照したデータは以下の通りです。リンク切れなどありましたら、お問い合わせのページからご連絡頂けますと大変有難く存じます。

参照した市場規模
Markets And Markets
Allied Market Research

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