世界最大級の暗号通貨取引所Coinbaseの資金調達推移と競合分析

Coinbaseは、2012年に米国で設立された暗号資産(仮想通貨)取引所を運営する暗号資産交換業者です。ビットコイン等の取引の仲介を始めた会社としては最古参の1社です。取引所プラットフォームとともに、暗号資産の動向に関する情報提供メディアも運営しており、順調に資金調達を重ね、2021年にダイレクトリスティングという新株発行を伴わない手法で上場を発表しました。

競合会社と市場規模

同社の目論見書によれば、競合する可能性のある暗号資産取引所としてitBit, Bitfinex, Bitstamp, bitFlyer, Binance, Kraken, Gemini, Bittrex, Poloniexが列挙されています。

調査会社のフォーチュンビジネスインサイツによると暗号資産業界は、ハードウェアとソフトウェアセグメントに分かれます。ハードウェアセグメントはマイニングマシンに代表される暗号資産の採掘用の機器がメインとなります。ソフトウェアは、交換取引所用のソフトウェア、支払、ウォレット、マイニング管理、送金に分類されます。同調査会社によると2019年の暗号資産業界の市場規模は約7.5億ドルとされ、2027年に向けて年平均11.2%の成長を見込みます。ただし、Coinbaseの目論見書から、同社の2020年度の売上高は約13億ドルと同レポート以上の規模となっており、金融商品取引所業界全体の市場規模に暗号資産取引所も含む必要があると考えています。

当サイトでは、調査会社のバートンテイラーコンサルティング(⇒参照したデータの詳細情報)の公表データを参考にし、暗号資産取引所も含む金融商品取引所業界の2020年の世界市場規模を356億ドルとしております。

類似会社との比較

暗号資産取引所の競合がほぼ非上場であることを考えれば、類似会社としては上場している金融商品取引所が考えられます。ここでは、Coinbaseとニューヨーク証券取引所(NYSE)を傘下におく取引所であるIntercontinental Exchange(ICE、インターコンチネンタル取引所)、先物・オプション取引を中心とした取引所であるCMEグループ、日本取引所グループ(JPX)の売上高と営業利益を比較しました。(2020年度決算。JPXは2019年度。1ドル=110円換算)

取引所の売上高と営業利益の比較
取引所の売上高と営業利益の比較©ディールラボ

Coinbaseは日本取引所グループと売上高や営業利益でほぼ同水準であることが分かります。

資金調達額と株式価値評価の推移

2018年までに約5億ドルを調達し、推定株式価値評価では80億ドルとなっています。主要VCにはa16zが含まれます。

Coinbaseの資金調達額の推移
Coinbaseの資金調達額の推移©ディールラボ
Coinbaseのバリュエーション推移
Coinbaseのバリュエーション推移

上場後の株価の推移

2021年4月15日にコインベースが無事上場しました。上場日の終値は終値328.28ドル(時価総額は860億ドル)です。最終ラウンド(シリーズE)の約10倍の株式価値となりました。