ばね業界の世界市場シェアの分析

ばね業界の世界市場シェアと市場規模について分析をしています。ばねメーカー世界大手であるムベア、ニッパツ、ソゲフィ、ケルン・リーバース、フロイデンベルク、三菱製鋼、Rassini、ジャムナオート、大円鋼業、中央発條の動向についても掲載しています。

【ばね業界とは】

ばね業界は、自動車、電子機器、建築、医療機器など、さまざまな産業分野で使用されるばねを製造・販売する業界を指します。ばねはその形状や用途により、コイルばね、板ばね、ガスばねなど多種多様に存在します。自動車産業では、サスペンションの一部として使用され、乗り心地や安全性を向上させる役割を果たします。電子機器では、スイッチや接点部分に使用され、機器の動作を支える重要な部分を担っています。

また、近年では医療分野でも使用されるようになり、例えば医療用ロボットの関節部分や、内視鏡の操作部分などに使用されています。

ばね業界は、これら多岐にわたる産業のニーズに応えるため、精密さや耐久性、軽量化などを追求し、日々進化しています。また、環境に配慮した製品開発や、リサイクル可能な素材の使用など、持続可能な社会への貢献も求められています。

【ばね業界の世界市場シェア】

ばね業界の2024年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2024年のばね業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はムベア、2位はニッパツ(日本発条)、3位は大円鋼業となります。

ばね業界の市場シェア(2024年)©2025 Deallab                         *2024年度数値が未発表のため、公式発表の2022年数値を発表
順位Company name(English)企業名(日本語)市場シェア
1位Mubeaムベア15.26%
2位NHK SPRING CO., LTD.ニッパツ(日本発条)8.24%
3位KERN-LIEBERSケルン・リーバース3.09%
4位SCHERDELシェルデル2.78%
5位Sogefi Groupソゲフィ2.39%
6位Chuo Spring Co., Ltd.中央発條2.39%
7位Mitsubishi Steel Mfg. Co., Ltd.三菱製鋼2.01%
8位Jamna Auto Industriesジャムナオート0.88%
9位Daewon Kangup大円鋼業*0.68%
ばね業界の推定市場規模推移 ©2025 Deallab                         *2024年度数値が未発表のため2022年度数値を採用

1位は自動車用部品メーカーのムベア。2位は自動車用ばねやシートに強みを持つニッパツ(日本発条)になります。3位はドイツに本拠を置くばねメーカー、ケルン・リーバースになります。

【ばね業界の世界市場規模】

当データベースでは、2024年のばね業界の市場規模を250億ドルとしております。参照した各種調査データは次の通りとなります。調査会社マキシマイズマーケットリサーチによると、2024年の同業界の市場規模は250億ドルです。2032年にかけて年平均4.85%で成長し、規模は365億ドルへと拡大することを見込んでいます。⇒参照したデータの詳細情報

市場規模成長率
2024250億ドル
2032365億ドル4.85%
ばね業界の世界市場規模の年平均成長率見込み(2024年) ©2025 Deallab
ばね業界の市場規模の予想成長推移 ©2025 Deallab

【ばね業界の動向】

航空機や自動車などの輸送機や各種産業機器等においてばねの弾性を利用した多数のばね(巻ばね、板ばね、皿ばね、空気ばねなど)が使用されています。輸送機では、防音や防振といった観点からサスペンションシステムに、またブレーキシステム、アクチュエータ、ドア、エンジン、燃料ポンプ等でも利用されています。自動車においては、動力機関の電動化により車体の軽量化が求められるため、今後は車体の構成要素であるばね自体も、さらなる軽量化が必要となってきます。

【M&Aの動向】

2016年 フロイデンベルグ、トレルボルグのビブラクスティック株式買収契約を締結 2020年 Kaman 社、Bal Seal Engineering, INC. の買収を完了 2023年 ムベアは航空宇宙産業における地位をさらに強化します。 – カナダ企業 Cyclone Manufacturing Inc. の買収 2024年 フロイデンベルグ・パフォーマンス・マテリアルズがヘイテックス・グループの主要部分を買収

さらに業界に詳しくなるためのお薦め書籍

ばねの設計と計算の作法―はじめてのコイルばね設計
ばね入門

【会社の概要】

Mubea(ムベア)

Josef Muhr氏によって1916年に設立された自動車用部品メーカーです。シャーシ、ボディ、パワートレイン向けに自動車用バネ、テーラーロール、スタビライザ等を提供しています。

Freudenberg Group(フロイデンベルク・グループ)

1849年に設立されたドイツの不織布などの繊維、自動車向け防振防音、洗浄剤などに強みを持つ会社です。自動車向けの防振防音ではシーリングや、2016年に買収した子会社のVibracousticを通じてエアスプリングを手掛けています。不織布では日本バイリーンを子会社化しています。洗浄剤はVileda、O-Cedarといったブランドで展開しています。

NHK SPRING CO., LTD.(ニッパツ、日本発条株式会社)

1936年に設立された自動車用ばねやシートに強みも持つ自動車部品会社です。板ばね、コイルばね、スタビライザ、トーションバー、ガスねじ、HDD用サスペンションなどを提供しています。

KERN-LIEBERS(ケルン・リーバース)

1888年に設立されたドイツに本拠をおくばねメーカーです、時計向けのばねが祖業です。ワイヤースプリング、ストリップストリング等を手掛けています。精密ばねに強みを持つCARL HAASを買収するなど事業を拡大しています。

SCHERDEL(シェルデル)

1889年に設立されたドイツに拠点を置く会社です。グラーフ・ツェッペリン飛行船、ル・マン24時間レースなどの エンジン、テクニカルスプリング、その他多くの技術部品に関連する動きと開発をしています。グループ企業は世界中に34の拠点を持ち、成形技術、組立・接合技術、表面技術、機械・工具・システム構築など、幅広い分野をカバーし提供しています。

Rassini(ラッシニ)

メキシコに本拠をおく自動車用サスペンション向けの巻ばね、板ばねメーカーです。メキシコ証券取引所に上場していましたが、2018年に投資会社GGIによって非上場化されました。

Sogefi Group(ソゲフィ グループ)

1980年に設立されたイタリアに本拠をおく自動車部品メーカーです。サスペンション、オイルフィルター、吸気や冷気システムに強みを持ちます。

Chuo Spring Co., Ltd.(中央発條株式会社)

トヨタグループのばねメーカーです。

Mitsubishi Steel Mfg. Co., Ltd.(三菱製鋼株式会社)

1907年設立のばね会社である東京スプリング製作所と三菱重工の長崎造船所における鋳鍛鋼品事業を源流とする製鋼会社です。三菱グループに属しています。製鋼事業では、クランクシャフト、ギア、旋回輪等を、ばね事業では巻ばね、板ばね、スタビライザ、特殊ばね等を手掛けています。

Jamna Auto Industries(ジャムナオートインダストリーズ)

1954年に設立されたインドに本拠をおく自動車用サスペンションスプリングメーカーです。タタ自動車、アショックレイランド、スズキ等へばねを販売しています。

Daewon Kangup(大円鋼業)

韓国に本拠をおくDaewonグループのサスペンション向けばねメーカーです。精密ばねも手掛けています。

その他のばねメーカー

会社名特徴
John Evans’Sons1850年創業の米国の精密ばね会社。航空機メーカー等へ納入。非上場
Emco Industries米国の板ばね会社。非上場
McAllisterカナダに本拠をおくコイルスプリングメーカー
Eaton Detroit springs米国に本拠を置くコイルスプリングメーカー
Gala Groupインドのディスクスプリング会社
Dendoff Springs1906年に設立された米国に本拠をおく巻ばねメーカー
Hendrickson1913年に設立された大型車両向けに強みを持つばねメーカー
その他のばねメーカー ©2025 Deallab

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参照したデータの詳細情報について


ばねメーカーの売上高ランキング(2022年)

参照したデータは以下の通りです。リンク切れなどありましたら、お問い合わせのページからご連絡頂けますと大変有難く存じます。

参照した市場規模の情報 ※以下のsourceは御覧いただきますタイミングにより上記市場規模と数値が異なる場合がございます。

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