NTTデータの歴史は1967年に日本電信電話公社データ通信本部を設置したことから始まります。日本における社会インフラや電子計算機にかかわる事業を中心に展開しておりました。1988年にNTTデータ通信株式会社が設立され公共・金融・産業と、システム開発による新たな市場を開拓し、規模をより拡大していきました。2005年以降はM&Aなどを通して海外進出を行い、世界で広く知られている企業になりました。
2020年度
売上高は前年度比2%増の23,187億円になりました。営業利益は6.3%増の1,392億円になりました。営業利益率は6%になりました。売上高は、国内事業を中心とした規模拡大等により増加しました。また、営業利益は不採算案件の抑制及び増収等により増加しました。
2021年度
売上高は前年度比10%増の25,519億円になりました。営業利益は52.8%増の2,126億円になりました。営業利益率は8%になりました。売上高は全セグメントにおける規模拡大や、為替の影響により増加しました。また、営業利益は増収及び海外における事業構造変革の効果等により増益しました。
2022年度
売上高は前年度比37%増の34,902億円になりました。営業利益は21.9%増の2,591億円になりました。営業利益率は7%になりました。売上高は昨年度同様に全セグメントにおける規模拡大及び為替影響、連結拡大影響により増収しました。また、営業利益は全社戦略投資の増加及び不採算案件の損失があったものの、連結拡大影響や増収の影響で増益しました。
2023年度
売上高は前年度比25%増の43,674億円になりました。営業利益は19.5%増の3,096億円になりました。営業利益率は7%になりました。NTT Ltd.の連結拡大及び為替影響等に加え、日本・欧州における規模拡大により売上高・営業利益ともに増収増益となりました。
2024年度
売上高は前年度比6%増の46,387億円になりました。営業利益は4.6%増の3,239億円になりました。営業利益率は7%になりました。売上高は日本セグメントは増収、海外セグメントも為替影響により増収しました。また、営業利益は海外セグメントは減益したものの、日本セグメントは増益し、全体としては増益しました。
NTTデータの業績推移
2023年第4四半期(1ー3月)
売上高は前年同期比10%の11,912億円になりました。営業利益は1,125億円、営業利益率は9%になりました。
2024年第1四半期(4ー6月)
売上高は前年同期比9.6%増の11,121億円になりました。営業利益は586億円、営業利益率は5%になりました。中央府省向け案件の拡大やデータセンター事業、SAP事業の規模拡大により売上は増収しました。一方、前年度高利益率案件の反動減や通信端末機器販売事業の減収により営業利益はほとんど変化しませんでした。
2024年第2四半期(7ー9月)
売上高は前年同期比6.1%増の11,280億円になりました。営業利益は904億円、営業利益率は8%になりました。中央府省向け案件の規模拡大や海外ではデータセンター事業、SAP事業の拡大で増収しました。また、不採算費用の剥落や事業構造改革費用の剥落により営業利益も増益しました。
2024年第3四半期(10ー12月)
売上高は前年同期比6.4%増の11,677億円になりました。営業利益は870億円、営業利益率は7%になりました。中央府省、金融機関、製造・サービス業向けの案件増加や海外でのSAP事業の規模拡大により増収、GTSSやNorth Americaでの増益などが利益の向上の要因になりました。
2024年第4四半期(1ー3月)
売上高は前年同期比3.3%増の12,310億円になりました。営業利益は879億円、営業利益率は7%になりました。
NTTデータの四半期業績推移
希薄化後EPSは前年度比11%減の95.48円になりました。1株当たりの配当は前年度比5%増 の23円になりました。配当性向は24%になりました。
NTTデータのEPS・1株配当・配当性向の推移
2026年3月期
2025年3月期の決算説明資料において今期の売上高は49,367億円、営業利益は5,220億円、営業利益率は10.6%の見込みがあると記載されております。
セグメントは、「メンテナンス・サポート」、「通信端末機器販売及びその他のサービス」、「システム・ソフトウェア開発」、「総合ITソリューション」、「コンサルティング」、「データセンター」の6つに分類されます。セグメント別の売上構成は以下の通りです。
NTTデータの売上構成(2024年度)
メンテナンス・サポート
AMO(顧客のアプリケーションの運用保守)・ITO(顧客が利用する社内システムにワンストップで保守運用)・BPO(顧客の業務の一部を請負、効率的な業務運用を実現)サービスなどの顧客へ成果物の移転を伴わないシステム開発等のための技術支援、もしくは保持・維持・運用等を行うサービスを提供しております。前年度同期に比べて570億ほど売上を伸ばしています。
通信端末機器販売等及びその他のサービス
NTT Ltd.が行うビジネスで主に通信端末機器販売及びその保守サービスを行っております。前者では企業向けネットワークに利用する通信利用端末機器を販売しており後者はNTTデータグループが提供するサービスを顧客が利用するという仕組みになっております。
システム・ソフトウェア開発
顧客の情報システムの企画・設計・開発等を受託し、顧客に納品しております。前年度同期に比べて430億ほど売上を伸ばしています。
総合ITソリューション
NTTデータグループが設備資産を保有し、顧客に役務提供等を行うサービスを提供しております。前年度同期とほぼ変わらず売上は横ばいになっております。
コンサルティング
システム・ソフトウェア開発を伴わない要件定義書の作成、市場調査等の顧客への成果物の移転を伴うものまたは顧客への成果物の移転を伴なわない顧客ビジネスの改善等を行っております。前年度同期に比べて370億ほど売上を伸ばしています。
データセンター
NTT Ltd.が行うビジネスでNTTデータグループがデータセンター等の資産を保有し、電力供給やネットワーク等を含む運営管理サービスを提供しております。
2020年 子会社のNTT DATA Servicesを通じて企業のデジタルフロー実現をサポートする米国Acorioを買収 お客様のデジタルフローの確立を支援するための専門的知見の獲得を目指す
2020年 子会社のNTT DATA Servicesを通じてお客様によるデータ・アナリティクスの活用を支援する米国Hashmapを買収 北米でのデジタル強化が目的
2021年 子会社のNTT DATA Servicesを通じてクラウド環境のアプリケーション開発に強みがある米国Nexientを買収 アプリケーション開発の観点から、デジタル対応力を強化
2021年 子会社のNTT DATA Servicesを通じてサプライチェーン領域におけるコンサルティングおよびアナリティクスに強みがある米国Chainalyticsを買収 コロナ渦で表面化した同領域の課題に対するコンサルティングの強化
2022年 子会社のNTT DATA Servicesを通じてCXデザインおよびアプリケーション開発に強みのある米国Vectorformを買収
2022年 子会社のNTT DATA Business Solutions AGを通じてSAPサービスプロバイダーのひとつで高度な専門性と実績をもつブルガリアBusiness Services and Technologiesの株式の過半数を譲り受ける グローバルでのサービス展開力が目的
2022年 子会社のNTT DATA Servicesを通じて、デジタルデザイン・アプリケーション開発に強みがある米国Postlightを買収 北米におけるアプリケーション開発・モダーン領域の強化が目的
2022年 子会社のNTT DATA Business Solutions AGを通じてSAP S/4HANAのマイグレーションに強みのあるドイツNatuvionを買収
2022年 子会社のNTT DATA Servicesを通じてiPaaS市場におけるリーダーであるMuleSoftを活用したデジタルコンサルティング企業の米国Apiseroを買収
2022年 子会社のNTT DATA Servicesを通じてデジタルデザインおよびアプリケーション開発に強みのあるメキシコUmvelを買収 北米分野におけるデジタル戦略の柱であるアプリケーション開発・モダナイゼーション領域の強化が目的
2022年 子会社のNTT DATA, Incを通じてデータ・アナリティクス領域のアドバイザリー業務に強く、顧客のデジタル戦略の推進やビジネス課題の解決を支援する米国Aspirentを買収 北米のデジタル戦略の一つである同上領域のオファリング拡充が目的
2023年 子会社のNTT DATA Business Solutions AGを通じてブラジルで小売、貿易、物流、産業、商品取引所等の分野の顧客基盤をもつブラジルConexosの株式の過半を譲り受ける
2023年 子会社のNTT DATA Business Solutions AGを通じてSAPクラウド・デジタルビジネス分野で強みのある英国Sapphire Systemsを買収 同分野におけるケイパビリティ強化が目的
2024年 子会社のNTT DATA Business Solutions AGを通じてインドで製薬・ライフサイエンス企業向けのコンサルティング、システム導入、マネージドサービス、自社SaaSソリューションを提供しているインドProven Techを買収 SAP関連サービス及びアセットの強化が目的
2025年 子会社のNTT DATA Business Solutions AGを通じてブラジルでServiceNowソリューションのコンサルティング、システム導入、マネージメントサービス等を提供しているブラジルAoopを買収 クラウド・デジタル関連サービスの強化が目的