ファーストリテイリングの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

ファーストリテイリング株式会社は、日本発の世界的アパレル企業で、「ユニクロ(UNIQLO)」を中心とするブランドを展開しています。ユニクロはアジア、欧米を中心に25以上の国と地域に展開し、全世界の店舗数は2,400店以上。SPA(製造小売業)モデルにより、商品企画から販売までを自社で一貫管理しています。「ファッションと低価格」を強みとするジーユーは、日本を中心に472店舗を展開し、売上収益は3,191億円まで拡大しました。

業績推移(年次)


2020年度
売上高は前年度比12%減の2,008,846百万円になりました。営業利益は42.03%減の149,347百万円になりました。営業利益率は7%になりました。

売上総利益率は、商品仕入れの為替レートが円高傾向にあったこと、集客のための過度な値引きを抑制したことで、前期比2.4ポイント改善しました。

2021年度
売上高は前年度比6%増の2,132,992百万円になりました。営業利益は66.73%増の249,011百万円になりました。営業利益率は12%になりました。

売上総利益率は前期比1.4ポイント改善しました。これは、主に値引き販売を抑制したこと、原価改善の取り組みを進めたことによります。

2022年度
売上高は前年度比8%増の2,301,122百万円になりました。営業利益は19.40%増の297,325百万円になりました。営業利益率は13%になりました。
売上総利益率は、原材料や輸送費の高騰で原価率が悪化した一方で、販売価格のコントロールを徹底したことで値引率が大幅に改善したことから、前期比2.5ポイント改善しました。

2023年度
売上高は前年度比20%増の2,766,557百万円になりました。営業利益は28.17%増の381,090百万円になりました。営業利益率は14%になりました。

上期は、気温が低く推移し、ヒートテックインナーなどの冬物商品の販売が好調で、前年同期比10.0%の大幅な増収となりました。下期は、エアリズムインナー、感動ジャケット、タックパンツなどの販売が好調に推移し、同4.7%の増収となりました。

2024年度
売上高は前年度比12%増の3,103,836百万円になりました。営業利益は31.44%増の500,904百万円になりました。営業利益率は16%になりました。
世界中でユニクロの知名度が高まっていることから、インバウンド販売が好調で増収に寄与しました。

ファーストリテイリングの業績推移

ファーストリテイリングの業績推移

業績推移(四半期)


2024年第2四半期(12ー2月)
売上高は前年同期比4.95%増の788,166百万円になりました。営業利益は110,399百万円、営業利益率は14%になりました。
売上総利益率は、主に原価率の改善により、同3.6ポイントの大幅な改善となりました

2024年第3四半期(3ー5月)
売上高は前年同期比13.51%増の767,502百万円になりました。営業利益は144,718百万円、営業利益率は19%になりました。
売上高利益率が改善したのは、在庫処分のための値引き販売が減少し、値引率が改善したことに加え、追加生産に使用するスポット為替レートの影響が前年比で減少し、原価率が改善したことによります。

2024年第4四半期(6ー8月)
売上高は前年同期比18.34%増の737,335百万円になりました。営業利益は99,101百万円、営業利益率は13%になりました。
世界中でユニクロの知名度が高まっていることから、インバウンド販売が好調で増収に寄与しました。

2025年第1四半期(9ー11月)
売上高は前年同期比10.40%増の895,192百万円になりました。営業利益は157,556百万円、営業利益率は18%になりました。
9月は、夏物商品の在庫を十分にもち、売り込みを強化したことで販売が好調で、11月は、ヒートテックインナーやカシミヤなどの冬物防寒衣料の販売が好調だったことに加え、40周年感謝祭も大盛況となりました。

2025年第2四半期(12ー2月)
売上高は前年同期比13.56%増の895,006百万円になりました。営業利益は304,217百万円、営業利益率は34%になりました。
気温に合わせて戦略的に商品とマーケティングを展開したことで、通年商品や防寒衣料を中心に販売が好調だったことに加え、インバウンド販売も拡大したことで、既存店売上高(Eコマースを含む)は同9.8%の増収となりました。売上総利益率は、値引率が改善したことで、同0.8ポイント改善しました。売上高販管費率は、人件費比率や賃借料比率が低下したことで、同1.4ポイント改善しました。

ファーストリテイリングの四半期業績推移

ファーストリテイリングの四半期業績推移

EPS・1株配当・配当性向の推移


希薄化後EPSは前年度比26%増の1,210.81円になりました。1株当たりの配当は前年度比36%増の225.00円になりました。配当性向は19%になりました。

ファーストリテイリングのEPS・1株配当・配当性向の推移

ファーストリテイリングのEPS・1株配当・配当性向の推移

業績予想

2025年8月
今期の売上高は3,400,000百万円、営業利益は530,000百万円、営業利益率は15.5%、1株配当は450円を見込みます。

売上構成

セグメントは、4つに分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

海外ユニクロ事業
ユニクロは、お客様の声を商品の開発・改善に反映させ、企画、生産、物流、販売を一貫して自社で管理していることが強みです。着心地が良く、快適な時間を過ごせる服へのニーズの高まりに伴い、世界各地でLifeWearへの支持が高まっています。

国内ユニクロ事業
ユニクロは、お客様の声を商品の開発・改善に反映させ、企画、生産、物流、販売を一貫して自社で管理していることが強みです。着心地が良く、快適な時間を過ごせる服へのニーズの高まりに伴い、世界各地でLifeWearへの支持が高まっています。

ジーユー事業
ジーユーは2024年9月、米国ニューヨークに海外初の旗艦店「ジーユーソーホー ニューヨーク店」と、米国全土をカバーするオンラインストアをオープンしました。2022年10月から約2年間出店していたポップアップストアで手応えを得て、本格的に米国への進出を果たしました。

グローバルブランド事業
世界に、セオリー事業、プラステ事業、コントワー・デ・コトニエ事業、プリンセス ム・タム事業を展開しています。

ファーストリテイリングの売上構成(2024年度)

ファーストリテイリングの売上構成(2024年度)

M&A情報


2004年 レディ-スアパレルnational standard(ナショナルスタンダード)を展開する(株)ナショナルスタンダードを子会社化
2005年 靴小売チェーンのワンゾーンを子会社化
2005年 コントワー・デ・コトニエを展開するネルソンフィナンス社(現クリエーション ネルソン)の経営権を取得2005年
2005年 イタリアで展開するASPESI(アスペジ)ブランドの日本における販売子会社、アスペジ・ジャパン(株)を子会社化
2006年 フランスの代表的なランジェリーブランドPRINCESSE TAM.TAM(プリンセス タム・タム)を展開するプティ ヴィクル社を子会社化
2008年 株式会社ビューカンパニーを公開買付けにより完全子会社化
2009年 リンク・セオリー・ジャパンを公開買付けにより子会社化

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