サムスン電子の市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析


Samsung(サムスン電子)は、韓国を代表する総合電機メーカーであり、世界最大級の半導体・スマートフォン・テレビメーカーです。半導体では、DRAMやNAND型フラッシュメモリ、SSDの自社製造に加え、ロジック半導体の受託生産(ファウンドリ)も展開するなど、メモリとロジックの両面で世界的な存在感を持ちます。最終製品では、Galaxyスマートフォンやテレビ、白物家電を手掛け、垂直統合型の製造体制を強みに高い競争力を維持しています。

グループ企業との連携も特徴で、ディスプレイパネルはサムスンディスプレイ、リチウムイオン電池はサムスンSDI、電子部品はサムスン電機、造船はサムスン重工業、バイオ医薬品の製造はサムスンバイオロジクスが担い、広範な製造エコシステムを形成しています。さらに、2016年に買収したハーマンを通じて車載音響やコネクテッドカー領域にも事業を拡大しており、エレクトロニクス分野全体での事業基盤を強化しています。

業績推移(年次)
2021年度
売上高は 279.6兆ウォン で、前年度比18%増となりました。営業利益は 51.6兆ウォン になりました。営業利益率は18%になりました。売上の増加は、半導体セグメントの売上が大きく成長したためです。また、半導体セグメントの営業利益率も26%から31%へ増加し、営業利益の増加に影響を与えました。

2022年度
売上高は 302.2兆ウォン で、前年度比8%増となりました。営業利益は 43.4兆ウォン になりました。営業利益率は14%になりました。粗利率の低下が営業利益の減少につながりました。

2023年度
売上高は 258.9兆ウォン で、前年度比14%減となりました。営業利益は 6.6兆ウォン になりました。営業利益率は3%になりました。

半導体市況悪化に伴うDS部門の大幅赤字と在庫評価損が利益を圧迫しました。スマホやディスプレイなど主要セグメントも減収となり、ハーマン以外の全セグメントで売上が減少しました。製品別ではメモリが増収となった一方、イメージセンサー、スマホ、ディスプレイが減収となりました。

2024年度
売上高は 300.9兆ウォン で、前年度比17%増となりました。営業利益は 32.7兆ウォン になりました。営業利益率は11%になりました。半導体価格の回復が利益改善に寄与しました。

2025年度
売上高は 333.6兆ウォン で、前年度比11%増となりました。営業利益は 43.6兆ウォン になりました。営業利益率は13%になりました。高付加価値メモリの需要増が収益を押し上げました。

サムスン電子の業績推移

サムスン電子の業績推移

業績推移(四半期)
2024年第4四半期(10–12月)
売上高は前年同期比11.82%増の 75兆7,882億ウォン になりました。営業利益は 6兆4,927億ウォン、営業利益率は 8.57% になりました。半導体市況の底打ちで利益が改善し始めました。

2025年第1四半期(1–3月)
売上高は前年同期比10.05%増の 79兆1,405億ウォン になりました。営業利益は 6兆6,852億ウォン、営業利益率は 8.45% になりました。AI向けメモリ需要が堅調で収益を下支えしました。

2025年第2四半期(4–6月)
売上高は前年同期比0.67%増の 74兆5,663億ウォン になりました。営業利益は 4兆6,761億ウォン、営業利益率は 6.27% になりました。季節性と価格調整の影響で利益率が一時的に低下しました。

2025年第3四半期(7–9月)
売上高は前年同期比8.80%増の 86兆617億ウォン になりました。営業利益は 12兆1,661億ウォン、営業利益率は 14.14% になりました。高付加価値メモリの販売が伸び、利益率が大きく改善しました。

2025年第4四半期(10–12月)
売上高は前年同期比23.82%増の 93兆8,374億ウォン になりました。営業利益は 20兆736億ウォン、営業利益率は 21.39% になりました。AIサーバー向けメモリ需要が急増し、四半期として過去最高水準の利益率となりました。

サムスン電子の四半期業績推移

サムスン電子の四半期業績推移

EPS・配当額・配当性向の推移
2025年の希薄化後EPSは前年度比33.39%増の6,603ウォンとなりました。1株当たりの配当は、年末に実施された特別配当が上乗せされた結果、前年度比15.35%増の1,668ウォンになりました。配当性向は25.32%となり、利益成長と安定配当のバランスが取れた水準となりました。

サムスン電子のEPS・1株配当・配当性向の推移

サムスン電子のEPS・1株配当・配当性向の推移

業績予想
2026年(2026年5月時点)

通期の業績について、サムスン電子は数値予想を公表していませんが、公式報告書によると、半導体はAI向け需要とメモリ価格の回復が継続し、スマホはプレミアムモデルの販売強化、ディスプレイは高付加価値パネルの需要増を見込むとされています。配当は安定配当方針を維持するとしています。

2026年第1四半期(1–3月)

サムスンは四半期の業績予想を公表していませんが、公式報告書によると、半導体の市況改善が続き、AIサーバー向け需要が収益を押し上げるとされています。一方、スマホやディスプレイは季節性の影響を受けるとしています。

⑥売上構成
サムスンのセグメントは、スマホやTVなどを取り扱うDX (Device eXperience)部門、半導体を取り扱うDS (Device Solutions)部門、スマホ・TV用有機EL(OLED)パネルなどを取り扱うディスプレイ部門、車載音響機器などを取り扱うHarman部門に分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

サムスン電子のセグメント別売上構成(2025年度)

サムスン電子のセグメント別売上構成(2025年度)

DX (Device Experience) 部門:
スマートフォンの「Galaxy」シリーズ、ネットワーク機器、テレビ、生活家電(冷蔵庫、洗濯機等)が含まれます。最終製品をエンドユーザーに届ける消費者向け部門です。

DS (Device Solutions) 部門:
半導体(メモリ、ファウンドリ、システムLSI)事業。サムスンの収益の柱であり、技術的競争力の源泉です。

SDC (Samsung Display):
スマホやテレビ、ノートPC向けの有機EL(OLED)およびパネル事業。

Harman:
車載オーディオ、インフォテインメント、コネクテッドカーソリューション。

M&A情報


2014年 バーチャルマシンのソフトウェアを開発するProximal Dataを買収
2015年 デジタルビルボードなどを手掛けるYESCO Electronicsを買収
2016年 AIアシスタントシステムを提供するVivを買収
2016年 カード発行会社、加盟店取得会社、医療機関、銀行などのさまざまな分野にトランザクションデータ転送システムを提供することを専門としていNewNet Communication Technologies (Canada)を買収
2017年 自動車技術やオーディオ、照明などを提供するHarman International Industriesを買収
2023年 Rainbow Roboticsを買収・連結子会社化

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