片倉コープアグリは、2015年に片倉チッカリンとコープケミカルが経営統合をして誕生しました。源流は1920年に設立された片倉工業系の肥料企業です。JA全農や丸紅が大株主となっています。化成肥料・配合肥料・液体・有機質肥料や培土に強みを持ちます。
2018年度
売上高は38,333百万円で、前年度比3%増となりました。営業利益は1,213百万円になりました。営業利益率は3.2%になりました。主力である肥料事業では、農業従事者の施肥労力を軽減する機能性肥料をはじめ付加価値の高い品目を中心とした営業活動に努めています。また、国内トップクラスの肥料メーカーとして、生産・販売の効率を上げるよう徹底した合理化を行い、価格競争力の強化に取り組んでいます。化学品事業では、化成品においては、低廉な原料確保や新規ユーザーの獲得に尽力しています。化粧品原料及び無機素材においては、当社独自の技術力を活かした営業活動を行い、国内及び海外展開を含めた拡販に取り組んでいます。不動産事業では、現状の賃貸物件による安定的な収益の確保に努めています。肥料事業は、集中購買品の受注増及び農業従事者の施肥労力を軽減する機能性肥料等、当社独自の技術力を活かした製品の営業活動に努めた結果、売上高29,842百万円(前年同期比2.0%増)となりました。一方、集中購買品の受注獲得のため利幅を抑えた結果、受注増に繋がったものの利益が減少し、セグメント利益は1,567百万円(前年同期比9.7%減)となりました。化学品事業は各分野好調に推移し、中でも工業用リン酸、飼料用リン酸カルシウムの販売が伸び、売上高6,089百万円(前年同期比7.8%増)、セグメント利益は398百万円(前年同期比11.0%増)となりました。不動産事業は、オフィスビルや商業施設等、既存物件の安定的な収益確保により、売上高618百万円(前年同期比0.6%増)、セグメント利益は375百万円(前年同期比7.6%増)となりました。その他の事業は、プラント施工事業の受注増により売上高2,911百万円(前年同期比1.1%増)となったものの、ミャンマーにおける肥料生産販売事業の技術指導が昨年度で終了したことにより、セグメント損失は70百万円(前年同期は59百万円の損失)となりました。
2019年度
売上高は37,561百万円で、前年度比2%減となりました。営業利益は1,409百万円になりました。営業利益率は3.8%になりました。主力である肥料事業では、農業従事者の施肥労力を軽減する機能性肥料等の当社の技術力・商品力を活かした付加価値の高い品目を中心とした営業活動に努めています。また、国内トップクラスの肥料メーカーとして、価格競争に対応すべく生産・販売の効率を上げるよう徹底した合理化を行い、収益基盤の強化に取り組んでいます。化学品事業では、化成品においては、低廉な原料確保や新規ユーザーの獲得に尽力しています。化粧品原料及び無機素材においては、当社独自の技術力を活かした製品開発を行い、国内及び海外展開を含めた拡販に取り組んでいます。不動産事業では、現状の賃貸物件による安定的な収益の確保に努めています。肥料事業は、利幅を抑えた集中購買品の受注増、及び従来製品の数量減により、売上高29,599百万円(前年同期比0.8%減)となりました。一方、利益面では、生産効率の向上及びコストの削減により、セグメント利益は1,725百万円(前年同期比10.1%増)となりました。化学品事業は、工業用リン酸や飼料用リン酸カルシウムを中心に販売数量が減少し、売上高5,430百万円(前年同期比10.8%減)となりました。一方、利益面では、輸入原料価格が抑えられたことにより原価率が良化し、セグメント利益は414百万円(前年同期比4.1%増)となりました。不動産事業は、現状の賃貸物件による安定的な収益を確保し、売上高618百万円(前年同期比0.1%増)、セグメント利益は374百万円(前年同期比0.3%減)となりました。その他の事業は、プラント施工の受注増により売上高3,118百万円(前年同期比7.1%増)となりましたが、海外事業の先行費用が継続しており、セグメント損失は41百万円(前年同期は70百万円の損失)となりました。
2020年度
売上高は35,444百万円で、前年度比6%減となりました。営業利益は1,242百万円になりました。営業利益率は3.5%になりました。主力である肥料事業では、政府や当社最大の取引先である全国農業協同組合連合会の生産資材価格引き下げ施策により、業界内の価格競争に一層拍車がかかっております。肥料事業は、農業従事者の施肥労力を軽減する機能性肥料等、付加価値の高い品目を中心とした営業活動に努めたものの、販売数量の減少及び肥料価格の値下がりにより、売上高28,454百万円(前年同期比3.9%減)、セグメント利益は1,517百万円(前年同期比12.0%減)となりました。化学品事業は、中国における化粧品原料の販売が好調に推移したものの、工業用リン酸や無機素材を中心に販売が減少したことにより、売上高4,745百万円(前年同期比12.6%減)、セグメント利益は395百万円(前年同期比4.5%減)となりました。不動産事業は、渋谷駅前に有する物件の賃貸契約終了により賃料収入が減少し、売上高545百万円(前年同期比11.9%減)、セグメント利益は298百万円(前年同期比20.4%減)となりました。その他の事業は、食品農産物の販売が好調に推移したものの、設備工事等の受注減、及び海外事業における先行費用の継続により、売上高3,000百万円(前年同期比3.8%減)、セグメント損失は47百万円(前年同期は41百万円の損失)となりました。
2021年度
売上高は38,960百万円で、前年度比10%増となりました。営業利益は1,123百万円になりました。営業利益率は2.9%になりました。主力である肥料事業では、耕作放棄地の拡大等による構造的問題に加え、環境配慮を目的とした施肥量見直し等の潮流により、国内の肥料消費量は減少傾向にあります。また、新型コロナウイルスによる経済的影響や、ロシアのウクライナ侵攻を背景とした世界的な需給変動により原油価格、原料価格が高騰しており、市況動向は極めて不透明な状況となっております。肥料事業は、肥料価格の値上がりにより、売上高30,828百万円(前年同期比8.3%増)となったものの、燃電力料及び原料価格の高騰により、セグメント利益は1,274百万円(前年同期比16.1%減)となりました。化学品事業は、原料価格高騰による工業用リン酸販売価格の見直し、及びHALAL認証を活かした東南アジア向け化粧品原料等の販売数量が好調に推移したことにより、売上高6,045百万円(前年同期比27.4%増)、セグメント利益は624百万円(前年同期比57.9%増)となりました。不動産事業は、渋谷駅前に有する物件のテナント変更等により賃料収入が減少し、売上高399百万円(前年同期比26.7%減)、セグメント利益は143百万円(前年同期比51.7%減)となりました。その他の事業は、運送・請負事業、食品農産物販売が好調に推移したことにより、売上高3,110百万円(前年同期比3.7%増)、セグメント利益は51百万円(前年同期は47百万円の損失)となりました。
2022年度
売上高は51,031百万円で、前年度比31%増となりました。営業利益は3,557百万円になりました。営業利益率は7%になりました。主力である肥料事業では、世界的な食糧生産や人口増加に伴う旺盛な肥料需要のなか、ロシアのウクライナ侵攻等、世界有数の肥料輸出国の政治的問題を背景に世界的な需給が逼迫し、肥料原料の国際市況は一時史上最高値まで上昇致しました。その後、穀物相場の下落や端境期での需給緩和により一部原料は国際市況が軟化しておりますが、当連結会計年度における肥料原料価格は高い水準で推移したことに加え、燃料価格の高騰や各国の金融引き締め政策等による急激な円安、物価の上昇等の影響により、市場動向は極めて不透明な状況で推移してまいりました。肥料事業は、原価に占める原材料費の割合が高いため、原料価格が大きく上昇あるいは下落する会計期間においては、安定供給のため保有している原料及び製品在庫が損益に大きく影響を与えます。当連結会計年度については、原料価格高騰に伴う6月及び11月の二度に亘る肥料価格値上がりにより、売上高41,847百万円(前年同期比35.7%増)、利益面においては肥料価格値上げ前に調達した原料に起因する売買差益等により、セグメント利益は3,820百万円(前年同期比199.8%増)となりました。化学品事業は、原料価格高騰による工業用リン酸販売価格の見直し及び飼料の販売が好調に推移したことにより、売上高7,222百万円(前年同期比19.5%増)、利益面においては化粧品原料及び無機素材の販売数量が減少したことにより、セグメント利益は600百万円(前年同期比3.9%減)となりました。不動産事業は、渋谷駅前に有する物件のテナント変更等により賃料収入が増加し、売上高429百万円(前年同期比7.4%増)、セグメント利益は173百万円(前年同期比20.2%増)となりました。その他の事業は、連結子会社において食品農産物の販売が減少したことにより、売上高3,058百万円(前年同期比1.7%減)、利益面においては設備工事等の受注が増加したことにより、セグメント利益は73百万円(前年同期比42.9%増)となりました。
2022年度第2四半期(07ー09月)
売上高は11,002百万円になりました。営業利益は1,402百万円、営業利益率は13%になりました。
2022年度第3四半期(10ー12月)
売上高は14,576百万円になりました。営業利益は1,232百万円、営業利益率は8%になりました。
2022年度第4四半期(01ー03月)
売上高は13,600百万円になりました。営業利益は378百万円、営業利益率は3%になりました。
2023年度第1四半期(04ー06月)
売上高は10,402百万円になりました。営業利益は103百万円、営業利益率は1%になりました。
2023年度第2四半期(07ー09月)
売上高は8,456百万円になりました。営業利益は340百万円の赤字になりました。
希薄化後EPSは前年度比24.90%増の114.15円になりました。1株当たりの配当は前年度比14.00%増の57.00円になりました。配当性向は49.93%になりました。
2023年11月
2023年度第二四半期の決算短信において、2023年度通年の売上高は45,000百万円、営業利益は1,000百万円を予定していると掲載されています。
肥料や、リン酸、硫酸といった化成品を取り扱っています。前身の片倉チッカリンは果樹・園芸向けの有機質肥料に強く、コープケミカルは米や麦向けの化成肥料に強みをもっていました。
肥料事業
配合肥料、化成肥料、ペースト肥料等の各種肥料及び育苗培土を生産しております。農業資材のコスト低減、高付加価値化志向など農業の生産様式の多様化に対応して新肥料・新技術の開発を行うとともに、環境に調和した持続的な農業生産に資する、次のようなテーマを中心に研究開発を行っております。ペースト肥料やバイオスティミュラント資材など機能性肥料の開発と普及のための試験研究。土壌微生物の機能を利用した資材の開発および普及のための試験研究。堆肥や食品工業廃材など未利用資源の肥料利用。多様な栽培形態に対応し、環境に配慮した肥料・施肥技術の試験研究。産学官連携による基礎的研究にもとづく新技術・新商材の開発。スマート農業に関わる新たな農業支援技術の開発。このセグメントの売上に対する利益率は9%です。
化学品事業
化粧品、飼料用リン酸カルシウム、工業用リン酸、合成雲母等を生産しております。化学品事業については、農業以外の新素材関連の研究開発を行い、各種天然素材を用いた化粧品原料の開発及び合成雲母・合成スメクタイトの開発・改良を次のようなテーマで行っております。
天然素材からコラーゲンなど高付加価値原料の抽出・精製技術の開発。各種天然由来原料の老化抑制作用、美白作用などの機能性評価。各種植物原料の醗酵による新たな機能性製品の開発。食品包装フィルムのバリア機能の向上に向けた開発。化粧品(ファンデーション)用途ではより薄く且つ平滑性を高めた新銘柄の開発。電子材料用途ではナノ分散可能な新銘柄(有機スメクタイト)の開発。このセグメントの売上に対する利益率は8%です。
不動産事業
オフィスビルや営業用店舗等を賃貸し、保有する不動産の有効活用を行っております。このセグメントの売上に対する利益率は40%です。
2015年 片倉チッカリンとコープケミカルが経営統合
JA全農と丸紅が大株主となっています。