コンテナリース業界の世界市場シェアと市場規模の情報を分析しています。コンテナリース大手のトリトンインターナショナル、フローレンス、テクステイナー、サエコといった会社の動向も掲載しています。
コンテナリースの世界市場シェア
コンテナリース各社の2022年度の保有するコンテナ個数(⇒参照したデータの詳細情報)を分子に、後述する市場規模を分母にして、2022年のコンテナリース業界の市場シェアを簡易に計算すると、1位はトリトンインターナショナル、2位はテクステイナー、3位はフローレンスとなります。
コンテナリース業界の市場シェア(2022年)
順位 | 企業名 | 市場シェア |
---|---|---|
1位 | トリトンインターナショナル | 28.69% |
2位 | テクステイナー | 17.53% |
3位 | フローレンス | 15.50% |
4位 | 三菱HCキャピタル | 13.91% |
5位 | サエコ | 9.56% |
6位 | シーキューブ | 4.78% |
7位 | TOUAX | 1.53% |
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当サイトでは、全世界のコンテナ数と各社のコンテナ保有数をTEUベースで換算し、後者の値を前者の値で除算することで全世界のコンテナ数に対する各社のコンテナ保有率を算出し、グラフを作成しております。2022年には、三菱HCキャピタルが子会社のCIAと孫会社のBeacon Intermodal Leasingの経営統合を発表し、一気にシェアを拡大させました。リース業界は業種の特性上景気の影響を受けやすく、コロナ禍を契機に経営統合が進んだ可能性があります。今後もこうした流れが継続し、寡占化が進んでいくことになると見られており、適正な競争原理の維持が求められています。
市場規模
当サイトでは、コンテナリースの市場規模をTEUベースで、25.1百万TEUとしています。参照した情報は以下の通りです。
コンテナリース大手のトリトンインターナショナルによると、2019年から2022年のコンテナの市場規模はそれぞれ、42.2百万TEU、45百万TEU、48百万TEU、50.8百万TEUです。2020年は約50%が、2022年は約49%がコンテナリース向けコンテナです。
⇒参照したデータの詳細情報年 | 全世界コンテナ存在数 | コンテナリース数 | 前年成長率 |
---|---|---|---|
2022 | 50.8百万TEU | 25.1百万TEU | 1.6% |
2021 | 48百万TEU | 24.7百万TEU | 9.7% |
2020 | 45百万TEU | 22.5百万TEU | 1.8% |
©ディールラボ
なお、コンテナ船の大きさは、TEU(Twenty-foot Equivalent Units)という単位で表現されています。1TEU は、20 フィート(6m)コンテナの 1 個分に相当します。積荷の目安のサイズは、幅2.35m×高さ2.38m×長さ5.9m、最大積載量は約33m³程度、重量の上限は 22,000kg程度です。
コンテナの種類

ドライスタンダード
スチール製のルーフ、エンドパネル、サイドパネルが標準装備されている、よく見かけるコンテナです。半製品、完成品、原材料、農産物などの輸送に使用されます。

Reefer(リーファー)
冷蔵コンテナです。断熱材を装着したスチール製クラッドと 外部に設置された温度制御装置で 庫内の温度をコントロールできます。肉、魚、果物、食品など、冷凍品や温度に敏感な商品を運ぶのに適しています。

特殊コンテナ
板ガラス、大型機械、車両などの輸送に使用されるコンテナです。
このほかに液体を運ぶタンクコンテナがあります。
M&Aの動向
2019年 Texttainer が Leased Assets Pool Company Limited を 6,600 万米ドルで買収
2021年 三菱HCキャピタル、米コンテナリース大手CIAを買収
2021年 三菱UFJリースと日立キャピタルが合併、三菱HCキャピタルヘ
2022年 三菱HCキャピタル、子会社のCIAと孫会社のBeacon Intermodal Leasingを経営統合
コンテナリース大手の概要と動向
Triton International(トリトンインターナショナル)
1980年にエドワードシュナイダー氏によって設立されたインターモーダル輸送(貨物を入れ替えずに海路、陸路を輸送する方法)向けのコンテナリース大手です。ニューヨーク証券取引所に上場しています。2016年7月、同社はトリトン・コンテナ・インターナショナルと合併し、当時の市場シェア26%を持つ最大手のコンテナリース会社であるトリトン・インターナショナルを設立しました。
Florens Asset Management(フローレンスアセットマネジメント)
2016年5月にFlorens Container HoldingsとDong Fang International Investmentが経営統合して誕生しました。香港に本拠を置く中国の海運大手であるCOSCO(コスコ)傘下のコンテナリース会社です。
Textainer Group(テクステイナーグループ)
1979年に設立されたバミューダに本拠を置くコンテナリース会社です。ニューヨーク証券取引所に上場しています。Lease、Resaleのセグメントを有しており、世界各国に200社の顧客を持っています。
三菱HCキャピタル
2021年に三菱UFJリースと日立キャピタルが合併し成立しました。2021年には米国大手リースCIAを買収し、2022年には同社と孫会社のBeaconを経営統合させるなど、急速な拡大を続けています。アセットファイナンスに注力し事業拡大を続けており、純投資を行わないという点で、国内リース最大手オリックスとは異なっています。
Seaco Global(シーコグローバル)
1998年にGEの金融事業を行うGEキャピタルとグローバルシーコンテイナーズ社との合弁として設立されました。現在は、中国のHNAグループ傘下にあります。コンテナリースやコンテナタンクリースを手掛けています。
Beacon Intermodal Leasing(ビーコンインターモーダルリーシング)
2008年に設立されたコンテナリース会社です。現在は三菱HCキャピタル傘下にあります。
CAI International(CAIインターナショナル)
1989年に設立された独立系コンテナリース会社です。ニューヨーク証券取引所に上場しています。三菱HCキャピタルが2021年に買収を発表しました。
SeaCube(シーキューブ)
2012年に設立された米国に拠点を置くコンテナリース会社です。特に冷凍・冷蔵コンテナに強みを持ちます。
TOUAX
1853年にWalewski家によって設立されたフランスに本拠を置くコンテナリース会社です。
参照したデータの詳細情報について
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